論文詳細
自然科学系
農学部
#紀要論文
ミヤコグサ根粒超着生変異株har1-4の葉の生育
- AI解説:
- マメ科植物は根粒菌(rhizobia)との共生により窒素固定を行う根粒を形成するが、根粒形成には多くのエネルギーが必要であるため、植物は根粒自己制御(autoregulation of nodulation)によって根粒数を厳密に制限している。複数のマメ科植物で行われた過去の遺伝学的研究および接ぎ木研究から、この制御は、根の感染シグナルに応答して地上部(shoot)由来のシグナルが働くことで制御されることが示唆されている。この経路の主要遺伝子として、*Lotus japonicus* のHAR1およびダイズのGmNARKがあり、これらは *Arabidopsis* のCLAVATA1(茎頂分裂組織における細胞増殖の調節因子)と相同なロイシンリッチリピート型受容体様キナーゼ(leucine-rich repeat receptor-like kinases)をコードする。ダイズの過剰根粒(hypernodulation)変異体では、根粒菌を接種しない条件でも葉の成長変化や葉の細胞数減少が見られることから、根粒自己制御と葉の細胞増殖の間の関連が示唆されてきた。しかし、*L. japonicus* において同様の関係が存在するかは確立されていなかった。そこで本研究は、非接種条件下で、過剰根粒変異体har1-4が野生型に比べて葉の成長および葉の細胞増殖に変化を示すかどうかを検証することを目的とした。
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自然科学系
農学部
#紀要論文
ミヤコグサ根粒超着生変異株har1-4の葉の生育
AI解説
- 背景と目的:
-
マメ科植物は根粒菌(rhizobia)との共生により窒素固定を行う根粒を形成するが、根粒形成には多くのエネルギーが必要であるため、植物は根粒自己制御(autoregulation of nodulation)によって根粒数を厳密に制限している。複数のマメ科植物で行われた過去の遺伝学的研究および接ぎ木研究から、この制御は、根の感染シグナルに応答して地上部(shoot)由来のシグナルが働くことで制御されることが示唆されている。この経路の主要遺伝子として、*Lotus japonicus* のHAR1およびダイズのGmNARKがあり、これらは *Arabidopsis* のCLAVATA1(茎頂分裂組織における細胞増殖の調節因子)と相同なロイシンリッチリピート型受容体様キナーゼ(leucine-rich repeat receptor-like kinases)をコードする。ダイズの過剰根粒(hypernodulation)変異体では、根粒菌を接種しない条件でも葉の成長変化や葉の細胞数減少が見られることから、根粒自己制御と葉の細胞増殖の間の関連が示唆されてきた。しかし、*L. japonicus* において同様の関係が存在するかは確立されていなかった。そこで本研究は、非接種条件下で、過剰根粒変異体har1-4が野生型に比べて葉の成長および葉の細胞増殖に変化を示すかどうかを検証することを目的とした。
- 主要な発見:
-
根粒菌を接種せずに栽培した場合、植物体全体の新鮮重はhar1-4と野生型で同一(いずれも35.2 mg)であり、この条件下で全体的な成長上の不利益がないことが示された。一方で、バイオマス配分には差があり、茎の新鮮重はhar1-4(2.2 mg)が野生型(3.0 mg)より有意に低かった。根の新鮮重はhar1-4で高い傾向(13.6 mg vs 12.3 mg)を示したが、有意差には達しなかった。変異体の根は、側根の増加により体積が大きい一方で、より短いと記述された。葉の新鮮重は両遺伝子型で同程度であった(har1-4:19.3 mg、野生型:19.9 mg)。葉面積の測定では、初生葉および第1・第2三出複葉はhar1-4と野生型で同程度の面積であったが、har1-4の第3三出複葉はわずかに小さかった。第1三出複葉の顕微鏡観察では、har1-4における葉あたりの柵状細胞数は野生型より少ない傾向(有意差なし)を示し、細胞面積は大きい傾向を示した。著者らは、全体の葉面積が変わらないことと整合的に、細胞数の減少を細胞面積の増大が補う補償(compensation)効果の可能性として、この細胞面積の増大を解釈している。
- 方法論:
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*L. japonicus* B-129 Gifu(野生型)および過剰根粒変異体har1-4の種子を表面殺菌し、接種なしで寒天培地に播種して、16時間明期23°C/8時間暗期23°Cの条件に制御されたグロースチャンバーで育成した。播種6日後、滅菌したB&D培地(5 mM NO3-を含む)を用いた水耕栽培へ移植した。培養液は連続的に曝気し、3日ごとに交換した。播種14日後に植物を収穫し、総新鮮重ならびに茎・根・葉の新鮮重を含む成長解析を行うとともに、初生葉および連続する三出複葉の葉面積を測定した。細胞解析のため、葉をFAA(formaldehyde–acetic acid–ethanol)で固定し、抱水クロラールを基盤とする溶液(chloral hydrate 500 g、glycerol 50 g、H2O 0.125 L)で透徹した。表皮下層の柵状細胞を光学顕微鏡(BX-60, OLYMPUS)で観察し、第1三出複葉の中央小葉の葉身中央部において単位面積あたりの柵状細胞数を求め、そこから葉あたりの細胞数と細胞サイズを算出した。
- 結論と意義:
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本研究は、根粒菌非存在下で栽培した*L. japonicus*において、har1-4は野生型に比べて植物体全体の新鮮重が低下しないと結論づけており、これは非接種条件下のダイズ過剰根粒変異体での先行観察と並行する。これにより、根粒が形成された過剰根粒変異体で報告されている乾物蓄積の低下(根粒形成下の野生型との比較)は、変異そのものの直接効果というより、多数の根粒を形成することに伴う二次的な結果である可能性が高いという著者らの解釈が支持される。同時に、har1-4では地上部—地下部の配分が変化し、茎の新鮮重が有意に低下し、根量の増加傾向および側根発達が認められたことから、共生がない場合でも地上部の成長特性が異なり得ることが示唆される。葉の発達については、葉面積が概ね不変である一方で、柵状細胞が少なく細胞面積が大きい傾向が見られたことから、HAR1に関連する自己制御が*L. japonicus*における葉の細胞増殖制御と少なくとも一部で結び付いていることが示唆されるが、その機構は解明されなかった。さらに著者らは、根粒自己制御は根粒に特異的な仕組みに限られず、一般的な植物の制御機構を利用している可能性があると、より広い観点から論じている。
- 今後の展望:
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本論文は詳細な将来研究計画を提示していないが、根粒自己制御と葉の細胞増殖を結び付ける機構が本研究では「明らかにできなかった」と明確に述べている。そのため、本結果は、HAR1依存的シグナルが葉における細胞増殖および補償(compensation)にどのように影響するのか、またそれらが自己制御に提案されている全身的な地上部—地下部シグナルとどのように関係するのかを、機構的に解明する研究を促すものである。加えて、バイオマス配分の変化(茎成長の低下と根の形態変化)が観察されたことは、根粒制御そのものを超えて、har1-4に付随する非共生条件での表現型をより深く特徴づける必要性を示している。最後に、根粒自己制御がより広範な植物制御経路を反映する可能性があるという著者らの提案に基づけば、マメ科植物間(およびCLAVATA関連経路との)比較解析により、共有される構成要素と根粒制御に特化した要素の区別を明らかにすることが必要である。
- 背景と目的:
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マメ科の植物は、
と助け合うことで「根粒菌 ( マメ科植物の根に住みつき、根粒を作らせる細菌です。植物に窒素を提供し、その代わり植物から栄養をもらう関係です。) 」という器官を作り、空気中の窒素を植物が使える形に変える(根粒 ( マメ科植物の根にできる小さなこぶ状の器官で、根粒菌が中で働き、窒素固定が行われます。) )ことができます。ただし根粒を作るには多くのエネルギーが必要なので、植物は根粒ができすぎないように「根粒自己制御」という仕組みで根粒の数を厳しく調整しています。窒素固定 ( 空気中の窒素を、植物が利用できる形(例:アンモニアなどにつながる形)に変える働きです。植物の成長に必要な栄養(窒素)を得る上で重要です。)
これまでの研究から、この調整は根で起きた根粒菌感染の情報が (茎や葉)に伝わり、地上部からの合図が根に戻ることで行われる可能性が示されていました。そこで重要だと考えられている遺伝子が、*Lotus japonicus*(モデル植物)の地上部 ( 植物の地面より上にある部分で、茎や葉などを指します。根からの情報を受け取り、根へ指示を返す役割があると考えられています。) です。HAR1 ( *L. japonicus*で根粒自己制御に重要な遺伝子です。根からの感染情報を地上部が受け取る仕組みに関わると考えられています。)
一方、ダイズの「 」過剰根粒 ( ふつうより根粒が多くできてしまう性質です。根粒自己制御に関わる遺伝子がうまく働かないと起こりやすいと考えられます。) では、根粒菌をいない条件でも葉の成長や葉の細胞数に変化が見られ、根粒自己制御と葉の成長がつながっているかもしれないと考えられてきました。しかし、*L. japonicus*でも同じことが言えるかははっきりしていませんでした。変異体 ( 遺伝子に変化があり、野生型(標準的な型)と比べて性質が変わった個体です。原因となる遺伝子の働きを調べるのに使われます。)
そこで本研究は、根粒菌を与えない条件で、過剰根粒変異体har1-4が と比べて葉の成長や葉の細胞の増え方に違いを示すかを調べることを目的としました。野生型 ( 研究で基準として使う、標準的な遺伝子と性質をもつ個体です。変異体との比較に用いられます。)
- 主要な発見:
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なしで育てた場合、植物全体の根粒菌 ( マメ科植物の根に住みつき、根粒を作らせる細菌です。植物に窒素を提供し、その代わり植物から栄養をもらう関係です。) はhar1-4と新鮮重 ( 収穫直後の水分を含んだままの重さです。短期間の成長の比較によく使われます。) で同じでした(どちらも35.2 mg)。つまり、この条件では「野生型 ( 研究で基準として使う、標準的な遺伝子と性質をもつ個体です。変異体との比較に用いられます。) だから全体が小さくなる」といった不利は見られませんでした。変異体 ( 遺伝子に変化があり、野生型(標準的な型)と比べて性質が変わった個体です。原因となる遺伝子の働きを調べるのに使われます。)
ただし、植物の各部分への重さの配分には違いがありました。茎の新鮮重はhar1-4の方が野生型より有意に小さく、根はhar1-4の方が重い傾向がありました(有意差はなし)。har1-4の根は、側根が多いため全体の体積は大きい一方で、短いと説明されています。
葉については、新鮮重は両者でほぼ同じでした。葉の面積も、 と第1・第2の初生葉 ( 種から芽が出たあと、最初の段階で出てくる葉です。成長の初期を比べるときに使われます。) では同程度で、第3の三出複葉だけhar1-4が少し小さくなりました。三出複葉 ( 1枚の葉が3つの小さな葉(小葉)からできている葉の形です。*L. japonicus*などで見られます。)
さらに顕微鏡で葉の細胞を観察すると、har1-4では葉1枚あたりの 数が少ない傾向があり、その代わり細胞1つ1つの面積は大きい傾向がありました。著者らは、細胞数が減っても細胞が大きくなることで葉の面積を保つ「柵状細胞 ( 葉の内部で、光合成を主に行う細長い細胞です。細胞数や大きさは、葉の成長の仕組みを考える手がかりになります。) 」の可能性があると考えています。補償 ( 細胞数が減ったときに、細胞が大きくなるなどして、器官全体の大きさの変化を小さくする現象です。葉の大きさが保たれる理由として重要です。)
- 方法論:
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*L. japonicus*の
(B-129 Gifu)と野生型 ( 研究で基準として使う、標準的な遺伝子と性質をもつ個体です。変異体との比較に用いられます。) 過剰根粒 ( ふつうより根粒が多くできてしまう性質です。根粒自己制御に関わる遺伝子がうまく働かないと起こりやすいと考えられます。) har1-4の種子を変異体 ( 遺伝子に変化があり、野生型(標準的な型)と比べて性質が変わった個体です。原因となる遺伝子の働きを調べるのに使われます。) し、表面殺菌 ( 種子の表面についた微生物を取り除く処理です。実験の条件をそろえ、不要な菌の影響を避けるために行います。) を与えずに寒天培地にまいて育てました。育成は、明るい時間16時間・暗い時間8時間、温度は明暗とも23°Cの一定条件で行いました。根粒菌 ( マメ科植物の根に住みつき、根粒を作らせる細菌です。植物に窒素を提供し、その代わり植物から栄養をもらう関係です。)
発芽から6日後に、滅菌した培地( を含む)を使った硝酸イオン ( 植物が利用できる窒素の形の一つです。根粒菌がいない条件でも植物が育つように培地に入れます。) に移し、培養液は空気を送り込みながら3日ごとに交換しました。水耕栽培 ( 土を使わず、栄養を溶かした水で植物を育てる方法です。条件をそろえやすく、実験に向いています。)
14日後に植物を回収し、植物全体・茎・根・葉の を測定しました。また、新鮮重 ( 収穫直後の水分を含んだままの重さです。短期間の成長の比較によく使われます。) と連続する初生葉 ( 種から芽が出たあと、最初の段階で出てくる葉です。成長の初期を比べるときに使われます。) の三出複葉 ( 1枚の葉が3つの小さな葉(小葉)からできている葉の形です。*L. japonicus*などで見られます。) を測りました。葉面積 ( 葉の表面の広さです。光合成できる面積に関係するため、成長の指標になります。)
細胞の観察では、葉を して固定 ( 細胞や組織の形を保ったまま観察できるように、化学薬品で変化を止める処理です。顕微鏡観察の前に必要です。) し、光学顕微鏡で透明化 ( 葉などを薬品で透き通らせ、内部の細胞を観察しやすくする処理です。細胞数の測定などに使います。) を観察しました。第1三出複葉の中央の小葉の中心部分で、一定面積あたりの柵状細胞数を数え、そこから葉1枚あたりの細胞数と細胞サイズを計算しました。柵状細胞 ( 葉の内部で、光合成を主に行う細長い細胞です。細胞数や大きさは、葉の成長の仕組みを考える手がかりになります。)
- 結論と意義:
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本研究から、
がいない条件では、har1-4は根粒菌 ( マメ科植物の根に住みつき、根粒を作らせる細菌です。植物に窒素を提供し、その代わり植物から栄養をもらう関係です。) と比べて植物全体の野生型 ( 研究で基準として使う、標準的な遺伝子と性質をもつ個体です。変異体との比較に用いられます。) が下がらないことが示されました。これはダイズでの先行研究と同じ流れの結果です。このことは、新鮮重 ( 収穫直後の水分を含んだままの重さです。短期間の成長の比較によく使われます。) をたくさん作る根粒 ( マメ科植物の根にできる小さなこぶ状の器官で、根粒菌が中で働き、窒素固定が行われます。) で「変異体 ( 遺伝子に変化があり、野生型(標準的な型)と比べて性質が変わった個体です。原因となる遺伝子の働きを調べるのに使われます。) のたまり方が悪い」と見える場合でも、それは変異そのものの直接の影響というより、根粒が多すぎることによる二次的な影響の可能性が高い、という考えを後押しします。乾物 ( 植物体から水分を取り除いた後に残る成分です。エネルギーや物質がどれだけ蓄積したかを評価するのに使います。)
その一方で、har1-4では茎が軽く、根が発達しやすいなど、 と地下部への配分が変わることも分かりました。つまり地上部 ( 植物の地面より上にある部分で、茎や葉などを指します。根からの情報を受け取り、根へ指示を返す役割があると考えられています。) が起きていない状況でも、地上部の成長のしかたが野生型と違う可能性があります。共生 ( 別の種類の生き物どうしが一緒に暮らし、おたがいに利益を得る関係です。この研究では植物と根粒菌の助け合いを指します。)
葉の面積は大きくは変わらないのに、 数が少なく細胞が大きい傾向があったことから、柵状細胞 ( 葉の内部で、光合成を主に行う細長い細胞です。細胞数や大きさは、葉の成長の仕組みを考える手がかりになります。) に関わる仕組みが、葉のHAR1 ( *L. japonicus*で根粒自己制御に重要な遺伝子です。根からの感染情報を地上部が受け取る仕組みに関わると考えられています。) の調節と少なくとも一部でつながっている可能性が示されました。ただし、その詳しい仕組みまでは今回の研究では分かりませんでした。さらに著者らは、根粒自己制御は根粒だけの特別な仕組みではなく、植物がもともと持つ一般的な成長調節の仕組みを利用している可能性があると述べています。細胞増殖 ( 細胞が分裂して数が増えることです。器官(葉など)の大きさを決める重要な要素です。)
- 今後の展望:
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本研究では、
自己制御と葉の根粒 ( マメ科植物の根にできる小さなこぶ状の器官で、根粒菌が中で働き、窒素固定が行われます。) を結びつける具体的な仕組みは解明できなかったと明記されています。今後は、細胞増殖 ( 細胞が分裂して数が増えることです。器官(葉など)の大きさを決める重要な要素です。) に依存する合図が、葉の細胞増殖やHAR1 ( *L. japonicus*で根粒自己制御に重要な遺伝子です。根からの感染情報を地上部が受け取る仕組みに関わると考えられています。) にどう影響するのか、またそれが補償 ( 細胞数が減ったときに、細胞が大きくなるなどして、器官全体の大きさの変化を小さくする現象です。葉の大きさが保たれる理由として重要です。) と地下部の「行き来する合図」とどう関係するのかを、仕組みとして説明できる研究が求められます。地上部 ( 植物の地面より上にある部分で、茎や葉などを指します。根からの情報を受け取り、根へ指示を返す役割があると考えられています。)
また、茎の成長低下や根の形の変化など、根粒とは直接関係しないように見える特徴も出ているため、根粒がない条件でのhar1-4の性質をより詳しく整理する必要があります。さらに、 どうしの比較や、CLAVATA関連の経路との比較を進めることで、共通の部品と根粒制御に特化した部品を分けて理解することが重要になります。マメ科植物 ( ダイズやエンドウなどの仲間で、根粒菌と共生して窒素固定ができる植物です。農業では肥料を減らす助けにもなるため重要です。)
- 何のために?:
-
マメの
仲間 の植物は、根にコブを作ります。
そのコブを、 (こんりゅう)と言います。根粒 ( マメの植物の根にできる小さなふくらみで中に根粒菌 が住みます:植物が空気のちっそを使えるようになるために大切です)
根粒 には、 という小さな生き物がいます。根粒菌 ( 根粒 の中にいる小さな生き物で植物にちっそを使える形にしてわたします:植物が元気に育つのを助けます)
根粒菌 は、植物を助けてくれます。
空気の中の を、使える形にします。ちっそ ( 植物が育つために必要 なえいようの一つです:空気中に多いですがそのままでは植物が使いにくいので根粒菌 の働 きが重要 です)
でも、根粒 を作るには力がたくさんいります。
だから植物は、作りすぎないようにします。
この調節 を、 と言います。根粒 自己制御 ( 根粒 を作りすぎないように植物が自分で調節 するしくみです:根粒 を作るのに力がいるため成長 とのバランスに関 わります)
この調節 は、根と葉で合図し合うらしいです。
大事そうな に、遺伝子 ( 生き物の体の作り方やはたらき方を決める情報 です:どんな形に育つかのちがいを調べるときに重要 です) があります。HAR1 ( 根粒 自己制御 や葉の育ち方に関 わると考えられている遺伝子 の名前です:この遺伝子 が変 わると根や葉の成長 が変 わるかを調べられます)
では、葉の育ち方もダイズ ( マメ科の植物の一つで研究によく使われます:他の植物の結果 とくらべる基準 になります) 変 わる例 があります。
でも、同じことが起きるかは不明 でした。
そこで、 というhar1-4 ( HAR1のはたらきがふつうとちがう変 わった植物の型 の名前です:遺伝子 のはたらきを確 かめる実験 で使います) 変 わった植物を調べます。
根粒菌 なしで、葉の育ち方を比 べます。
- 何が分かったの?:
-
なしでも、全体の重さは同じでした。根粒菌 ( 根粒 の中にいる小さな生き物で植物にちっそを使える形にしてわたします:植物が元気に育つのを助けます)
も、ふつうのhar1-4 ( HAR1のはたらきがふつうとちがう変 わった植物の型 の名前です:遺伝子 のはたらきを確 かめる実験 で使います) 型 も35.2mgでした。
だから、全体が小さくなる心配は少ないです。
でも、部分ごとの重さはちがいました。
茎 は、har1-4のほうが軽かったです。
根は、har1-4のほうが重めでした。
根は、 が多く、広がりやすいです。わき根 ( 大きな根から横に出てくる根です:根の広がり方や水やえいようのとり方に関 わります)
そのかわり、根は短いと考えられます。
葉の重さは、どちらもほぼ同じでした。
葉の広さも、多くは同じくらいでした。
ただし3つ目の葉だけ、少し小さかったです。
をみると、細胞 ( 生き物の体を作るとても小さなつぶです:細胞 の数や大きさの変化 で葉の大きさの理由が分かります) 細胞 の数は少なめでした。
そのかわり、1つの細胞 は大きめでした。
数がへっても大きくなり、広さを保 つかもです。
- どうやったの?:
-
使った植物は2しゅるいです。
ふつうの型 と、 です。har1-4 ( HAR1のはたらきがふつうとちがう変 わった植物の型 の名前です:遺伝子 のはたらきを確 かめる実験 で使います)
たねをきれいにして、 で育てました。寒天 ( ゼリーのようにかためた材料 で植物を育てる土の代わりに使います:きれいな環境 で育てて条件 をそろえられます)
は、あたえませんでした。根粒菌 ( 根粒 の中にいる小さな生き物で植物にちっそを使える形にしてわたします:植物が元気に育つのを助けます)
明るい時間は16時間にしました。
暗い時間は8時間にしました。
温度は、いつも23度にしました。
6日後に、水だけで育てる方法 にかえました。
その水には、植物のえいようも入れました。
水は3日ごとに、新しくしました。
14日後に、植物を集めました。
全体、茎 、根、葉の重さをはかりました。
葉の広さも、葉ごとに調べました。
葉をうすくして、 で見ました。けんびきょう ( 小さすぎて目で見えないものを大きく見られる道具です:葉の細胞 の数や大きさを調べるのに必要 です)
決まった場所で、 の数を数えました。細胞 ( 生き物の体を作るとても小さなつぶです:細胞 の数や大きさの変化 で葉の大きさの理由が分かります)
そこから、葉1まいの数と大きさを出しました。
- 研究のまとめ:
-
がいないとき、全体の重さは下がりません。根粒菌 ( 根粒 の中にいる小さな生き物で植物にちっそを使える形にしてわたします:植物が元気に育つのを助けます)
これは、 の話とにています。ダイズ ( マメ科の植物の一つで研究によく使われます:他の植物の結果 とくらべる基準 になります)
が多すぎると、根粒 ( マメの植物の根にできる小さなふくらみで中に根粒菌 が住みます:植物が空気のちっそを使えるようになるために大切です) 別 の理由で弱るかもです。
変化 そのものが、原因 とは限 らないということです。
一方で、茎 と根の育ち方は変 わりました。
根に力がいき、茎 が軽くなりやすいです。
葉の広さは同じでも、中の がちがいました。細胞 ( 生き物の体を作るとても小さなつぶです:細胞 の数や大きさの変化 で葉の大きさの理由が分かります)
は、葉のHAR1 ( 根粒 自己制御 や葉の育ち方に関 わると考えられている遺伝子 の名前です:この遺伝子 が変 わると根や葉の成長 が変 わるかを調べられます) 細胞 のふえ方と関係 しそうです。
ただし、くわしい仕組みは分かりませんでした。
根粒 の調節 は、成長 の仕組みを使うかもです。
- これからどうする?:
-
今回だけでは、合図の仕組みは分かりません。
の合図が、葉にどうHAR1 ( 根粒 自己制御 や葉の育ち方に関 わると考えられている遺伝子 の名前です:この遺伝子 が変 わると根や葉の成長 が変 わるかを調べられます) 働 くか調べます。
がふえることや、細胞 ( 生き物の体を作るとても小さなつぶです:細胞 の数や大きさの変化 で葉の大きさの理由が分かります) も調べます。補償 ( 細胞 の数が少ないときに一つ一つの細胞 が大きくなって全体の大きさを保 とうとする考え方です:葉の広さが同じでも中身が違 う理由の説明 に使えます)
根と葉の合図の行き来も、説明 が必要 です。
がないときの根粒 ( マメの植物の根にできる小さなふくらみで中に根粒菌 が住みます:植物が空気のちっそを使えるようになるために大切です) も、もっと調べます。har1-4 ( HAR1のはたらきがふつうとちがう変 わった植物の型 の名前です:遺伝子 のはたらきを確 かめる実験 で使います)
茎 が小さい理由や、根の形も見ていきます。
ほかのマメの植物とも、くらべるとよいです。
にた仕組みと、根粒 だけの仕組みを分けます。
- 著者名:
- Tanabata Sayuri, Ohtake Norikuni, Sueyoshi Kuni, Kawaguchi Masayoshi, Ohyama Takuji
- 掲載誌名:
- 新潟大学農学部研究報告
- 巻:
- 66
- 号:
- 1
- ページ:
- 21 - 24
- 発行日:
- 2013-10
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/23967
