論文詳細
自然科学系
農学部
#紀要論文
発光分光法によるケルダール分解液の15N濃度分析
- AI解説:
- 本論文は、植物栄養などの分野におけるトレーサー研究で^15N存在比を決定する際の実務上の制約を扱う。質量分析(mass spectrometry)は天然存在比(δ^15N)を高精度に測定できるが、^15N濃縮物質を用いる実験では必ずしも必要ではなく、費用も高くなり得る。代替法として発光分光法(emission spectrometry)を確立した方法として提示し、その主な利点を2点、すなわち必要な窒素量がごく少ない(約1–2 μgN)こと、運転・保守コストが質量分析より低いこととして挙げる。しかし従来の発光分光法のワークフロー(例:密封管内でのDumas型燃焼、またはKjeldahl分解液を追加の化学工程でN_2へ変換する方法)は、手間がかかり時間も要し、相当の技術(とくにガラス操作)を必要とする。本研究の目的は、Kjeldahl分解液を小型のPyrex放電管で直接用いることで、発光分光による^15N分析の前処理を簡素化することである。著者らは、管内に残存する硫酸が安定した放電や信頼できる測定を妨げないことを示し、前処理の負担と窒素汚染の機会を減らすことを狙っている。
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自然科学系
農学部
#紀要論文
発光分光法によるケルダール分解液の15N濃度分析
AI解説
- 背景と目的:
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本論文は、植物栄養などの分野におけるトレーサー研究で^15N存在比を決定する際の実務上の制約を扱う。質量分析(mass spectrometry)は天然存在比(δ^15N)を高精度に測定できるが、^15N濃縮物質を用いる実験では必ずしも必要ではなく、費用も高くなり得る。代替法として発光分光法(emission spectrometry)を確立した方法として提示し、その主な利点を2点、すなわち必要な窒素量がごく少ない(約1–2 μgN)こと、運転・保守コストが質量分析より低いこととして挙げる。しかし従来の発光分光法のワークフロー(例:密封管内でのDumas型燃焼、またはKjeldahl分解液を追加の化学工程でN_2へ変換する方法)は、手間がかかり時間も要し、相当の技術(とくにガラス操作)を必要とする。本研究の目的は、Kjeldahl分解液を小型のPyrex放電管で直接用いることで、発光分光による^15N分析の前処理を簡素化することである。著者らは、管内に残存する硫酸が安定した放電や信頼できる測定を妨げないことを示し、前処理の負担と窒素汚染の機会を減らすことを狙っている。
- 主要な発見:
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著者らは、蒸発と排気後に少量のH_2SO_4が残っていても、Kjeldahl分解液から直接作製した放電管を用いて、発光分光法により^15N存在比を問題なく測定できると報告している。^15N標識尿素で施肥したダイズの根および地上部(野外試験、長岡、2002)の測定例では、放電は安定しており、バックグラウンドも分析を妨げるほど上昇しなかったと述べられている。論文は、スペクトルのピークパターンが濃縮レベルに依存することを示す。高濃縮(例として27.3 atom % excess)では^14N^14N、^14N^15N、^15N^15Nのピークが見える一方、低濃縮(例として0.08 atom % excess)では^15N^15Nピークは検出できず、^14N^15N信号には増幅が必要である(例:拡大係数 R = 16)。著者らは、低濃縮における発光分光法の制約を強調し、0.1 atom % excess未満は定量目的では信頼できず、本法はδ^15N(天然存在比)測定には不適であるとしている。さらに、不純物ガスが^14N^15N付近のバックグラウンドを上昇させ得ることを述べ、許容できるスキャンの定性的基準として、バックグラウンドがピーク高より低い状態を保つべきだと明記している。総合すると、Kjeldahl分解液を直接用いる方法が最も簡便であり、代替の前処理経路と比べて汚染リスクも低減すると主張している。
- 方法論:
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植物試料は洗浄後、60–80°Cで恒量になるまでオーブン乾燥し、放電管に導入する窒素量がマイクログラムレベルであるため、交差汚染を厳重に避けながら微粉砕した。全窒素は、H_2SO_4を用いたKjeldahl分解と、溶液が透明になるまで30% H_2O_2を繰り返し添加する操作によりアンモニウムへ変換した。さらに加熱(230°Cで60分)し、アンモニウム比色定量への干渉を避けるため残存H_2O_2を分解した。硝酸態窒素が多い組織(NO_3^−-Nが全Nの5%超)では、H_2O_2工程の前に、サリチル酸–硫酸およびチオ硫酸ナトリウムを用いて段階加熱(例:100°Cで60分、150°Cで30分、200°Cで30分)下で硝酸を還元した。分解液中のアンモニウム濃度は、EDTA、リン酸緩衝液、ニトロプルシド試薬、次亜塩素酸溶液を用いるインドフェノール法(625 nmの吸光度)で定量し、分光分析用に約2 μgNを含む分取量(aliquot)を選べるようにした。放電管の作製では、洗浄した外径4 mm(OD)のPyrex管に分解液10–100 μL(≤100 μL)を入れ、フラスコ系で蒸発させ、CuOワイヤーとCaOスティック(950°Cで予備加熱済み)を加え、10^-4 Torr未満まで排気した後、炎で封管した。続いて560°Cで30分加熱し、その後一晩置いてCaOにより水分・不純物を吸収させた。発光スペクトルを走査し、^28N_2および^29N_2に対応する質量のピーク高を、安定した複数回のスキャンにわたり記録した。^15N(atom %)は、装置の拡大係数(R)を含む強度比から算出し、^15N標準に基づく検量線(約1.0〜15.0 atom %でほぼ直線)で補正した。
- 結論と意義:
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著者らは、Kjeldahl分解液から直接^15N存在比を発光分光分析する方法が、植物材料および他の供給源(動物や環境試料にも言及)に含まれる全^15Nを定めるうえで、彼らが試した中で運用上最も容易なアプローチであると結論づけている。中心となる実務的主張は、小型管手順を用いる限り、排気後に残る硫酸が放電発光や測定安定性を実質的に妨げないという点である。アンモニウム硫酸塩溶液をNaOBrで変換するような追加の変換工程を不要にし、また、より高度な密封管燃焼法を避けることで、労力と窒素汚染の機会を減らせると論じている。論文は、窒素がマイクログラムスケールで必要とされるため、汚染が主要な誤差要因になるという位置づけをしている。また、本法の意義をトレーサーを用いた植物栄養研究の文脈で述べ、標識肥料由来窒素の割合推定や肥料効率の算出が日常的であることを踏まえ、明示的な式と計算例(10 atom %標識の硫酸アンモニウム;肥料効率22%)を提示している。同時に、発光分光法に内在する限界として、低濃縮で精度が低下すること、0.1 atom % excess未満は定量分析に不確実であること、δ^15N測定には適用できないことを強調している。
- 今後の展望:
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本論文は将来研究の専用の計画は示していないが、^15Nトレーサー定量を必要とする多様な植物栄養研究への本法の適用意図と継続的な有用性を示している。ダイズ、Narcissus(スイセン)、チューリップでの既往の利用を挙げ、この手法が、標識窒素の吸収・輸送・同化・器官別の部位特異的蓄積を、器官間および時間経過に沿って追跡するのに適していることを示唆している。さらに、分析目的が天然存在比δ^15Nではなく濃縮試料中の^15N存在比である限り、動物や環境試料など「他の供給源」にも適用可能だと述べ、植物以外への広い利用も示している。方法面では、今後の適用を左右し得る実務的配慮として、慎重な取り扱いによる低汚染リスクの維持、十分な窒素導入量の確保(4 mm管で約1–3 μgN;約0.5 μgN未満では放電が弱い)、低窒素試料に対応する管長の選択、不純物ガスによるスペクトルバックグラウンドの管理が論じられている。これらの点が、簡素化した直接分解液法が最も有用となる運用上の境界条件を形作るものとして提示されている。
- 背景と目的:
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この論文は、植物の栄養研究などで「
(窒素15)」を目印(^15N ( 窒素の安定同位体の一つで、自然界にも少しだけ存在します。放射線を出さず安全に扱えるため、肥料由来の窒素が植物にどれだけ取り込まれたかを追う目印として使われます。) )として使うときに、試料の^15Nの割合(^15N存在比)をどう測ると実務的にやりやすいかを扱っています。トレーサー ( 物質の動きを追跡するために付ける目印のことです。この研究では^15Nを目印にして、肥料の窒素が植物の中でどう動いたかを調べます。)
高精度な測定には がよく使われますが、機器が高価で、^15Nを多めに入れた試料(^15N濃縮試料)を測るだけなら必ずしも必要ではありません。質量分析 ( 分子や原子を質量の違いで分けて測る方法です。^15Nのような同位体を高精度で測れますが、装置が高価で運用コストも高くなりがちです。)
そこで著者らは、 という別の測定法に注目しています。発光分光法は、必要な窒素量がとても少ない(約1〜2 μgN)うえに、運転や保守のコストが質量分析より低いのが利点です。発光分光法 ( 気体などを放電させて光らせ、その光の波長や強さから成分や同位体の割合を調べる方法です。必要な窒素量が非常に少なくて済み、装置の維持費も比較的低い点が重要です。)
ただし、これまでの発光分光法のやり方は、密封管で燃やす手順などが複雑で、時間がかかり、ガラス管の扱いなどの熟練も必要でした。
この研究の目的は、 でできたKjeldahl分解 ( 強い酸(主に硫酸)で試料を分解し、含まれる窒素をアンモニウムに変えて全窒素量などを測れるようにする方法です。植物試料の窒素分析でよく使われます。) を、小型の分解液 ( Kjeldahl分解などで試料を化学的に分解した後に得られる溶液です。この論文では、この分解液をそのまま放電管に入れて^15N測定に使います。) Pyrex ( 耐熱性が高いガラスの種類で、加熱や封管などの操作に向いています。放電管の材料として使われます。) にそのまま入れて使うことで、^15N測定の前処理をもっと簡単にすることです。特に、排気後に管の底に少し残る硫酸があっても、放電や測定が問題なくできるかを確かめ、作業の負担と窒素汚染のチャンスを減らすことを狙っています。放電管 ( 真空に近い状態にして封をしたガラス管で、内部の気体を放電させて発光スペクトルを測るために使います。作製が手間でしたが、本研究はその工程を簡単にする提案です。)
- 主要な発見:
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著者らは、蒸発と排気のあとに少量の硫酸(H_2SO_4)が管内に残っても、
液から直接作ったKjeldahl分解 ( 強い酸(主に硫酸)で試料を分解し、含まれる窒素をアンモニウムに変えて全窒素量などを測れるようにする方法です。植物試料の窒素分析でよく使われます。) で放電管 ( 真空に近い状態にして封をしたガラス管で、内部の気体を放電させて発光スペクトルを測るために使います。作製が手間でしたが、本研究はその工程を簡単にする提案です。) 存在比を問題なく測定できたと報告しています。^15N ( 窒素の安定同位体の一つで、自然界にも少しだけ存在します。放射線を出さず安全に扱えるため、肥料由来の窒素が植物にどれだけ取り込まれたかを追う目印として使われます。)
^15N標識尿素を施したダイズ試料(根と地上部)の例でも、放電は安定し、測定の邪魔になるほど (背景の信号)が増えなかったとしています。バックグラウンド ( 本来のピーク以外に出る背景の信号です。不純物ガスなどで上がるとピークが読みにくくなり、正確さが落ちるため管理が重要です。)
また、スペクトルのピークの出方は、^15Nの濃さによって変わることを示しています。
^15Nが高いと^14N^14N、^14N^15N、^15N^15Nのピークが確認できますが、^15Nが低いと^15N^15Nは見えず、^14N^15Nの信号を拡大して読む必要がありました(例: =16)。拡大係数R ( 小さい信号(特に低濃縮の^14N^15Nピーク)を読み取るために信号を増幅する設定値です。低濃度の測定では必要になりますが、精度の限界とも関係します。)
重要な注意点として、低い濃度では精度が落ち、0.1 excess未満は定量目的では信頼しにくいこと、さらに天然存在比atom % ( ある元素の同位体が、原子数の割合として何%かを示す表し方です。^15Nの割合を直接表現できます。) の測定には向かないことを強調しています。δ^15N ( 自然界にある^15Nのわずかな違いを、基準物質と比べて表す指標です。非常に小さな差を扱うため高精度が必要で、この論文の発光分光法はδ^15N測定には向かないとされています。)
加えて、不純物ガスがバックグラウンドを上げることがあるため、ピークよりバックグラウンドが低い状態を保てているかが、測定がうまくいっているかの目安になると述べています。
- 方法論:
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植物試料を洗浄し、60〜80°Cでしっかり乾燥させた後、微量の窒素(マイクログラムレベル)を扱うので、試料同士が混ざらないように注意して細かく粉砕しました。
次に、硫酸(H_2SO_4)を用いた で、試料中の窒素をアンモニウムの形に変えました。溶液が透明になるまで過酸化水素(H_2O_2)を複数回加え、最後に加熱して残ったH_2O_2を分解し、後の測定(比色定量)を邪魔しないようにしました。硝酸が多い試料では、分解の途中で硝酸を還元する工程も入れています。Kjeldahl分解 ( 強い酸(主に硫酸)で試料を分解し、含まれる窒素をアンモニウムに変えて全窒素量などを測れるようにする方法です。植物試料の窒素分析でよく使われます。)
中のアンモニウム濃度は分解液 ( Kjeldahl分解などで試料を化学的に分解した後に得られる溶液です。この論文では、この分解液をそのまま放電管に入れて^15N測定に使います。) で測り、インドフェノール法 ( アンモニウムを発色させて、色の濃さ(吸光度)から濃度を求める比色分析法です。分解液にどれだけ窒素があるかを見積もり、放電管に入れる量を決めるのに使います。) 測定に使う分解液の量を、窒素が約2 μgNになるように調整しました。^15N ( 窒素の安定同位体の一つで、自然界にも少しだけ存在します。放射線を出さず安全に扱えるため、肥料由来の窒素が植物にどれだけ取り込まれたかを追う目印として使われます。)
は外径4 mmの放電管 ( 真空に近い状態にして封をしたガラス管で、内部の気体を放電させて発光スペクトルを測るために使います。作製が手間でしたが、本研究はその工程を簡単にする提案です。) 管に分解液(10〜100 μL)を入れ、蒸発させた後、CuOとCaOを加えて高い真空まで排気し、封をしました。その後、加熱して管内の窒素をN_2にし、発光スペクトルを走査して^28N_2と^29N_2に対応するピークを複数回測定しました。得られた強度比から^15N(Pyrex ( 耐熱性が高いガラスの種類で、加熱や封管などの操作に向いています。放電管の材料として使われます。) )を計算し、^15N標準を使ったatom % ( ある元素の同位体が、原子数の割合として何%かを示す表し方です。^15Nの割合を直接表現できます。) で補正しました。検量線 ( 標準試料を測って、測定値と真の値の対応関係を作った線(関係式)です。装置の癖でずれた測定値を補正し、正しい^15N存在比を得るために重要です。)
- 結論と意義:
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著者らは、
液をそのまま使ってKjeldahl分解 ( 強い酸(主に硫酸)で試料を分解し、含まれる窒素をアンモニウムに変えて全窒素量などを測れるようにする方法です。植物試料の窒素分析でよく使われます。) で発光分光法 ( 気体などを放電させて光らせ、その光の波長や強さから成分や同位体の割合を調べる方法です。必要な窒素量が非常に少なくて済み、装置の維持費も比較的低い点が重要です。) 存在比を測る方法が、彼らが試した中で最も作業が簡単で、汚染のリスクも減らせる方法だと結論づけています。ポイントは、小型の管を使う限り、排気後に少し残る硫酸が放電や測定の安定性をほとんど邪魔しないことです。^15N ( 窒素の安定同位体の一つで、自然界にも少しだけ存在します。放射線を出さず安全に扱えるため、肥料由来の窒素が植物にどれだけ取り込まれたかを追う目印として使われます。)
追加の化学変換(例:アンモニウム硫酸塩溶液をNaOBrでN_2に変える工程)を省けるため、手間が減り、窒素が外から混ざって誤差が出る機会も減らせると説明しています。
一方で、発光分光法の限界として、低濃縮の試料では精度が下がること、0.1 excess未満の定量は不確かになりやすいこと、atom % ( ある元素の同位体が、原子数の割合として何%かを示す表し方です。^15Nの割合を直接表現できます。) の測定には使えないことも明確に述べています。δ^15N ( 自然界にある^15Nのわずかな違いを、基準物質と比べて表す指標です。非常に小さな差を扱うため高精度が必要で、この論文の発光分光法はδ^15N測定には向かないとされています。)
- 今後の展望:
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論文として具体的な将来計画は示していませんが、この方法が
^15N ( 窒素の安定同位体の一つで、自然界にも少しだけ存在します。放射線を出さず安全に扱えるため、肥料由来の窒素が植物にどれだけ取り込まれたかを追う目印として使われます。) を使う多くの植物栄養研究に役立つことを示しています。ダイズ、スイセン、チューリップでの利用例を挙げ、^15Nで標識した窒素が植物の中でどう吸収され、運ばれ、利用され、どの器官にたまるかを時間の流れに沿って追跡するのに向いていると述べています。トレーサー ( 物質の動きを追跡するために付ける目印のことです。この研究では^15Nを目印にして、肥料の窒素が植物の中でどう動いたかを調べます。)
また、測りたいのが ではなく、濃縮試料の^15N存在比である限り、動物や環境試料にも応用できる可能性があるとしています。δ^15N ( 自然界にある^15Nのわずかな違いを、基準物質と比べて表す指標です。非常に小さな差を扱うため高精度が必要で、この論文の発光分光法はδ^15N測定には向かないとされています。)
実務上の注意点として、汚染を防ぐ丁寧な操作、十分な窒素量の確保(4 mm管でおよそ1〜3 μgNが適当で、0.5 μgN未満だと放電が弱い)、低窒素試料では管の長さを工夫すること、不純物ガスによる 管理などが重要だとまとめています。バックグラウンド ( 本来のピーク以外に出る背景の信号です。不純物ガスなどで上がるとピークが読みにくくなり、正確さが落ちるため管理が重要です。)
- 何のために?:
-
この研究は、植物の中のちっ
素 を調べます。
という、しるしを使います。ちっ 素 15( ちっ素 という成分 の中でも、特別 な種類 のちっ素 のことです。ふつうのちっ素 と区別 できるので、植物の中でちっ素 がどこへ行ったかを「しるし」として追うために使います。)
しるしの を、うまくはかりたいです。割合 ( 全体の中で、あるものがどれくらい入っているかを表す数です。ちっ素 15がどのくらい混 ざっているかを知るのに大事です。)
よくある方法 は、すごい機械 を使います。
でも、その機械 は高くて大変 です。
そこで、べつのはかり方を見ました。
それは、光でちっ素 をはかる方法 です。
少ないちっ素 でも、はかれます。
お金や手間も、少なくてすみます。
ただ、今までのやり方はむずかしいです。
ガラスの管 をあつかうのも大変 でした。
この研究は、前の準備 をかんたんにします。
した分解 ( 強い薬などで、材料 をこわして別 の形にすることです。植物の中のちっ素 を測 れる形に変 えるために必要 です。) 液 を、そのまま管 に入れます。
少し がのこっても、酸 ( ものをとかしたり分解 したりする力が強い薬のなかまです。分解 に使うが、残 りすぎると測定 のじゃまになることがあるため重要 です。) 大丈夫 かを見ます。
作業をへらし、ごみが入るのもへらします。
- 何が分かったの?:
-
少し
がのこっても、はかれました。酸 ( ものをとかしたり分解 したりする力が強い薬のなかまです。分解 に使うが、残 りすぎると測定 のじゃまになることがあるため重要 です。)
した分解 ( 強い薬などで、材料 をこわして別 の形にすることです。植物の中のちっ素 を測 れる形に変 えるために必要 です。) 液 から、直接 、測 れました。
ダイズの でも、光は試料 ( 調べるために用意した植物などの一部のことです。試料 の作り方で結果 が変 わるので重要 です。) しました。安定 ( 変 わりにくく、同じような状態 が続 くことです。合図が安定していると、結果 が信 じやすくなります。)
よけいな も、ふえすぎませんでした。合図 ( 機械 が出すサインや信号 のことです。合図の強さや形から、ちっ素 15の量 や割合 を読み取ります。)
合図の山の出方は、こさで変 わりました。
しるしが多いと、山が3つ見えました。
しるしが少ないと、山が1つ見えません。
そのときは、合図を大きくして読みます。
しるしがとても少ないと、 が下がります。正しさ ( 本当の値 にどれだけ近いかという意味です。ちっ素 15が少なすぎると正しさが下がるので重要 です。)
0.1より小さいと、あてにしにくいです。
ふつうの を正しくはかるのは苦手です。割合 ( 全体の中で、あるものがどれくらい入っているかを表す数です。ちっ素 15がどのくらい混 ざっているかを知るのに大事です。)
よけいな があると、合図が上がります。気体 ( 空気のように目に見えにくい状態 の物質 です。ちっ素 を気体にしてから測 るので必要 になります。)
山より、うしろの合図が低 いか見ます。
それが、うまくいっている です。目やす ( 判断 のための基準 になる見方やポイントです。測定 がうまくいっているかを確 かめるのに使います。)
- どうやったの?:
-
まず、植物をきれいにあらいます。
つぎに、あたためて、よくかわかします。
がまざらないように、こまかくします。試料 ( 調べるために用意した植物などの一部のことです。試料 の作り方で結果 が変 わるので重要 です。)
つぎに、強い で、酸 ( ものをとかしたり分解 したりする力が強い薬のなかまです。分解 に使うが、残 りすぎると測定 のじゃまになることがあるため重要 です。) します。分解 ( 強い薬などで、材料 をこわして別 の形にすることです。植物の中のちっ素 を測 れる形に変 えるために必要 です。)
ちっ素 を、べつの形にかえます。
とうめいになるまで、薬をくわえます。
さいごに、あたためて、薬をこわします。
じゃまがのこらないようにするためです。
分解 のあと、ちっ素 のりょうをはかります。
使う のりょうを、少しだけにします。分解 液 ( 分解 したあとにできる液体 です。この液 を使ってちっ素 を測 るので、扱 い方が大事です。)
ちっ素 が、だいたい2になるようにします。
小さなガラス管 に、分解 液 を入れます。
水分をとばして、かわかします。
薬を入れて、中の空気をぬきます。
そして、口をとじます。
あたためて、ちっ素 の にします。気体 ( 空気のように目に見えにくい状態 の物質 です。ちっ素 を気体にしてから測 るので必要 になります。)
光の山を、何回かはかります。
山の強さの比 から、しるしの を出します。割合 ( 全体の中で、あるものがどれくらい入っているかを表す数です。ちっ素 15がどのくらい混 ざっているかを知るのに大事です。)
ものさしになる試料 で、ずれを直します。
- 研究のまとめ:
-
をそのまま使うのが、いちばん楽でした。分解 液 ( 分解 したあとにできる液体 です。この液 を使ってちっ素 を測 るので、扱 い方が大事です。)
手間がへり、よごれが入りにくいです。
小さい管 なら、少しの はじゃましません。酸 ( ものをとかしたり分解 したりする力が強い薬のなかまです。分解 に使うが、残 りすぎると測定 のじゃまになることがあるため重要 です。)
ほかの化学の作業を、はぶけます。
その分、まちがいもおきにくくなります。
でも、しるしが少ない は苦手です。試料 ( 調べるために用意した植物などの一部のことです。試料 の作り方で結果 が変 わるので重要 です。)
0.1より小さいと、数があいまいです。
ふつうの をはかる割合 ( 全体の中で、あるものがどれくらい入っているかを表す数です。ちっ素 15がどのくらい混 ざっているかを知るのに大事です。) 目的 には向きません。
- これからどうする?:
-
この
方法 は、植物の研究にやく立ちます。
しるしのちっ素 が、どこへ行くか追えます。
ダイズなどでも、使った例 があります。
時間とともに、うごきを見られます。
ふつうの ではなく、こい割合 ( 全体の中で、あるものがどれくらい入っているかを表す数です。ちっ素 15がどのくらい混 ざっているかを知るのに大事です。) なら使えます。試料 ( 調べるために用意した植物などの一部のことです。試料 の作り方で結果 が変 わるので重要 です。)
動物や、土や水でも、つかえるかもしれません。
よごれを入れない、ていねいさが大事です。
ちっ素 が少なすぎると、光が弱くなります。
ちっ素 が少ないときは、管 のくふうもします。
よけいな をへらし、うしろの気体 ( 空気のように目に見えにくい状態 の物質 です。ちっ素 を気体にしてから測 るので必要 になります。) を下げます。合図 ( 機械 が出すサインや信号 のことです。合図の強さや形から、ちっ素 15の量 や割合 を読み取ります。)
- 著者名:
- Ohyama Takuji, Tewari Kaushal, Abdel-Latif Salwa, Ruamrungsri Soraya, Komiyama Satoshi, Ito Sayuri, Yamazaki Akihiko, Sueyoshi Kuni, Ohtake Norikuni
- 掲載誌名:
- 新潟大学農学部研究報告
- 巻:
- 57
- 号:
- 1
- ページ:
- 33 - 40
- 発行日:
- 2004-08
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/680
