論文詳細
医学部保健学科
医歯学系
#紀要論文
CpG-Bを用いた白血病性形質細胞様樹状細胞(PMDC11)における抗原特異的CTL誘導能の増強
- AI解説:
- 2015年12月以降、日本においても免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1抗体(nivolumab)が悪性黒色腫および非小細胞肺がんに対して保険適応となり、その臨床効果が大いに期待されています。しかしながら、一部の患者においては、劇的な効果を示すものの、多くの場合その効果は不明確です。これは、臨床効果を予測するための免疫学的解析技術の開発が必要であることを示唆しています。また、腫瘍抗原特異的なCTL(CD8+T細胞)は末梢血中に極めて少なく、その増幅方法が確立されていないため、これを解決するための新しい方法論の確立が急務とされています。本研究では、この問題を解決するために、抗原特異的なCTLをin vitroで簡便に誘導・増幅する方法を開発することを目的としています。
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医学部保健学科
医歯学系
#紀要論文
CpG-Bを用いた白血病性形質細胞様樹状細胞(PMDC11)における抗原特異的CTL誘導能の増強
AI解説
- 背景と目的:
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2015年12月以降、日本においても免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1抗体(nivolumab)が悪性黒色腫および非小細胞肺がんに対して保険適応となり、その臨床効果が大いに期待されています。しかしながら、一部の患者においては、劇的な効果を示すものの、多くの場合その効果は不明確です。これは、臨床効果を予測するための免疫学的解析技術の開発が必要であることを示唆しています。また、腫瘍抗原特異的なCTL(CD8+T細胞)は末梢血中に極めて少なく、その増幅方法が確立されていないため、これを解決するための新しい方法論の確立が急務とされています。本研究では、この問題を解決するために、抗原特異的なCTLをin vitroで簡便に誘導・増幅する方法を開発することを目的としています。
- 主要な発見:
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本研究において、PMDC11細胞を用いてWT1ペプチド抗原特異的なCTLの増幅を試みました。その結果、CpG-Bを用いた24時間の刺激培養によって、共抑制因子であるPD-L1及びPD-L2の発現を増加させることなく、共刺激因子であるCD40及びCD83の発現がわずかに増加することが確認されました。また、WT1/MHC-tetramer+CD8+細胞の再増幅に成功し、細胞数として10倍以上の増幅が観察されました。これにより、PMDC11を用いた再培養方法が、腫瘍抗原特異的なCTLの増幅に有効であることが示されました。
- 方法論:
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本研究では、主に以下の方法を用いました。まず、白血病性形質細胞様樹状細胞株であるPMDC11を用い、CpG-B、LPS、IFN-γなどを加えて24時間培養し、フローサイトメトリーを用いて細胞表面の共抑制因子および共刺激因子の発現を解析しました。次に、HLA-A*24:02陽性の慢性骨髄性白血病患者の末梢血液から単核球を分離し、MLPC法を用いてWT1/MHC-tetramer+CD8+細胞を誘導しました。最終的に、WT1/MHC-tetramer+細胞のさらなる増幅を行い、その効果を検証しました。
- 結論と意義:
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今回の研究により、PMDC11のCpG-B刺激による抗原提示能の向上と、WT1ペプチド抗原特異的なCTLの大幅な増幅が確認されました。この方法は、CTL側の免疫チェックポイントの強度に関する検査や、T細胞受容体の種類の検査、さらには免疫チェックポイント阻害薬の臨床的な効果予測など、様々な免疫解析に利用できる可能性があります。これにより、腫瘍抗原特異的なCTLと腫瘍細胞との間の相互作用をより詳細に解析し、治療効果を予測するための新しい技術開発に寄与することが期待されます。
- 今後の展望:
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本研究で得られた成果を基に、さらに確実な抗原特異的CTLの増幅方法を確立することが求められます。今後は、この方法を臨床検査に応用し、腫瘍細胞と腫瘍抗原特異的CTLとの間の免疫チェックポイントの強度を評価するための技術を開発することが目標です。また、免疫チェックポイント阻害薬の効果予測や、個別化医療における治療方針の決定に役立つ解析技術の確立を目指して研究を進めていく予定です。これにより、治療効果の高い個別化医療の実現に寄与することが期待されます。
- 背景と目的:
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2015年12月から、日本でも新しいタイプのがん治療薬が使えるようになりました。この薬は「
」と言って、体の免疫を強化してがん細胞を攻撃する薬です。しかし、この薬がすごく効く人もいれば、あまり効果がない人もいます。そこで、この薬が効くかどうかを予測できる技術が必要です。また、がん細胞を攻撃する特別な免疫細胞を増やす方法も必要です。本研究では、がん細胞を攻撃する免疫細胞を増やす新しい方法を開発することを目指しています。免疫チェックポイント阻害薬 ( 体の免疫を強化してがん細胞を攻撃する新しいタイプの薬です。)
- 主要な発見:
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この研究では、特別な細胞(PMDC11細胞)を使ってがん細胞を攻撃する免疫細胞を増やすことに成功しました。特定の物質(CpG-B)を使って細胞を刺激したところ、がん細胞を攻撃する免疫細胞が10倍以上に増えました。これによって、この方法が免疫細胞を増やすのに有効であることが示されました。
- 方法論:
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まず、PMDC11細胞を使って実験を行いました。PMDC11細胞にCpG-Bや他の物質を加えて24時間培養し、細胞表面の変化を調べました。また、白血病患者の血液から特別な免疫細胞を取り出し、それを特定の方法(MLPC法)で増やしました。最後に、増えた免疫細胞をさらに増やす実験を行いました。
- 結論と意義:
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この研究で、特定の刺激(CpG-B)を使って免疫細胞を大幅に増やす方法が確立されました。この方法は、がん治療において、がん細胞を攻撃する能力を持つ免疫細胞を増やすのに使える可能性があります。また、この方法を使うことで、がん治療の効果を事前に予測する技術の開発にも役立つと期待されます。
- 今後の展望:
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今後は、この方法をさらに改良して、がん治療においてもっと確実に免疫細胞を増やせるようにすることが求められます。また、この方法を使って、がん治療の効果を予測する技術を開発し、患者ごとに最適な治療を提供できるようにすることが目標です。これによって、効果的ながん治療が実現することが期待されます。
- 何のために?:
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2015年12月から、日本でも新しいがんの薬が使えるようになりました。この薬は「
」といいます。体の免疫 チェックポイント阻害 薬 ( 体の免疫 (病気と戦 う力)を強くして、がんを攻撃 する薬です。がん治療 の一つの方法 として使われます。この薬が効 くかどうかを調べる方法 が必要 です。) 免疫 を強くして、がんを攻撃 します。でも、この薬が効 く人もいれば、あまり効 かない人もいます。だから、この薬が効 くかどうかを予測 する方法 が必要 です。また、がんを攻撃 する を免疫 細胞 ( 体の中で病気と戦 う細胞 のことです。がん治療 では、この細胞 ががんを攻撃 するのを助けます。) 増 やす方法 も必要 です。本研究では、この免疫 細胞 を増 やす新しい方法 を作ることを目指しています。
- 何が分かったの?:
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この研究では、
特別 な細胞 ( )を使ってがんをPMDC11 細胞 ( 特別 な種類 の細胞 で、がんを攻撃 する免疫 細胞 を増 やすために使われます。) 攻撃 する を免疫 細胞 ( 体の中で病気と戦 う細胞 のことです。がん治療 では、この細胞 ががんを攻撃 するのを助けます。) 増 やすことに成功 しました。ある物質 ( )を使ってCpG-B ( ある物質 (化学物質 )の名前です。この物質 を使って細胞 を刺激 すると、免疫 細胞 が増 えます。) 細胞 を刺激 すると、免疫 細胞 が10倍以上 に増 えました。これで、この方法 が免疫 細胞 を増 やすのに役立つことが分かりました。
- どうやったの?:
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まず、
を使ってPMDC11 細胞 ( 特別 な種類 の細胞 で、がんを攻撃 する免疫 細胞 を増 やすために使われます。) 実験 をしました。PMDC11細胞 に や他のCpG-B ( ある物質 (化学物質 )の名前です。この物質 を使って細胞 を刺激 すると、免疫 細胞 が増 えます。) 物質 を加 えて24時間育てました。そして、細胞 の変化 を調べました。また、白血病の患者 さんの血液 から特別 な を取り出しました。それを免疫 細胞 ( 体の中で病気と戦 う細胞 のことです。がん治療 では、この細胞 ががんを攻撃 するのを助けます。) 特定 の方法 ( )でMLPC 法 ( 特定 の方法 (実験 の方法 )です。この方法 を使って、がん治療 に有用な免疫 細胞 を増 やします。) 増 やしました。最後 に、増 えた免疫 細胞 をさらに増 やす実験 をしました。
- 研究のまとめ:
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この研究で、
を使ってCpG-B ( ある物質 (化学物質 )の名前です。この物質 を使って細胞 を刺激 すると、免疫 細胞 が増 えます。) を免疫 細胞 ( 体の中で病気と戦 う細胞 のことです。がん治療 では、この細胞 ががんを攻撃 するのを助けます。) 大幅 に増 やす方法 が分かりました。この方法 は、がん治療 でがんを攻撃 する免疫 細胞 を増 やすのに使えるかもしれません。また、この方法 を使って、がん治療 の効果 を予測 する技術 の開発にも役立つと期待されています。
- これからどうする?:
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今後は、この
方法 をもっと改良 して、がん治療 において確実 に を免疫 細胞 ( 体の中で病気と戦 う細胞 のことです。がん治療 では、この細胞 ががんを攻撃 するのを助けます。) 増 やせるようにします。また、この方法 を使って、がん治療 の効果 を予測 する技術 を開発し、患者 ごとに最適 な治療 を提供 することが目標 です。これによって、効果的 ながん治療 が実現 することが期待されています。
- 著者名:
- 後藤 若奈, 山田 峻也, 橋本 誠雄, 増子 正義, 小林 果歩, 小川 彩空, 柴崎 康彦, 曽根 博仁, 高橋 益廣, 成田 美和子
- 掲載誌名:
- 新潟大学保健学雑誌
- 巻:
- 15
- 号:
- 1
- ページ:
- 1 - 8
- 発行日:
- 2018-03
- 著者による要約:
- 本研究室では,樹立した白血病性形質細胞様樹状細胞株PMDC05へCD80遺伝子を導入することにより強力な抗原提示能をもつPMDC11を作成している。腫瘍細胞とその腫瘍に対する抗原特異的細胞傷害性T細胞 (CTL)との間の免疫チェックポイントの強度に関する検査法開発を目指した基礎的研究としてPMDC11のCpG-Bによる機能の変化の有無と腫瘍抗原特異的CTLの増幅効果を検討した。CpG-B刺激は共抑制因子PD-L1及びPD-L2の発現を増加させることなく共刺激因子CD40及びCD83をわずかに高めた。WT1ペプチドパルスに加えてCpG-B刺激したPMDC11とWT1/MHC-tetramer^+細胞との共培養を行ったところ, WT1ペプチド抗原特異的CTLの著しい増加が認められた。この培養法は,腫瘍抗原特異的CTLの機能解析において応用可能と考えられた。
The leukemic plasmacytoid dendritic cell line (PMDC05) transduced with CD80 gene, which was previously established in our laboratory, was named PMDC11. PMDC11 cells have potent antigen-presenting ability. In this study, for the purpose to develop methods to examine the appearance of the immune checkpoints between tumor cells and antigen-specific cytotoxic T cells (CTLs) and to analyze those CTL function, we tried the expansion of WT1 specific CTL using PMDC11 as APCs. PMDC11 stimulated with CpG-B for 24 hours slightly enhanced the co-stimulatory factors CD40 and CD83 without increasing the expression of co-inhibitory factor PD-L1 and PD-L2. PMDC11 cells, which were pulsed WT1 peptide and stimulated with CpG-B, were co-cultured with WT1 / MHC-tetramer+ cells for 24 hours. As a result, the amplification of WT1 peptide antigen specific CTL was observed remarkably. Therefore, this amplification method is useful for development of an examination method on the strength of the immunity checkpoint, and it can be applied in the functional analysis of the anti-tumor antigen-specific CTL.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/49818
