論文詳細
医歯学系
医学部保健学科
#紀要論文
Anemia during pregnancy and neonatal birth weight : Comparison of maternal dietary intake in Sri Lanka
- AI解説:
- 本論文は、スリランカにおいて長年にわたり鉄(iron)と葉酸(folic acid)の普遍的なサプリメント投与政策が実施されているにもかかわらず、妊娠中の貧血が依然として公衆衛生上の懸念であり続けている点を取り上げる。貧血は血中ヘモグロビン濃度の低下と定義され、鉄欠乏が世界的に最も一般的な原因とされる。開発途上の環境では、ビタミンや葉酸の欠乏、感染症なども要因となる。スリランカでは、人生のさまざまな段階で25–36%が貧血の影響を受け、妊婦の貧血有病率は2006/2007年に34%と報告されている。妊娠により鉄の必要量が大きく増えるため、栄養不足や鉄分の多い食事へのアクセスの制限がリスクを高め得ることから、スリランカではサプリメント投与が常に推奨されている(妊娠12週以降から産後6か月まで、経口鉄60 mg+葉酸400μg)。しかし、全国の低出生体重(LBW)率は長年16–17%程度にとどまり、スリランカにおける母体貧血と新生児出生体重の関連を示すエビデンスは乏しい。また、妊娠各期(trimesters)をまたいだ関連については国際的にも見解が分かれている。そこで本研究は、妊娠期別の母体貧血と新生児出生体重の関連を検討し、さらに貧血群と非貧血群で母体の食事摂取量を比較することを目的とした。これは、スリランカの文脈で母体貧血・食事摂取・新生児出生体重をあわせて評価した最初の研究として位置づけられている。
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医歯学系
医学部保健学科
#紀要論文
Anemia during pregnancy and neonatal birth weight : Comparison of maternal dietary intake in Sri Lanka
AI解説
- 背景と目的:
-
本論文は、スリランカにおいて長年にわたり鉄(iron)と葉酸(folic acid)の普遍的なサプリメント投与政策が実施されているにもかかわらず、妊娠中の貧血が依然として公衆衛生上の懸念であり続けている点を取り上げる。貧血は血中ヘモグロビン濃度の低下と定義され、鉄欠乏が世界的に最も一般的な原因とされる。開発途上の環境では、ビタミンや葉酸の欠乏、感染症なども要因となる。スリランカでは、人生のさまざまな段階で25–36%が貧血の影響を受け、妊婦の貧血有病率は2006/2007年に34%と報告されている。妊娠により鉄の必要量が大きく増えるため、栄養不足や鉄分の多い食事へのアクセスの制限がリスクを高め得ることから、スリランカではサプリメント投与が常に推奨されている(妊娠12週以降から産後6か月まで、経口鉄60 mg+葉酸400μg)。しかし、全国の低出生体重(LBW)率は長年16–17%程度にとどまり、スリランカにおける母体貧血と新生児出生体重の関連を示すエビデンスは乏しい。また、妊娠各期(trimesters)をまたいだ関連については国際的にも見解が分かれている。そこで本研究は、妊娠期別の母体貧血と新生児出生体重の関連を検討し、さらに貧血群と非貧血群で母体の食事摂取量を比較することを目的とした。これは、スリランカの文脈で母体貧血・食事摂取・新生児出生体重をあわせて評価した最初の研究として位置づけられている。
- 主要な発見:
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解析対象では、貧血(ヘモグロビン < 110 g/l)は初回受診(booking visit、妊娠約6–8週)時点で28.8%にみられ、妊娠28–30週では46.1%へ増加した。重度貧血(ヘモグロビン < 70 g/l)は観察されなかった。妊娠初期(first trimester)のヘモグロビン状態は、新生児出生体重と有意な関連を示さなかった(p > 0.05)。一方、妊娠後期(third trimester)の貧血は平均出生体重の低下と関連していた。単変量比較では、貧血の母親の児は2,835 ± 506 g、非貧血の母親の児は3,135 ± 506 gであり(差の95% CI: 16 to 582; p = 0.038)、貧血群で軽かった。妊娠前BMI(p = 0.455)、居住地域(p = 0.036)、低出生体重の既往(p = 0.117)、新生児の性別(p = 0.087)で調整した一般化線形モデル(generalized linear model)では、妊娠後期に貧血であった母親の児は350 g軽いことが示された(95% CI: 66 to 634; p = 0.017; R²(adj) = 19.9%)。妊娠後期の中等度貧血(moderate)の女性で平均出生体重が最も低く(2,822 ± 357 g)、ただし妊娠後期のヘモグロビンカテゴリー間の差は有意には至らなかった(p = 0.119)。参加者特性では、新生児の性別のみが妊娠後期の貧血状態と有意に関連していた(odds ratio: 3.75; 95% CI: 1.1744 to 11.995; p = 0.022)。食事の比較では、妊娠後期の貧血群と非貧血群の間で、妊娠中期・後期いずれにおいてもエネルギー、炭水化物、タンパク質、食事由来の鉄摂取量に有意差はみられなかった(p > 0.05)。両群を通じて、エネルギー、炭水化物、総タンパク質、動物性タンパク質、食事由来の鉄はいずれも妊娠中期より後期で多く、動物性タンパク質は有意に増加していた(p < 0.01)。
- 方法論:
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本研究は、2015年10月から2016年6月にかけてスリランカの大規模な三次医療病院で実施された前向き観察研究である。妊娠18–24週の妊婦150人を当初募集したが、本解析では特定の基準を満たすサブサンプル(n = 52)を用いた。基準は、初回受診(first antenatal clinic visit、通常は妊娠約6–8週)時と妊娠28–30週時の両方で貧血スクリーニング結果が利用可能であること、かつ正期産の単胎児を出産したことである。除外基準は、産科的リスク因子(例:流産/人工妊娠中絶、複数胎児、妊娠高血圧、妊娠糖尿病)、重大な医学的状態(例:精神疾患、慢性の心疾患・腎疾患・肺疾患・消化器疾患)、および新生児の生後5分Apgarスコア < 5であった。社会経済・人口統計学的データは面接式質問票で収集した。ヘモグロビン値は妊娠記録から抽出し、妊娠中の海面高度におけるWHO基準に従って、非貧血(≥ 110 g/l)、軽度(100–109 g/l)、中等度(70–99 g/l)、重度(< 70 g/dl、ただし該当なし)に分類した。母体の食事摂取は、スリランカで妥当性が確認された食物摂取頻度調査票(FFQ)を用い、妊娠中期(約22週)と妊娠後期(約34週)の2回測定した。栄養素摂取量(エネルギー、macro-およびmicronutrients)は、スリランカの食品項目を追加する改変を行ったうえでNutrisurvey2007(EBISpro, German)により算出した。新生児の出生体重と性別は病院記録から得た。統計解析(Minitab 17)では、貧血状態別の出生体重比較に一元配置ANOVAおよび2標本t検定、特性・食事の群間差にカイ二乗検定およびt検定、妊娠中期から後期への個人内の食事変化に対応のあるt検定を用いた。さらに、指定した共変量を統制しつつ妊娠後期の貧血が出生体重に与える独立効果を推定するため、一般化線形モデルを用いた。等分散を含む仮定は確認し、有意水準はp = 0.05とした。
- 結論と意義:
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著者らは、このサンプルにおいて母体貧血が新生児出生体重と関連すると結論づけるが、その関連は貧血の時期に依存していた。すなわち、妊娠初期の貧血ではなく妊娠後期の貧血が、平均出生体重の低下と結びついていた。この妊娠期別のパターンに基づき、特に資源が限られ、症状のある人や早期にヘモグロビンが低い人にのみ第2回検査が選択的に行われ得る状況では、妊婦全員に対する妊娠後期の貧血スクリーニングを強化すべきだと論じている。さらに本研究では、妊娠中の推奨栄養所要量(recommended dietary allowance)である27 mg/日と比べ、食事由来の平均鉄摂取量が妊娠中期(23.5 ± 7.3 mg)および妊娠後期(25.8 ± 6.8 mg)のいずれでも下回っており、コホート全体として鉄摂取が不十分である可能性が示唆された。しかし、妊娠後期の貧血群と非貧血群の間で、食事エネルギー、macronutrients、食事由来の鉄に差がなかったため、ここで測定された範囲のmacro-およびmicronutrients摂取の違いだけでは、妊娠後期の母体貧血の高い有病率を説明できないと著者らは主張している。未測定の要因、すなわち交絡の影響や、(議論で述べられているように)鉄・葉酸サプリメントの服用遵守(compliance)の差が寄与している可能性があるとし、サプリメントは妊娠初期以降に開始されたと報告されているものの、遵守状況は評価されていなかった点を示している。論文は限界として、貧血の女性が食事由来の鉄摂取量やサプリメント遵守以外にも追加の特性を共有している可能性を明確に認めており、残余交絡(residual confounding)があり得ることを示唆している。
- 今後の展望:
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論文は、母体貧血の根本原因を明らかにし、食事摂取だけにとどまらない有効な対策を特定するため、スリランカでのさらなる大規模研究を求めている。公衆衛生上の対策を強化し、状況要因をよりよく理解するため、国内の異なる地域でのその後のフィールド調査も推奨している。著者らはまた、産前ケアにおける実施面および教育面の不足を指摘し、スリランカの他研究から、ヘモグロビン結果について助言を受ける妊婦が少ないこと、またサプリメントの効果が低いことが不十分な遵守や不適切な服用方法と関連していることを示す証拠があるとしている。鉄サプリメントの実践を改善するため、食事とのタイミング、ビタミンCまたは柑橘系ジュースとの同時摂取、カルシウムの同時摂取の回避、錠剤の効果を保つための適切な保管といった指導を含む、簡便な教育介入の価値を強調している。本研究では茶の摂取パターンは測定していないが、伝統的な紅茶(black tea)の飲用は鉄吸収を低下させ得る妥当な要因として挙げられ、今後の研究と教育で注意を向けるべきだとしている。最後に、女児を妊娠している女性は妊娠後期の貧血であるオッズが高かったため(odds ratio: 3.75)、女児を妊娠している女性では特に貧血予防・対策手法の厳格な遵守が必要だと示唆しつつ、同時に、貧血の認知と予防を改善するためにはより包括的な公衆教育が必要であるとも述べている。
- 背景と目的:
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この研究は、スリランカで妊婦さんに鉄と
のサプリメントを広く配っているのに、妊娠中の葉酸 ( ビタミンの一種で、血液を作ることや赤ちゃんの発育に関係します。妊娠中は不足しやすく、鉄と一緒にサプリメントとして配られることがあります。) が今も大きな健康問題になっていることに注目しています。貧血 ( 血液中のヘモグロビンが少なくなり、体に酸素を運ぶ力が弱まった状態です。疲れやすさなどにつながり、妊娠中は赤ちゃんの成長にも影響することがあるため重要です。)
貧血は、血液の中の という成分が少ない状態のことで、原因としては鉄不足が最も多いとされています。開発途上の国では、ビタミンや葉酸の不足、感染症なども関係します。ヘモグロビン ( 赤血球の中にある、酸素を運ぶたんぱく質です。値が低いと貧血と判断され、妊婦健診では貧血チェックの中心になります。)
スリランカでは、人生のいろいろな時期で25~36%の人が貧血の影響を受け、妊婦さんでは2006/2007年に34%と報告されています。
妊娠すると赤ちゃんの成長などのために鉄の必要量が大きく増えるため、栄養が足りなかったり鉄の多い食事がとりにくかったりすると、貧血になりやすくなります。そのためスリランカでは、妊娠12週以降から産後6か月まで、鉄60mgと葉酸400μgのサプリメントを飲むことが勧められています。
一方で、 (生まれたときの体重が小さいこと)の割合は長年16~17%ほどであまり変わっておらず、スリランカでは「お母さんの貧血」と「赤ちゃんの出生体重」の関係がはっきりわかる研究が少ない状況でした。さらに、妊娠のどの時期の貧血が影響するのかについても、世界的に意見が分かれています。低出生体重 ( 生まれたときの体重が小さい状態のことです。一般に2,500g未満を指し、赤ちゃんの健康リスクが高くなりやすいので公衆衛生上の課題になります。)
そこでこの研究は、妊娠の時期ごとに母体の貧血と新生児の出生体重の関係を調べ、さらに貧血の人と貧血でない人で食事の内容に違いがあるかを比べることを目的にしました。
- 主要な発見:
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対象となった人では、
(妊娠6~8週ごろ)の時点で初回受診 ( 妊婦さんが最初に妊婦健診を受ける時期のことで、この研究では妊娠6~8週ごろです。ここでの検査結果が、その後の管理や比較の基準になります。) の人が28.8%いましたが、妊娠28~30週では46.1%に増えていました。とても重い貧血の人はいませんでした。貧血 ( 血液中のヘモグロビンが少なくなり、体に酸素を運ぶ力が弱まった状態です。疲れやすさなどにつながり、妊娠中は赤ちゃんの成長にも影響することがあるため重要です。)
妊娠初期の の状態は、赤ちゃんの出生体重と明確な関係が見られませんでした。ヘモグロビン ( 赤血球の中にある、酸素を運ぶたんぱく質です。値が低いと貧血と判断され、妊婦健診では貧血チェックの中心になります。)
しかし妊娠後期では、貧血の母親の赤ちゃんのほうが平均出生体重が小さいことが示されました。単純に比べると、貧血の母親の赤ちゃんは平均2,835g、貧血でない母親の赤ちゃんは平均3,135gでした。
さらに、妊娠前の体格や住んでいる地域などの影響を考慮して分析しても、妊娠後期に貧血だった母親の赤ちゃんは平均で約350g軽いことが示されました。
また、妊娠後期の貧血と関係があった参加者の特徴は、新生児の性別のみでした。
食事については、妊娠中期と後期のどちらでも、貧血の人と貧血でない人の間で、エネルギー量、炭水化物、たんぱく質、食事からとった鉄の量に明確な差は見られませんでした。全体としては、妊娠中期より後期のほうが多く食べる傾向があり、特に動物性たんぱく質ははっきり増えていました。
- 方法論:
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研究は2015年10月から2016年6月に、スリランカの大きな三次医療病院で行われた、前向きの観察研究です。
妊娠18~24週の妊婦150人を集めましたが、この分析では条件を満たした52人だけを対象にしました。条件は、妊娠6~8週ごろと妊娠28~30週ごろの2回とも 検査の結果があり、正期産の単胎児を出産したことです。流産歴や多胎妊娠、妊娠高血圧、妊娠糖尿病などのリスクがある場合などは除外しました。貧血 ( 血液中のヘモグロビンが少なくなり、体に酸素を運ぶ力が弱まった状態です。疲れやすさなどにつながり、妊娠中は赤ちゃんの成長にも影響することがあるため重要です。)
値は妊娠記録から取り出し、WHOの基準で貧血の重さを分類しました。ヘモグロビン ( 赤血球の中にある、酸素を運ぶたんぱく質です。値が低いと貧血と判断され、妊婦健診では貧血チェックの中心になります。)
食事は、スリランカで信頼性が確かめられた を使い、妊娠中期(約22週)と妊娠後期(約34週)の2回調べました。栄養の計算には専用ソフトを用いました。食物摂取頻度調査票 ( 一定期間にどんな食品をどれくらいの頻度で食べたかを質問して、食事内容を推定する方法です。栄養素の量を計算するための基礎データになります。)
出生体重と性別は病院記録から得ました。統計解析では、グループ間の平均の差の検定や、いくつかの要因を同時に考慮して影響を推定する分析を行いました。
- 結論と意義:
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この研究では、母体の
と赤ちゃんの出生体重には関係がありましたが、その影響は「いつ貧血だったか」によって違いました。妊娠初期の貧血は出生体重と関係が見られず、妊娠後期の貧血が出生体重の低下と結びついていました。貧血 ( 血液中のヘモグロビンが少なくなり、体に酸素を運ぶ力が弱まった状態です。疲れやすさなどにつながり、妊娠中は赤ちゃんの成長にも影響することがあるため重要です。)
そのため、資源が限られていて「症状がある人だけ」や「初期に が低い人だけ」に2回目の検査をする状況があるとしても、妊娠後期の貧血検査は妊婦全員にしっかり行うべきだと述べています。ヘモグロビン ( 赤血球の中にある、酸素を運ぶたんぱく質です。値が低いと貧血と判断され、妊婦健診では貧血チェックの中心になります。)
また、食事からとった鉄の量は、妊娠中に勧められる量(1日27mg)より平均的に少なく、全体として鉄が足りていない可能性が示されました。ただし、貧血の人と貧血でない人で食事内容に差がなかったため、食事で測った範囲の栄養の違いだけでは、妊娠後期の貧血が多いことを説明できないと考えられました。
ほかの要因として、サプリメントをきちんと飲めているかどうかの違いや、測れていない別の要因が影響している可能性があるとしています。研究の限界として、貧血の人には食事やサプリメント以外にも共通する特徴があるかもしれず、その影響を完全には取り除けない可能性も指摘しています。
- 今後の展望:
-
今後は、母体
の根本的な原因をより正確に見つけ、食事だけではない有効な対策を考えるために、もっと大規模な研究が必要だとしています。地域による違いも考えられるため、国内の別の地域での調査も勧めています。貧血 ( 血液中のヘモグロビンが少なくなり、体に酸素を運ぶ力が弱まった状態です。疲れやすさなどにつながり、妊娠中は赤ちゃんの成長にも影響することがあるため重要です。)
また、産前ケアの教育が十分でない可能性があり、 検査の結果について説明を受ける妊婦さんが少ないこと、サプリメントの効果が低い理由として「飲み忘れ」や「飲み方の問題」が関係するという他の研究結果も紹介しています。ヘモグロビン ( 赤血球の中にある、酸素を運ぶたんぱく質です。値が低いと貧血と判断され、妊婦健診では貧血チェックの中心になります。)
鉄サプリメントをより効果的にするために、食事との時間のとり方、ビタミンCや柑橘類ジュースと一緒にとること、カルシウムと同時にとらないこと、正しい保管方法などを教える簡単な教育の重要性が強調されています。
さらに、紅茶の飲用は鉄の吸収を下げる可能性があるため、今後の研究や教育で注意するべき点として挙げられています。最後に、女児を妊娠している女性は妊娠後期の貧血になりやすい可能性が示されたため、特に予防と対策をしっかり行う必要がある一方で、貧血の理解と予防を広げる公衆向けの教育も重要だと述べています。
- 何のために?:
-
この研究は、スリランカのお話です。
お母さんに、鉄と の薬が配られます。葉酸 ( ビタミンの一つで、血を作るのを助けます妊娠中 は赤ちゃんの成長 にも必要 なので薬として配られることがあります)
それでも、貧血 が多いことに注目しました。
貧血 は、血がうすくなることです。
血の中の が少ないヘモグロビン ( 血の中にあって酸素 を運ぶ成分 です これが少ないと貧血 と判断 されやすく体の調子や赤ちゃんの成長 にも関係 します) 状態 です。
いちばん多い原因 は、鉄が足りないことです。
ほかに、ビタミン不足 なども関係 します。
スリランカでは、貧血 の人が多いです。
妊婦 さんでは、約 3人に1人いました。
妊娠 すると、鉄がもっと必要 になります。
赤ちゃんが大きくなるためです。
鉄の多い食事が少ないと、貧血 になりやすいです。
だから、薬を飲むことがすすめられます。
妊娠 12週ごろから、産後 6か月までです。
でも、赤ちゃんが小さく生まれる は割合 ( 全体の中にどれくらいあるかを表す数です どれだけ多いか少ないかを説明 するときに使います) 減 りません。
お母さんの貧血 と、体重の関係 は不明 でした。
いつの貧血 が大事かも、意見が分かれます。
そこで、時期ごとに関係 を調べました。
また、食事のちがいも比 べました。
- 何が分かったの?:
-
はじめの
検査 で、貧血 の人がいました。
約 10人に3人で、28.8%でした。
後の時期は、もっと増 えました。
約 2人に1人で、46.1%でした。
とても重い貧血 の人はいませんでした。
妊娠 のはじめの貧血 は、関係 が弱めでした。
赤ちゃんの体重と、はっきり結 びつきません。
でも、妊娠 の後の貧血 はちがいました。
貧血 のお母さんの赤ちゃんは軽めでした。
は、2,835gでした。平均 ( いくつかの数をまとめてだいたいの中心を表した数です 赤ちゃんの体重などを比 べるときに使います)
貧血 でない人の赤ちゃんは、3,135gでした。
ほかのちがいも考えて調べました。
それでも、約 350g軽いと分かりました。
後の時期の貧血 と関係 したのは、赤ちゃんの です。性別 ( 男の子か女の子かという区別 です 赤ちゃんの体重や貧血 との関係 を調べるときに使います)
食事の量 は、2つのグループで差 が少なめでした。
や、カロリー ( 食べ物が体を動かすためのエネルギーの量 です 食事の量 や栄養 の足りなさを比 べるときに使います) も同じくらいでした。たんぱく 質 ( 体や血や筋肉 を作るもとになる栄養 です 赤ちゃんの成長 にも必要 なので食事の質 を考えるうえで大切です)
食事からとる鉄の量 も、大きな差 はありません。
全体では、後の時期のほうが多めに食べました。
肉や魚などは、はっきり増 えました。
- どうやったの?:
-
2015年から2016年に研究しました。
スリランカの大きな病院で行いました。
妊婦 さんの様子を、前から追う調査 です。
妊娠 18~24週の妊婦 150人を集めました。
でも、条件 を満 たす52人だけを使いました。
2回の貧血検査がある人にしました。
妊娠 6~8週ごろに1回目をします。
妊娠 28~30週ごろに2回目をします。
赤ちゃんは1人で、予定どおりに生まれた人です。
危険 が高い妊娠 の人などは外しました。
のヘモグロビン ( 血の中にあって酸素 を運ぶ成分 です これが少ないと貧血 と判断 されやすく体の調子や赤ちゃんの成長 にも関係 します) 値 は、記録 から集めました。
貧血 かどうかは、世界の で決めました。基準 ( ものごとを決めるときのルールや目安です貧血 かどうかを同じやり方で判断 するために使います)
食事は、質問 の紙でたずねました。
妊娠 の中ごろと、後ろで2回たずねました。
赤ちゃんの体重と も、性別 ( 男の子か女の子かという区別 です 赤ちゃんの体重や貧血 との関係 を調べるときに使います) 記録 で見ました。
との平均 ( いくつかの数をまとめてだいたいの中心を表した数です 赤ちゃんの体重などを比 べるときに使います) 差 などを計算して、比 べました。
- 研究のまとめ:
-
お母さんの
貧血 は、赤ちゃんの体重と関係 します。
でも、大事なのは、いつ貧血 かという点です。
妊娠 のはじめの貧血 は、関係 が弱めでした。
妊娠 の後の貧血 は、体重が減 りやすいです。
だから、後の時期の検査 が大切です。
お金や人が足りなくても、全員にしたいです。
食事からとる鉄は、すすめ量 より少なめでした。
鉄が足りない人が多いかもしれません。
でも、食事の差 だけでは説明 できません。
薬をちゃんと飲めたかも関係 しそうです。
ほかの原因 も、まだあるかもしれません。
研究には、完 ぺきに言えない点もあります。
- これからどうする?:
-
これから、もっと大きな
調査 が必要 です。
貧血 の本当の原因 を、もっと正しく見つけます。
食事だけでない対策 も考えます。
場所がちがう地域 でも、調べたほうがよいです。
検査 の結果 を、説明 されない妊婦 さんもいます。
薬は、飲み忘 れで効 きにくいこともあります。
だから、やさしい説明 が大切です。
鉄の薬は、飲み方で効 きやすくなります。
ジュースなど、 とビタミンC ( 体の調子をととのえるビタミンで鉄が体に入りやすくなるはたらきがあります 鉄の薬と一緒 にとる工夫 として重要 です) 一緒 がよいです。
と同時に飲まないカルシウム ( 骨 や歯を作る栄養 ですが鉄の吸収 をじゃますることがあります 鉄の薬と同時にとらない工夫 が必要 になります) 工夫 も大事です。
正しいしまい方も教えるとよいです。
紅茶 は、鉄が体に入りにくくなるかもしれません。
だから、注意点として伝 えるとよいです。
女の子の赤ちゃんのとき、貧血 が多いかもです。
その人は、とくに をしっかりします。予防 ( 病気にならないように前もって気をつけることです貧血 を減 らすために食事や薬で早めに対策 することが大切です)
みんなに貧血 を知ってもらう学びも大切です。
- 著者名:
- Malshani Lakshika PATHIRATHNA, Hansani Madushika ABEYWICKRAMA, Sekijima Kayoko, Sadakata Mieko, Fujiwara Naoshi, Muramatsu Yoshiyuki, KM Swarna WIMALASIRI, Upali JAYAWARDEN, Darshana de SILVA
- 掲載誌名:
- 新潟大学保健学雑誌
- 巻:
- 15
- 号:
- 1
- ページ:
- 29 - 37
- 発行日:
- 2018-03
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/49815
