論文詳細
医学部保健学科
医歯学系
#紀要論文
保健福祉サービスを利用していない独居後期高齢者の社会的孤立の実態と孤立移行に関連する要因の検討
- AI解説:
- 日本の高齢化率は26.7%と年々上昇しており、超高齢社会に突入しています。このような背景の中、高齢者の増加に伴い、介護ニーズが増大すると同時に、介護する家族の高齢化や核家族化の進行なども課題として浮上しています。しかし、一部の高齢者は保健福祉サービスを利用せず、地域住民の見守り活動でも把握することが難しい状況にあります。特に独居高齢者は社会的孤立(以下、孤立)状態に陥りやすく、セルフネグレクトのリスクも高まります。本研究の目的は、保健福祉サービスを利用していない75歳以上の独居高齢者に焦点をあて、孤立の実態と孤立状態への移行に関連する要因を把握し、独居後期高齢者の孤立防止に向けた支援への示唆を得ることです。
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医学部保健学科
医歯学系
#紀要論文
保健福祉サービスを利用していない独居後期高齢者の社会的孤立の実態と孤立移行に関連する要因の検討
AI解説
- 背景と目的:
-
日本の高齢化率は26.7%と年々上昇しており、超高齢社会に突入しています。このような背景の中、高齢者の増加に伴い、介護ニーズが増大すると同時に、介護する家族の高齢化や核家族化の進行なども課題として浮上しています。しかし、一部の高齢者は保健福祉サービスを利用せず、地域住民の見守り活動でも把握することが難しい状況にあります。特に独居高齢者は社会的孤立(以下、孤立)状態に陥りやすく、セルフネグレクトのリスクも高まります。本研究の目的は、保健福祉サービスを利用していない75歳以上の独居高齢者に焦点をあて、孤立の実態と孤立状態への移行に関連する要因を把握し、独居後期高齢者の孤立防止に向けた支援への示唆を得ることです。
- 主要な発見:
-
初回調査時の孤立該当者は3.9%であり、1年後の孤立該当者は6.3%でした。孤立該当者は社会的役割やソーシャルサポートが少ないことが特徴であり、特に「具合が悪い時に病院に連れて行ってくれる人」や「寝込んだ時に身の回りの世話をしてくれる人」がいないという点で、非孤立者と有意な差が見られました。孤立移行群は、非孤立維持群に比べ、社会的役割が少なく、家族等との非対面交流が少ないことが確認されました。
- 方法論:
-
本研究はA市B区に居住する独居後期高齢者を対象に、保健福祉サービスを利用していない237人を選定し、家庭訪問による聞き取り調査を2回にわたり実施しました。質問紙調査票および訪問記録票を用いて、生活状況やソーシャルサポート、交流頻度などを詳細に調査し、1年後に同一内容の追跡調査を実施しました。孤立の定義は週1回未満の交流頻度とし、統計解析ソフトIBM SPSS Statistics Ver.20を用いて分析しました。
- 結論と意義:
-
本研究の結果、孤立状態に関連する要因として、社会的役割やソーシャルサポートの少なさが明らかになりました。特に交流頻度の低さや、寝込んだ時に世話をしてくれる人がいないことは、孤立への移行リスクを高める要因であることが示されました。これにより、地域包括支援センターや民生委員等による見守り活動の重要性が確認され、地域住民との交流を促進する取り組みが孤立防止に有効であることが示唆されました。
- 今後の展望:
-
今後は、調査脱落者の背景分析を行い、孤立防止や改善策を検討することが必要です。また、他地域にも調査対象を拡大して追跡調査を継続し、孤立状態の変化とその要因について更なる検討を行う予定です。本研究の成果を基に、孤立防止のための具体的な介入方法の開発も視野に入れていきたいと考えています。地域住民や関係機関との連携を強化し、孤立高齢者への包括的な支援体制の構築を目指します。
- 背景と目的:
-
日本では高齢化が進んでいて、お年寄りの割合が26.7%に達しています。そのため、介護が必要な人が増えている一方で、介護する家族の高齢化や家族構成の変化なども問題となっています。特に一人暮らしのお年寄りは社会から孤立しやすく、自分の健康や安全管理ができない
のリスクも高まります。この研究では、介護サービスを利用していない75歳以上の一人暮らしのお年寄りに注目し、孤立の実態やその原因を探り、孤立を防ぐための支援方法を考えることを目的としています。セルフネグレクト ( 自分の健康や安全を自分で管理できない状態のことです。)
- 主要な発見:
-
初回調査の段階で孤立していた人は3.9%でしたが、1年後には6.3%に増えていました。孤立している人は、病院に連れて行ってくれる人や、寝込んだときに世話をしてくれる人がいないことが特徴的でした。また、孤立に移行した人は、家族などとの交流が少ないことも確認されました。
- 方法論:
-
この研究は、A市B区に住む一人暮らしのお年寄り237人を対象に行いました。介護サービスを使っていない人を対象にして、家庭訪問を行い、生活状況や交流頻度について詳しく調査しました。その後、1年後に同じ内容の追跡調査を実施しました。孤立の定義は、週1回未満の交流頻度とし、統計解析ソフトを使って分析しました。
- 結論と意義:
-
研究の結果、孤立状態に関連する要因として、社会的役割や
の少なさが挙げられました。特に、交流が少ないことや、寝込んだときに世話をしてくれる人がいないことが孤立のリスクを高める要因であることがわかりました。これにより、ソーシャルサポート ( 病気のときや困ったときに助けてくれる人や仕組みのことです。) や民生委員などが行う見守り活動の重要性が確認され、地域住民との交流を促進する取り組みが孤立防止に効果的であることが示唆されました。地域包括支援センター ( 地域のお年寄りをサポートするための施設です。)
- 今後の展望:
-
今後は、調査ができなかった人の背景を分析し、孤立防止や改善策を検討することが必要です。また、他の地域にも調査対象を広げて追跡調査を続け、孤立の原因についてさらに詳しく調べる予定です。本研究の成果をもとに、孤立防止のための具体的な支援方法を開発していきたいと考えています。地域住民や関係機関との連携を強化し、孤立のお年寄りへの包括的な支援体制を構築することを目指します。
- 何のために?:
-
日本では、お
年寄 りが増 えていて、26.7%になります。そのため、 が介護 ( 年を取ったり病気になったりして、日常生活 を送るのが難 しい人を手助けすること。例 えば、お風呂 に入るのを手伝 ったり、ご飯 を作ったりする。) 必要 な人も増 えています。でも、介護 をする家族も年をとっています。それに、家族の形も変 わっています。一人で暮 らすお年寄 りは、社会から離 れやすいです。自分の健康 や安全を守れないこともあります。この研究では、75歳 以上 の一人で暮 らすお年寄 りに注目します。そして、どんな風に しているか、その孤立 ( 周 りに誰 もいない状態 や、周 りの人たちと関係 が薄 くなってしまうこと。一人ぼっちになってしまうことを指します。) 原因 を探 ります。孤立 を防 ぐための方法 を考えます。
- 何が分かったの?:
-
最初 の調査 では、3.9%の人が していました。でも、1年後には6.3%に孤立 ( 周 りに誰 もいない状態 や、周 りの人たちと関係 が薄 くなってしまうこと。一人ぼっちになってしまうことを指します。) 増 えました。孤立 している人は、病院に連 れて行ってくれる人や、看病 してくれる人がいませんでした。孤立 した人は、家族との交流が少ないことも分かりました。
- どうやったの?:
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この研究では、A市B区に住む
一人暮 らしのお年寄 り237人を調べました。 サービスを使っていない人を介護 ( 年を取ったり病気になったりして、日常生活 を送るのが難 しい人を手助けすること。例 えば、お風呂 に入るのを手伝 ったり、ご飯 を作ったりする。) にしました。家庭対象 ( 調査 や研究で、特 に注目したり調べたりする人やグループのこと。ここでは、一人暮 らしのお年寄 りのこと。) 訪問 をして、生活の様子や交流の を頻度 ( どれくらいの回数や頻度 で何かが起こるかを表す言葉。ここでは、どれくらいの頻度 でお年寄 りが他の人とやり取りをしているかのこと。) 詳 しく調べました。そして、1年後に同じ調査 をしました。 とは、週1回孤立 ( 周 りに誰 もいない状態 や、周 りの人たちと関係 が薄 くなってしまうこと。一人ぼっちになってしまうことを指します。) 未満 の交流としました。結果 を で統計 解析 ソフト( データを整理して計算したり、結果 を分かりやすくするための特別 なコンピュータプログラム。ここでは、研究の結果 を分析 するために使われました。) 分析 しました。
- 研究のまとめ:
-
研究の
結果 、 の孤立 ( 周 りに誰 もいない状態 や、周 りの人たちと関係 が薄 くなってしまうこと。一人ぼっちになってしまうことを指します。) 原因 は、社会での や役割 ( 社会やグループの中での自分の重要 な仕事や使命のこと。例 えば、家族の中でお母さんが料理 を作る役割 など。) が少ないことでした。交流が少ないことや、サポート ( 誰 かを助けること。特 に、困 っている人や、何かを成 し遂 げようとしている人を手伝 うこと。) 看病 してくれる人がいないことが、孤立 のリスクを高めていました。これにより、 のサポートが地域 ( ある特定 の場所やエリアのこと。ここでは、お年寄 りが住んでいる町や市などを指します。) 重要 だと分かりました。地域 の人たちとの交流を増 やすことが、孤立 を防 ぐのに効果的 です。
- これからどうする?:
-
これからは、
調査 できなかった人のことを調べます。そして、 を孤立 ( 周 りに誰 もいない状態 や、周 りの人たちと関係 が薄 くなってしまうこと。一人ぼっちになってしまうことを指します。) 防 ぐ方法 を考えます。他の にも地域 ( ある特定 の場所やエリアのこと。ここでは、お年寄 りが住んでいる町や市などを指します。) 調査 を広げて、さらに詳 しく調べます。この研究の結果 をもとに、具体的 な支援 方法 を作ります。地域 の人や と関係 機関 ( 何かを行うために協力 する会社やグループのこと。ここでは、孤立 しているお年寄 りを支 えるために一緒 に働 く組織 のこと。) 協力 して、孤立 するお年寄 りを支 える体制 を作ります。
- 著者名:
- 成田 太一, 小林 恵子, 関 奈緒, 齋藤 智子, 伊藤 由香, 武田 伸子
- 掲載誌名:
- 新潟大学保健学雑誌
- 巻:
- 15
- 号:
- 1
- ページ:
- 67 - 77
- 発行日:
- 2018-03
- 著者による要約:
- 保健福祉サービスを利用していない独居後期高齢者における社会的孤立の実態と孤立移行に関連する要因を把握することを目的とした。A市B区在住で保健福祉サービスを利用していない独居の後期高齢者の全数を対象に初回調査及び1年後の追跡調査を実施した。調査内容は基本属性,生活機能,交流頻度,ソーシャルサポート,主観的健康感,生活満足度であった。初回調査時の社会的孤立(以下,孤立)該当者は3.9%,初回調査時の非孤立者のうち,1年後に孤立に移行した人(孤立移行群)が4.1%であった。「社会的役割」が「低い」割合,「家族や親族との電話などの非対面交流」が「1週間に1回未満」の割合,「寝込んだ時に身の回りの世話をしてくれる人」が「いない」と答えた割合は孤立移行群が非孤立維持群より高かった。孤立のハイリスク者を把握し早期に必要なサポートにつなぐことや,独居後期高齢者の交流や役割機能が果たせる機会を増やすことが重要である。
The purpose of this study was to identify conditions related to the social isolation of elderly people aged 75 years or older living alone without any health, or welfare services, and factors related to their transitional isolation. All elderly people over 75 years of age living alone without receiving any health, or welfare benefits participated. An initial survey and a one-year follow-up study were conducted. The survey inquired about basic attributes, life functions, the frequency of social exchanges, social support, self-rated health, and life satisfaction. In the first survey, 3.9% of participants satisfied conditions for social isolation (isolated group). Furthermore, 4.1% of non-isolated elderly people sampled in the first survey underwent a transition to isolated (transitional group) in the second survey. Compared to the non-transitional group, a higher percentage of the transitional group had fewer social roles, a lower frequency of non-face-to-face interactions with family members, and no one to care for them when they were sick in bed. It is important to identify people at high risk for isolation among elderly people aged 75 years and older living alone without health and welfare benefits, offer early social support, and increased opportunities for social interactions and social roles.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/49814
