論文詳細

医学部保健学科 医歯学系 #紀要論文

文献の統合より見出されたがん患者の看取りケアに対して新卒看護師が抱く困難感

AI解説:
日本では1981年以来、がんが死因の第1位を占めており、終末期がん患者が増加することが予測されています。多くの終末期がん患者は一般病棟で最期を迎え、看護師は患者や家族との関わり、看取り、医師との関係、自己の問題など多くの困難に直面しています。現代の若い世代は死に直面する機会が少なく、その結果、看護師になってから初めて死に直面することが多いです。特に新卒看護師は、病棟業務や看護技術の不足、夜勤への適応など様々な困難を抱えており、がん患者の看取りケアは大きなストレスとなり得ます。このため、新卒看護師の離職防止の観点からも、がん患者の看取りケアに対する支援が急務となっています。本研究は、新卒看護師が直面するがん患者の看取りケアに対する困難感を文献レビューを通じて明らかにし、支援や教育のための基礎資料を提供することを目的としています。
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著者名:
浅野 暁俊, 坂井 さゆり
掲載誌名:
新潟大学保健学雑誌
巻:
14
号:
1
ページ:
79 - 85
発行日:
2017-03
著者による要約:
新卒看護師のがん患者の看取りケアに対する困難感を明らかにすることを目的に,文献検討を行った.\\n医学中央雑誌Web版Ver.5を用い2000年~2014年において,新卒看護師,看取りをKey Wordsとして25件が検索され,その内研究対象が新卒看護師である8件を分析対象とした.困難感を「困ったり悩んだりする」,看取りケアを「予後1ヶ月から亡くなる間際のがん患者のケア」と定義した.文献レビュー・マトリックスで文献を整理し,選んだ記述の意味を損なわぬよう元データを作成し,類似を統合しカテゴリーとした.結果,新卒看護師のがん患者の看取りに対する困難感は,「看取りによる不快感情」と,「看取る能力の不足」のコアカテゴリーに分類された.新卒看護師は多様な不快感情を抱き,看取る能力も不足しており,患者や家族,医師との関係に困難感を抱く2年目以上の看護師との違いが明らかになった.
The purpose of this study is to find the difficulty of new graduate nurses at End-Of-Life-Care for patients with cancer. We did literature review to find about it.25 articles were selected from Igaku chuo Zasshi ver5.We selected 8 articles which object is new graduate nurses by using literature review matrix method. We defined difficulty as“New graduate nurses have difficulty or distress”, End-Of-Life Care as“Caring for patients with cancer, prognosis is one month to nearly death”We made an original data. We collected similar date from those, and we made categories, without impairing meaning of selected articles. We found two core categories,“Uncomfortable feeling by End-Of-Life-Care”and “Lack of skill for End-Of-Life-Care”. We found differences between experienced nurses who have difficulties from communicating with patients, families and doctors, and new graduate nurses who are very temperamental and lack of skill for End-Of-Life Care.
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