論文詳細
医学部保健学科
医歯学系
#紀要論文
新潟県のNutrition Support Team(NST)の実態と今後の課題
- AI解説:
は、1970年代にアメリカで中心静脈栄養法が広まったことをきっかけに始まりました。日本では1990年代後半から広まり、日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)や厚生労働省の支援で、多くの病院でNSTが設立されるようになりました。しかし、新潟県でのNSTの状況はまだよくわかっていませんでした。そこで、本研究では、新潟県内の病院にアンケートを行い、NSTの実態と今後の課題を明らかにすることを目的としました。栄養サポートチーム(NST) ( 病院内で栄養管理を専門に行うチーム。医師、看護師、管理栄養士などが協力して患者の栄養状態を改善します。)
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医学部保健学科
医歯学系
#紀要論文
新潟県のNutrition Support Team(NST)の実態と今後の課題
AI解説
- 背景と目的:
-
栄養サポートチーム(NST)は1970年代に中心静脈栄養法の普及と共に米国で始まり、日本では1990年代後半から普及し始めました。日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)や厚生労働省の支援により、NSTの重要性が認識され、多くの病院で設立されるようになりました。しかし、新潟県におけるNSTの設立状況や稼働状況については明らかにされていませんでした。そこで、本研究は新潟県内の病院施設にアンケート調査を行い、NSTの実態と今後の課題を明らかにすることを目的としました。
- 主要な発見:
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新潟県内の129病院施設にアンケートを送付し、103施設から回答を得ました。NSTが設立されていたのは57施設(55.3%)で、特に急性期病院や病床数150床以上の施設で多く見られました。NST介入患者数の増加が36.5%の施設で見られ、特に病床数150床以上の施設では40%で増加していました。また、NST加算を算定している施設は39.3%で、NSTによる介入はTPN使用者の減少、EN使用者の増加、脂肪乳剤使用数の増加、医療従事者の栄養に関する知識の向上に寄与していることが明らかになりました。他施設との連携は少なく、多くの施設が連携の必要性を感じていることも分かりました。
- 方法論:
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本研究では、新潟県ホームページからダウンロードした病院名簿に基づき、新潟県内の129病院施設に対してアンケート調査を実施しました。アンケートは郵送で各施設のNST担当者や栄養関連担当者に送付し、記入後に回収しました。アンケート内容には、施設形態、病床規模、NSTの有無、活動状況、介入の効果、他施設との連携状況などが含まれました。統計解析にはFisher’s exact検定、Kruskal-Wallis検定、メディアン検定を用い、危険率5%未満を有意としました。
- 結論と意義:
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新潟県内の病院施設におけるNSTの設立率は55.3%であり、特に急性期病院や病床数150床以上の施設で多かったことが明らかになりました。NSTの介入はTPN使用者の減少やEN使用者の増加に寄与し、医療従事者の栄養に関する知識向上にも効果があることが示されました。しかし、他施設との連携が少なく、その必要性を感じている施設が多いという課題も浮き彫りになりました。これにより、NSTの設立や稼働状況に関する現状を把握し、今後の栄養管理の質を向上させるための基礎資料を提供する結果となりました。
- 今後の展望:
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新潟県内のNSTの有効性が確認された一方で、他施設との連携不足が課題として浮上しました。今後は、他施設との情報共有や連携を強化するためのネットワーク構築が必要とされています。また、NST加算の点数が低いため、専従職を配置するには採算が合わないという意見もありました。これらの問題を解決するために、診療報酬の改善や教育プログラムの充実が求められます。さらに、病床数150床未満や療養型施設におけるNSTの必要性や設立の障壁についてもさらなる調査が必要です。新潟県全体での栄養管理の質を向上させるため、持続的な研究と改善が期待されます。
- 背景と目的:
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は、1970年代にアメリカで中心静脈栄養法が広まったことをきっかけに始まりました。日本では1990年代後半から広まり、日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)や厚生労働省の支援で、多くの病院でNSTが設立されるようになりました。しかし、新潟県でのNSTの状況はまだよくわかっていませんでした。そこで、本研究では、新潟県内の病院にアンケートを行い、NSTの実態と今後の課題を明らかにすることを目的としました。栄養サポートチーム(NST) ( 病院内で栄養管理を専門に行うチーム。医師、看護師、管理栄養士などが協力して患者の栄養状態を改善します。)
- 主要な発見:
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新潟県内の129の病院にアンケートを送り、103の病院から回答がありました。そのうち、57の病院(55.3%)でNSTが設立されていました。NSTが設立されている病院は、特に急性期病院や病床数が150床以上の病院で多く見られました。NSTの介入によって、
を使う患者が減り、TPN(中心静脈栄養) ( 栄養を直接血液に送り込む方法。栄養が不足している患者などに使います。) を使う患者が増えました。また、医療従事者の栄養に関する知識が向上しました。しかし、他の病院との連携は少なく、多くの病院が連携の必要性を感じていました。EN(経腸栄養) ( 胃や腸を通じて栄養を摂取する方法。食事ができない患者などに使います。)
- 方法論:
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新潟県内の129の病院にアンケートを郵送し、NST担当者や栄養関連担当者に記入してもらい、回収しました。アンケートには、病院の種類、病床数、NSTの有無、活動状況、介入の効果、他の病院との連携状況などが含まれていました。
には、Fisher’s exact検定、Kruskal-Wallis検定、メディアン検定を使用し、危険率5%未満を有意としました。統計解析 ( データを分析して結果を導き出す手法。研究の結果を客観的に評価するために使います。)
- 結論と意義:
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新潟県内の病院でのNST設立率は55.3%で、特に急性期病院や病床数150床以上の病院で多く見られました。NSTの介入は、TPN使用者の減少、EN使用者の増加、医療従事者の栄養知識の向上に効果がありました。しかし、他の病院との連携が少なく、その必要性を感じている病院が多いという課題も浮き彫りになりました。この研究により、新潟県内のNSTの現状を把握し、今後の栄養管理の質を向上させるための基礎資料を提供することができました。
- 今後の展望:
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新潟県内のNSTが効果的である一方で、他の病院との連携不足が課題となっています。今後は、他の病院との情報共有や連携を強化するためのネットワークを構築する必要があります。また、NST加算の点数が低く、専従職を配置するのが難しいという意見もありました。これらの問題を解決するためには、診療報酬の改善や教育プログラムの充実が求められます。さらに、病床数150床未満や療養型施設におけるNSTの必要性や設立の障壁についても調査が必要です。新潟県全体での栄養管理の質を向上させるために、持続的な研究と改善が期待されます。
- 何のために?:
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は、1970年代にアメリカで始まりました。NSTは、人々にNST( 栄養 サポートチーム)( 人々に栄養 を正しくあげる方法 を考えるチーム) 栄養 を正しくあげる方法 を考えます。日本では1990年代後半から広まりました。新潟県ではNSTのことがあまりわかっていませんでした。そこで、新潟県の病院にアンケートを送り、NSTのことを調べました。
- 何が分かったの?:
-
新潟県の129の病院にアンケートを送りました。そのうち103の病院から返事がありました。57の病院でNSTがありました。NSTがある病院は、大きい病院が多いです。NSTのおかげで、
を使う人が点滴 ( 直接 血管 に液体 を入れる治療 法 ) 減 り、口から栄養 をとる人が増 えました。医療 の人たちも栄養 のことをもっと知るようになりました。でも、他の病院と一緒 に働 くことが少ないです。
- どうやったの?:
-
新潟県の129の病院にアンケートを
郵送 しました。NSTの担当 の人たちに書いてもらいました。アンケートには病院の種類 や 、NSTのこと、他の病院との病床 数( 病院にあるベッドの数) 連携 について質問 しました。データを分析 するために、いくつかの を使いました。統計 方法 ( データを整理して、意味を見つける方法 )
- 研究のまとめ:
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新潟県の病院でNSTを持っているところは55.3%でした。大きい病院や
急性 期病院でNSTがありました。NSTのおかげで、 を使う人が点滴 ( 直接 血管 に液体 を入れる治療 法 ) 減 り、口から栄養 をとる人が増 えました。医療 の人たちも栄養 のことをもっと知るようになりました。でも、他の病院と一緒 に働 くことが少ないのが問題です。この研究は、新潟県のNSTの現状 を知るための大事な情報 です。
- これからどうする?:
-
新潟県のNSTは
効果 がありますが、他の病院ともっと連携 する必要 があります。病院同士 で情報 を共有 するためのネットワークを作ることが大切です。また、NSTの担当者 を増 やすために、診療報酬 を改善 することも必要 です。もっと小さい病院や療養 型 施設 にもNSTが必要 です。新潟県全体で栄養 管理 の質 を上げるために、研究と改善 が求 められます。
- 著者名:
- 小山 諭, 青木 萩子, 横野 知江, 小笠原 映子
- 掲載誌名:
- 新潟大学保健学雑誌
- 巻:
- 14
- 号:
- 1
- ページ:
- 87 - 95
- 発行日:
- 2017-03
- 著者による要約:
- 新潟県内のNSTの実態と今後の課題を明らかにすることを目的とし,新潟県内の病院を対象に,主な\\n施設形態,病床規模,NSTの有無,NST活動状況,NST介入の効果,他施設との連携状況などについてアンケート調査を行った。新潟県内の病院129施設中,103施設より回答が得られ,NSTを設立していたのは57施設であった。急性期病院や病床数≧150床ではNSTを有する病院が多かった。NST加算の有無に関しては,病床数≧150床の施設ではNST加算算定を行っている施設が多かった。NST介入数は36.5%の施設で増加しており,中心静脈栄養の減少,経腸栄養の増加,脂肪乳剤使用の増加,医療従事者の知識の向上などの効果が認められた。多くの施設が他施設NSTとの十分な連携を行えていないことが示されたが,ほとんどの施設が他施設NSTとの連携の必要性を感じており,ネットワーク体制を構築する必要があると考えられた。
In this study we aimed to elucidate the current situation and future issues for the Nutrition Support Team (NST) in Niigata prefecture. A questionnaire which included a hospital form, a sickbed scale, whether there was a NST or not, NST activities, effect of the NST intervention, and extent of cooperation with other facilities was administered in hospitals in Niigata prefecture. Among 129 hospitals, 103 hospitals participated, and a NST was established in 57 hospitals. NSTs were more frequently established in hospitals for acute illness and in hospitals with a capacity of ≧150 beds. Remuneration for the NST was calculated and charged more frequently in hospitals with ≧150 beds. Number of NST interventions for past several years increased in 36.5% of hospitals, and effects of NST intervenitons such as a decreased TPN-use, increased EN-use, increased lipid emulsion-use, improved nutritional knowledge of medical staff were recognized. It was shown that many hospitals do not cooperate sufficiently with other hospital NSTs, but do see a need for this. This study suggests there is a need to establish an inter-hospital NST network.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/47201
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