論文詳細
医学部保健学科
医歯学系
#紀要論文
思春期の子どもの変化における「子どもの行動理解」という母親の経験
- AI解説:
- 本研究は、思春期の子どもを持つ母親の経験プロセスを質的に明らかにし、その構造を記述することを目的としています。思春期の子どもを持つ親に関する先行研究では、子どもの性的発達に対する戸惑いや不安が明らかにされていますが、その数は少なく、思春期における子どもの変化を母親の立場から捉えた研究は十分とは言えません。本研究は、母親がどのように子どもの行動を理解し、対応しているのかについてのプロセスを質的に探ることで、親のニーズを把握し、適切な支援を提供するための基礎を築くことを目指しています。
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医学部保健学科
医歯学系
#紀要論文
思春期の子どもの変化における「子どもの行動理解」という母親の経験
AI解説
- 背景と目的:
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本研究は、思春期の子どもを持つ母親の経験プロセスを質的に明らかにし、その構造を記述することを目的としています。思春期の子どもを持つ親に関する先行研究では、子どもの性的発達に対する戸惑いや不安が明らかにされていますが、その数は少なく、思春期における子どもの変化を母親の立場から捉えた研究は十分とは言えません。本研究は、母親がどのように子どもの行動を理解し、対応しているのかについてのプロセスを質的に探ることで、親のニーズを把握し、適切な支援を提供するための基礎を築くことを目指しています。
- 主要な発見:
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本研究において、思春期の子どもの行動理解に関する母親の経験プロセスは「子どもの行動理解」をコアカテゴリーとして特定されました。このコアカテゴリーからは12のサブカテゴリーが抽出され、例えば、子どもの反抗への気づき、子育て観への気づき、子どもとのやりとり、子どもの立場に立つ理解、子離れ、信じる、子どもの行動変化の察知などが挙げられます。これらのカテゴリーは、母親が子どもの行動を理解し、対応していく過程を詳細に示しており、母子間の葛藤を乗り越えるための具体的なステップが明らかにされました。
- 方法論:
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本研究は、グランデッド・セオリー・アプローチを用いた質的記述的研究です。研究参加者は、思春期の子どもを持つ母親5名で、平均年齢は43.6歳でした。データの収集は半構成的面接法により行われ、インタビューガイドを使用して「子どもの思春期への思い」や「思春期における子どもとの関わり」に関連する内容を深堀りしました。面接の内容は逐語録に起こされ、グランデッド・セオリー・アプローチによって質的に分析されました。信頼性と妥当性の確保のために、母性看護学の専門家によるスーパーバイズも行われました。
- 結論と意義:
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本研究は、思春期の子どもを持つ母親の経験プロセスを「子どもの行動理解」という現象を中心に明らかにしました。母親は子どもの反抗や行動の変化に対して、子育て観を再評価し、子どもの立場に立った理解を深めようと努力しています。また、子どもの行動理解が進むことで、母親自身の子離れや信じることへの意識も変化し、子どもの社会適応を支援するための関係構築が進むことが示されました。本研究は、母親の経験プロセスを具体的に描くことで、思春期の子どもを持つ母親のニーズに即した支援の検討に重要な示唆を提供しています。
- 今後の展望:
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本研究の限界として、参加者数が5名に限られていることから、今後は更なるデータの集積と分析が必要とされます。また、予測で示された箇所についても、より多くのデータを通じて確証を得ることが重要です。将来的には、母親だけでなく、父親や他の家族メンバーを含めた研究を行うことで、家族全体の視点からの理解を深め、より包括的な支援方法を検討することが期待されます。また、質的研究に加えて量的研究を組み合わせることで、より広範な母親の経験を明らかにし、政策や実践の改善に役立てることが求められます。
- 背景と目的:
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この研究の目的は、思春期にある子どもを持つ母親がどのような経験をするのか、その過程を明らかにすることです。これまでの研究では、子どもの性的な発達に対する親の戸惑いや不安が少し明らかになっていますが、母親の視点から思春期の子どもを理解し、対応する過程については十分な研究がありません。この研究では、母親が子どもの行動をどう理解し、どう対応しているのかを詳しく調べることによって、母親のニーズを把握し、適切な支援を提供するための基礎を作ることを目指しています。
- 主要な発見:
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この研究では、母親が思春期の子どもの行動を理解する過程が「子どもの行動理解」という中心的なテーマであることがわかりました。そこから12の具体的なテーマが見つかりました。例えば、子どもの反抗に気づくことや、子育ての考え方を見直すこと、子どもと話し合うこと、子どもの立場に立って理解すること、子離れを意識すること、子どもを信じること、子どもの行動の変化を察知することなどです。これらのテーマは、母親が子どもの行動を理解して、どう対応していくかを詳細に示しています。
- 方法論:
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この研究は、質的研究の一つである「
」を用いて行いました。参加者は思春期の子どもを持つ5人の母親で、平均年齢は43.6歳でした。データは半構成的なインタビューを通じて集めました。インタビューでは「子どもの思春期への思い」や「思春期における子どもとの関わり」について深く掘り下げました。インタビュー内容はすべて文字起こしされ、その後質的に分析されました。信頼性と妥当性を確保するために、グランデッド・セオリー・アプローチ ( 質的研究の一つで、データから理論を構築する方法です。研究者がデータを収集し、そのデータをもとにテーマや概念を見つけ出して理論を作り上げます。) の専門家による指導も受けました。母性看護学 ( 母親や妊娠・出産に関わる看護学の一分野です。母親だけでなく、新生児や家族全体の健康管理やサポートを研究・実践します。)
- 結論と意義:
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この研究は、母親が思春期の子どもをどう理解し、対応しているのかを「子どもの行動理解」というテーマのもとに明らかにしました。母親は子どもの反抗や行動の変化に対して、自分の子育ての考え方を見直し、子どもの立場に立って理解しようとしています。子どもの行動を理解することで、母親自らも子離れや子どもを信じることへの意識が変わり、子どもの社会適応を支援するための関係構築が進むことが示されました。この研究は、具体的な母親の経験を描くことで、思春期の子どもを持つ母親に対する支援の検討に重要な示唆を提供しています。
- 今後の展望:
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本研究には5名の母親しか参加していないため、今後はもっと多くのデータを集めて分析する必要があります。また、母親だけでなく、父親や他の家族メンバーを含めた研究を行うことで、家族全体の視点からの理解を深め、より包括的な支援方法を検討することが期待されます。質的研究に加えて量的研究も組み合わせることで、より広範な母親の経験を明らかにし、政策や実践の改善に役立てることが求められます。
- 何のために?:
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この研究は、お母さんが思春期の子どもをどう感じているかを調べます。子どもの体や心が
成長 する時期に、お母さんがどんな気持ちになるかを知りたいのです。これまで少しはわかっていますが、まだ十分ではありません。お母さんたちが子どもの行動をどう理解 しているか、そしてどんな助けがいるのかを調べます。
- 何が分かったの?:
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この研究で、お母さんが子どもの行動を
理解 することが大切だとわかりました。例 えば、子どもが反抗 することに気づいたり、子育ての仕方を見直したりします。また、子どもと話をしたり、子どもの気持ちを考えたりします。子どもを信 じたり、行動の変化 に気づいたりもします。これらのことが、お母さんが子どもの行動を理解 して、どう対応 するかを教えてくれます。
- どうやったの?:
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この研究では、
という質的 研究( 人々の話を聞いたり、文章を読んだりして、物事を詳 しく理解 するための研究方法 です。) 方法 を使いました。5人のお母さんにインタビューを行いました。平均 年齢 は43.6歳 です。インタビューでは、子どもが思春期になる時の気持ちや、どう関 わるかを聞きました。その内容 を文字に起こし、詳 しく分析 しました。専門家 の助けも借 りました。
- 研究のまとめ:
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この研究は、お母さんが思春期の子どもをどう
理解 し、対応 しているかを明らかにしました。お母さんは子どもの反抗 や行動の変化 に対して、子育ての考え方を見直し、子どもの立場に立って理解 しようとします。子どもの行動を理解 すると、子どもを信 じる気持ちが強くなり、子どもを助ける関係 が良 くなります。この研究は、お母さんたちへの支援 に役立ちます。
- これからどうする?:
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この研究には5人のお母さんしか
参加 していません。今後はもっと多くのお母さんを対象 に研究する必要 があります。また、お父さんや他の家族も調べます。これで、家族全体の視点 から支援 方法 を考えます。 に質的 研究( 人々の話を聞いたり、文章を読んだりして、物事を詳 しく理解 するための研究方法 です。) 加 えて も行います。これにより、母親の量的 研究( 数字やデータを使って、物事を詳 しく調べる研究方法 です。) 経験 を詳 しく知り、政策 や実践 の改善 に役立てます。
- 著者名:
- 河内 浩美, 佐山 光子
- 掲載誌名:
- 新潟大学保健学雑誌
- 巻:
- 12
- 号:
- 1
- ページ:
- 97 - 103
- 発行日:
- 2015-09
- 著者による要約:
- 目的:思春期の子どもの変化における母親の経験プロセスを質的研究によって浮き彫りにし,その構造を記述すること。対象:思春期の子どもをもつ母親である。方法:グラウンデッド・セオリー・アプローチによる質的記述的研究である。結果:【子どもの行動理解】という現象をコアカテゴリーとし,<子どもの反抗への気づき><子育て観の実践><子どもとのやりとり><子育て観への気づき><子どもを知る努力><子どもの立場に立つ理解><子ども理解の思い違い><子離れ><抑制の緩和><信じる><子どもの行動変化の察知><子どもの順応に向けた関係構築への歩み>のサブカテゴリーが抽出された。【子どもの行動理解】は,<子ども反抗の気がかり>によりもたらされ,母子間の葛藤から生じる親子関係の変化は,子どもの発達に合わせた対応の変化により【子どもの行動理解】を介し,<子どもの順応に向けた関係構築への歩み>に至るストーリーラインが見いだされた。
Objective: To describe the process of the experiences of mothers in regard to changes in children during adolescence. Subjects: Mothers of adolescents. Methods: A qualitative, descriptive study using the grounded theory approach. Results: The following categories were identified for the process of experiences of mothers: the core category of “understanding of the child’s behavior”and the following subcategories:“concern regarding the child’s rebelliousness”,“implementation of views on childrearing”,“interactions with the child”,“realization of views on childrearing”,“efforts to get to know the child”,“understanding through putting oneself in the child’s shoes”, “mistaken understanding of the child”,“allowing the child to become independent”,“reducing restraints”, “believing”,“sensing behavioral changes in the child”, and“steps for building relationship toward adaptation of the child”. A categorical relationship diagram was established based on these categories.“Understanding of the child’s behavior”was induced by“concern regarding the child’s rebelliousness”, and the changes in the parent-child relationship resulting from conflict between the mother and child led to “steps for building relationship toward adaptation of the child”through“understanding of the child’s behavior”based on changes in approach according to the child’s development.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/38958
