論文詳細

医学部保健学科 医歯学系 #紀要論文

WT1ペプチドワクチン施行症例におけるWT1特異的細胞傷害性T細胞の検出及びそのIFN-γ産生能と細胞傷害活性の同定

AI解説:
本研究の背景には、WT1遺伝子が小児の腎芽細胞腫であるWilms腫瘍だけでなく、悪性造血器腫瘍や他の多くの固形癌においても高く発現していることがあります。健常人の組織や細胞でのWT1抗原の発現は限られているため、WT1抗原は抗腫瘍免疫療法の有望な標的とされています。このため、WT1ペプチドワクチンが開発され、その効果を評価するための新しい方法が求められていました。本研究の目的は、in vitroで誘導されたWT1特異的CTLの機能を解析し、WT1ペプチドワクチンの効果判定に役立てることです。
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著者名:
大岩 恵理, 成田 美和子, 岩谷 俊平, 西澤 幹則, 内山 孝由, 岩渕 南, 高橋 益廣
掲載誌名:
新潟大学保健学雑誌
巻:
11
号:
1
ページ:
57 - 65
発行日:
2014-03
著者による要約:
抗腫瘍免疫療法施行例における治療効果を判定するために,in vitroで培養された腫瘍抗原特異的細胞傷害性T細胞(CTL)が特異的に抗原を認識し,細胞傷害機能を有するか調べることを目的とした。本検討では,in vivoに存在するWT1特異的CTLを混合リンパ球ペプチド培養(mixed lymphocyte peptide culture; MLPC)によりin vitroで増幅し,WT1特異的CTLの機能解析を行った。in vitroで誘導されたWT1特異的CTLはWT1抗原特異的にIFN-γを合成し,細胞傷害活性を有することが確認された。以上のことから,WT1ペプチドワクチン施行例の末梢血中にはIFN-γの産生能と細胞傷害活性を持つWT1特異的CTLが存在し,これらのCTLはさらなるWT1ペプチドワクチンにより増幅されると考えられた。
Although the frequencies of cytotoxic T lymphocytes(CTLs)in peripheral blood(PB)can be evaluated by mixed lymphocyte peptide culture(MLPC), the function of tetramer+ CD8+ T cells induced by MLPC has not been studied extensively yet. Therefore, we aimed to explore the function of tetramer+ CD8+ T cells generated by MLPC. We confirmed that population of tetramer positive cells in MLPC produced IFN-γ by recall stimulation, using intracellular cytokine staining. This study showed that WT1 positive cells, which were induced by MLPC, have function of producing IFN-γ and killing target cells. The present findings suggest that WT1 peptide immunized persons hold WT1 specific CTLs and IFN-γ production and cytotoxicity in CTLs could be enhanced by further WT1 peptide vaccination.
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