論文詳細
人文学部
#紀要論文
手と動物 : 中俣正義アーカイブを展示する
- AI解説:
- この論文は、他人が撮影した写真を編集するときに、完全に客観的にはなれないという問題に注目しています。特に、フリーマーケットで見つけた撮影者不明のアマチュア写真を使った作品がどうして美術として成立するのかを探ります。また、著名な写真家の写真を編集するとき、編集者が撮影者の意図や視点を尊重しようとするため、編集者の個人的な好みを出すことが難しいという複雑な状況も考察します。この展示「中俣正義×小林新一×22」の第一の目的は、新潟に住み、地域の行事や人々の生活を丁寧に記録してきた二人の写真家の仕事に新たな光を当てることです。また、著名な写真家の
から任意の写真を選び出し、出版または展示するプロセスにおける新しい方法を提示することも目的としています。アーカイブ ( 過去の記録や資料を保管し、利用可能にするためのシステムや場所のこと。写真アーカイブは、写真を集めて整理し、保存することを指します。)
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人文学部
#紀要論文
手と動物 : 中俣正義アーカイブを展示する
AI解説
- 背景と目的:
-
本論文では、他人が撮影した写真を編集する際に生じる問題として、選ぶ側の主観を完全に排除することが不可能である点に着目しています。特に、フリー・マーケットなどで見つけた撮影者不明のアマチュア写真を素材とする作品が、美術として成立する理由を探ります。そして、著名な写真家による写真を編集する場合、編集者が撮影者の意図や視点を尊重しようとする傾向があり、そのために編集者の個人的な思い入れや好みを前面に出すことが難しいという複雑な状況についても考察します。今回の展示「中俣正義×小林新一×22」の第一の目的は、新潟に暮らし地域の行事や人々の生活を丹念に記録してきた二人の写真家の仕事に新たな光を当てることです。また、著名な写真家のアーカイブから任意の写真を選び出し、出版または展示するプロセスにおける新たなアプローチを提示することも目的としています。
- 主要な発見:
-
本論文では、写真には撮影者の表現だけでなく、その表現を超えた記録性が存在することを明らかにしています。特に、写真が見る者に対して異なるパーソナルな反応を引き出す特性がある点を強調しています。また、日本の写真家たちが写真を記録として捉え、その記録性に対してどのような態度を持ってきたかについても考察しています。中俣正義の手仕事に関する写真は、題材の具体性が表現形式の凡庸さに打ち勝つ一例として挙げられています。一方で、動物の写真は人間との関係性を示す文化的な意味を持ちながらも、あらゆる人間的意味付けを逃れる存在として描かれています。
- 方法論:
-
本論文の方法論は、展示「中俣正義×小林新一×22」の準備過程を通じて、写真の選択と配置に焦点を当てました。具体的には、中俣の膨大なネガの中から特定のテーマに沿った写真を選び出し、プリントするというプロセスを経ています。この過程で、編集者の思考や趣味判断が否応なく入り込むことを示し、選択の恣意性を強調しています。また、手仕事の写真と動物の写真を対比させることで、写真の記録性と表現性の両方を探求しています。手仕事のネガスリーブには繊細な作業や単純な作業のクローズアップが含まれており、動物の写真では唐突な出会いの結果としてのショットが多いことを観察しています。
- 結論と意義:
-
本論文の結論として、写真アーカイブは表現、記録、そして写真を選択・配置する者の視点という三つの要素によって成り立っていることが示されています。このうちのいずれかの要素を特権視したり抑圧したりすることなく、これらの要素が互いに切り離しがたく結びついていることを示すことが、本企画の狙いであると述べています。中俣正義の手仕事や動物の写真を通じて、写真が持つ記録性と表現性の共存を示し、写真アーカイブが本来持つ力を引き出すための新たな視点を提供しています。
- 今後の展望:
-
本論文では、今後の展望として、異なるテーマを通じて写真アーカイブを見るたびに異なる相貌を見せる可能性があることを示唆しています。重要なのは、写真アーカイブが有名か否か、才能の有無にかかわらず、表現、記録、そして選択・配置する者の視点という三つの要素によって成立している点です。これらの要素をバランスよく扱うことにより、写真アーカイブの持つ力を最大限に引き出すことができると考えられており、今後もこの視点に基づいた新たな展示やアプローチの開発が期待されます。また、動物写真を通じて人間と動物の関係性や動物そのものについての理解を深めることも一つの方向性として示されています。
- 背景と目的:
-
この論文は、他人が撮影した写真を編集するときに、完全に客観的にはなれないという問題に注目しています。特に、フリーマーケットで見つけた撮影者不明のアマチュア写真を使った作品がどうして美術として成立するのかを探ります。また、著名な写真家の写真を編集するとき、編集者が撮影者の意図や視点を尊重しようとするため、編集者の個人的な好みを出すことが難しいという複雑な状況も考察します。この展示「中俣正義×小林新一×22」の第一の目的は、新潟に住み、地域の行事や人々の生活を丁寧に記録してきた二人の写真家の仕事に新たな光を当てることです。また、著名な写真家の
から任意の写真を選び出し、出版または展示するプロセスにおける新しい方法を提示することも目的としています。アーカイブ ( 過去の記録や資料を保管し、利用可能にするためのシステムや場所のこと。写真アーカイブは、写真を集めて整理し、保存することを指します。)
- 主要な発見:
-
この論文では、写真には撮影者の表現だけでなく、それを超えた
があることを明らかにしています。特に、写真が見る人に対して異なる個人的な反応を引き出す特性を強調しています。また、日本の写真家たちが写真をどのように記録として捉えてきたかについても考察しています。中俣正義の手仕事に関する写真は、題材の具体性が表現形式の平凡さに勝る例として挙げられています。一方で、動物の写真は人間との関係性を示しながらも、人間的な意味付けを逃れる存在として描かれています。記録性 ( 写真がその瞬間や状況をそのまま残す性質のことです。)
- 方法論:
-
この論文の方法論は、展示「中俣正義×小林新一×22」の準備過程を通じて、写真の選択と配置に焦点を当てました。具体的には、中俣の膨大な
の中から特定のネガ ( 写真を撮影した際にできるフィルムのことで、現像することでポジ(写真プリント)になります。このネガを使って何度でも写真をプリントできます。) に沿った写真を選び出し、テーマ ( 展示や研究の中心となる題材や話題のことです。展示では「手仕事」と「動物」という二つのテーマが設定されています。) するというプロセスを経ています。この過程で、編集者の思考や趣味判断が入ることを示し、選択のプリント ( ネガから写真を焼き付けて紙に写し出すことを言います。これにより、写真を見ることができます。) を強調しています。また、手仕事の写真と動物の写真を対比させることで、写真の恣意性 ( ある事柄が個人の好みや判断によって決められることや、その傾向のことを指します。) と記録性 ( 写真がその瞬間や状況をそのまま残す性質のことです。) の両方を探求しています。表現性 ( 写真が撮影者の意図や感じたことを表現する性質のことです。)
- 結論と意義:
-
この論文の結論として、写真
は表現、記録、そして写真を選択・配置する者の視点の三つの要素によって成り立っていることが示されています。これらの要素が互いに切り離しがたく結びついていることを示すことが、本企画の狙いです。中俣正義の手仕事や動物の写真を通じて、写真が持つアーカイブ ( 過去の記録や資料を保管し、利用可能にするためのシステムや場所のこと。写真アーカイブは、写真を集めて整理し、保存することを指します。) と記録性 ( 写真がその瞬間や状況をそのまま残す性質のことです。) の共存を示し、写真アーカイブが本来持つ力を引き出すための新たな視点を提供しています。表現性 ( 写真が撮影者の意図や感じたことを表現する性質のことです。)
- 今後の展望:
-
この論文では、今後の展望として、異なる
を通じて写真テーマ ( 展示や研究の中心となる題材や話題のことです。展示では「手仕事」と「動物」という二つのテーマが設定されています。) を見るたびに異なる相貌を見せる可能性があることを示唆しています。重要なのは、写真アーカイブが有名か否か、才能の有無にかかわらず、表現、記録、そして選択・配置する者の視点の三つの要素によって成り立っている点です。これらの要素をバランスよく扱うことにより、写真アーカイブの持つ力を最大限に引き出すことができると考えられています。また、動物写真を通じて人間と動物の関係性や動物そのものについての理解を深めることも一つの方向性として示されています。アーカイブ ( 過去の記録や資料を保管し、利用可能にするためのシステムや場所のこと。写真アーカイブは、写真を集めて整理し、保存することを指します。)
- 何のために?:
-
このお話は、他の人が
撮 った写真を編集 するときのことです。自分の好 きなように写真を変 えるのは難 しいです。特 に、 で見つけた写真を使うときのことです。そして、有名な写真家の写真をフリーマーケット ( みんながいらなくなった物を売る市場) 編集 することも考えます。この展示 は、新潟に住んでいる二人の写真家の仕事を紹介 します。また、新しい方法 で写真を選 んで見せることを考えます。
- 何が分かったの?:
-
写真には、
撮影 した人の気持ちだけでなく、見る人によって違 う感じ方があります。日本の写真家がどのように写真を撮 ってきたかも考えています。中俣正義さんが撮 った手仕事の写真や、動物の写真も紹介 されています。
- どうやったの?:
-
このお話では、写真の
選 び方 や並 べ方に注目しています。中俣さんのたくさんの写真の中から、特定 のテーマに合う写真を選 びます。編集 する人の考えが入ることもあります。そして、手仕事の写真と動物の写真を比 べています。
- 研究のまとめ:
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このお話の
結論 は、写真は撮 る人の気持ちや記録 すること、選 ぶ人の考えが大事だということです。中俣さんの写真を通じて、写真が記録 と表現 の両方を持つことを示 しています。
- これからどうする?:
-
このお話では、これからも色々なテーマで写真を見ることで、新しい発見があると言っています。写真が有名かどうかに
関係 なく、撮 る人、見る人、選 ぶ人の考えが大事です。また、動物写真を通して、人と動物の関係 についてもっと知ることもできます。
- 著者名:
- 甲斐 義明
- 掲載誌名:
- にいがた地域映像アーカイブ
- 巻:
- 4
- ページ:
- 5 - 7
- 発行日:
- 2013-11
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/27839
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