キャリアイベントに関する学生の意識 : アンケートおよび終了後の座談会から (特集 : 初年次教育とキャリア意識 : 学⽣主体キャリアイベントの実践から)

背景と目的：

2018年2月10日に「女性も男性も，ともに自分らしく働くには」と題したイベントが開催されました。このイベントの企画・運営には、新潟大学創生学部の1年生である学生キャリア研究会メンバーが参加しており、彼らがキャリアに関する理解を深めることを目的としていました。教員側からの働きかけにより、事前・事後アンケートや座談会を通して、学生の意識を明確化し、イベントを教育の一環として活用する試みが行われました。

主要な発見：

イベントを通して、学生たちは「ワークライフバランス」や「キャリア中断の恐れ」といった問題意識を再認識しました。特に、「ライフの一部にワークがある」という概念が複数の学生に新たな気づきを与え、多くの学生がその考え方に共感しました。また、イベント前後での考えの変化や新たな視点の獲得が見られ、特に介護支援や男性の働きにくさといった新しいテーマにも関心を持つようになった点が注目されました。

方法論：

イベントの実施前後に学生メンバー7名に対してアンケート調査を行いました。事前アンケートは「働くことに関する問題意識」や「将来への関心や不安」、そして「イベントに期待すること」について質問し、事後アンケートではそれに加えて「イベントを通じて学んだこと」についても尋ねました。さらに、イベント終了後には座談会を実施し、イベントの振り返りと個々の意見交換を行いました。これらを通じて、学生たちの意識の変化や学びを記録しました。

結論と意義：

アンケートと座談会の結果から、学生メンバーはイベントを通じてキャリアに対する理解を深めたことが確認されました。特に「ワークライフバランス」についての新しい視点や、育児休暇や労働時間の問題に対する認識が深まりました。これにより、学生たちがキャリア教育の重要性を再認識し、将来のキャリア設計に役立つ具体的な知識を得ることができました。このようなイベントは、学生のキャリア意識の向上に大きく寄与することが示唆されました。

今後の展望：

今後は、今回のイベントの経験を基に、さらに効果的なキャリア教育イベントを設計することが求められます。具体的には、事前の資料提供や質問準備の重要性を学生に理解させること、またイベントの進行や時間配分を改善する方法を考える必要があります。さらに、男性の働きにくさや介護支援といった新しいテーマにも焦点を当てたプログラムを取り入れ、より多様な視点からキャリアに対する理解を深めることが期待されます。