論文詳細
工学部
自然科学系
#学術雑誌論文
レーザスポット走査型干渉計の開発 : 小型レンズ金型の形状計測
- AI解説:
- 近年、カメラ付き携帯電話やデジタルカメラの普及により、ナノ・マイクロデバイス表面の3次元形状計測の需要が高まっています。特に、非球面レンズ金型の歩留まりを向上させるためには、加工後の表面形状計測が重要です。しかし、従来のプローブ接触式の3次元形状測定機や非接触式の干渉計には、それぞれの欠点があり、広い領域を高精度に計測することが難しいです。本研究では、この課題を解決するために、新田らが開発した広視野レーザ顕微鏡に干渉計測を組み込むことで、フイゾー型かつレーザスポット走査型の干渉計を新たに開発し、その有用性を検証しました。
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工学部
自然科学系
#学術雑誌論文
レーザスポット走査型干渉計の開発 : 小型レンズ金型の形状計測
AI解説
- 背景と目的:
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近年、カメラ付き携帯電話やデジタルカメラの普及により、ナノ・マイクロデバイス表面の3次元形状計測の需要が高まっています。特に、非球面レンズ金型の歩留まりを向上させるためには、加工後の表面形状計測が重要です。しかし、従来のプローブ接触式の3次元形状測定機や非接触式の干渉計には、それぞれの欠点があり、広い領域を高精度に計測することが難しいです。本研究では、この課題を解決するために、新田らが開発した広視野レーザ顕微鏡に干渉計測を組み込むことで、フイゾー型かつレーザスポット走査型の干渉計を新たに開発し、その有用性を検証しました。
- 主要な発見:
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本研究で開発されたレーザスポット走査型干渉計は、10mm×8mmの範囲において10μm間隔の高密度な干渉縞を観察することができました。また、共焦点方式を採用することで、高コントラストな計測が可能となり、空気のゆらぎの影響を受けにくいことが示されました。さらに、参照板を試験片に接触させる方式を採用することで、振動対策なしでも良好な耐震性が示されました。平板参照板を使用した際の形状計測結果と表面粗さ計による計測結果との平均的な差異は0.077μmであり、非常に高精度であることが確認されました。
- 方法論:
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広視野レーザ顕微鏡を用いたフイゾー型干渉計を開発しました。半導体レーザ光を用い、参照板を観察対象の手前に配置し、レーザスポットを2次元的に走査することで干渉像を取得する仕組みです。装置はコンパクトに設計され、参照板と試験片を接触させることで振動に強い構造となっています。微小レーザスポット走査型の広視野レーザ顕微鏡を使用し、10mm×8mmの範囲にわたる高密度干渉縞の観察を実現しました。平板参照板と平凸レンズ参照板の2種類を使用し、それぞれの観察結果を比較しました。
- 結論と意義:
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本研究で開発されたレーザスポット走査型干渉計は、広視野かつ高解像度での3次元形状計測を可能にしました。参照板を試験片に接触させる方式により、振動対策なしでの高精度計測が実現されました。また、共焦点方式により、空気のゆらぎの影響を受けにくく、高コントラストな干渉縞像の取得が可能となりました。この技術は、ナノ・マイクロデバイスの製造工程における品質管理や製品評価において重要な役割を果たすと考えられます。
- 今後の展望:
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本研究で得られた結果を基に、さらなる装置の改良や応用範囲の拡大が期待されます。特に、レーザ光屈折の影響の補正や干渉縞密度の最適化により、さらに高精度な3次元形状計測が可能となるでしょう。また、ソフトウェアの開発により、干渉縞の中心部生成密度の向上や、二値化アルゴリズムの最適化が進められることが期待されます。これにより、より忠実な3次元形状の内挿補間が可能となり、実用的な計測装置としての完成度が高まることが期待されます。
- 背景と目的:
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最近、カメラ付き携帯電話やデジタルカメラが普及しているため、小さなデバイスの表面の3D形状を測る技術の需要が増えています。特に、
という特殊な形をしたレンズの金型の品質を保つためには、その表面の形状を正確に測ることが大切です。しかし、従来の測定方法にはそれぞれ欠点があり、広い範囲を高い精度で測ることが難しいです。この問題を解決するために、新しいタイプの測定装置が開発されました。非球面レンズ ( 完全な球形ではないレンズで、特定の光学特性を持つために特殊な形状をしています。)
- 主要な発見:
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今回開発されたレーザースポット走査型
は、10mm×8mmの範囲を高密度で観察できます。また、干渉計 ( 光の干渉を利用して物体の形状や表面を測定する装置です。) を採用することで、高コントラストな計測ができ、空気の揺らぎの影響を受けにくいことも分かりました。さらに、参照板と試験片を接触させる方法を使うことで、振動対策がなくても高い耐震性が確認されました。測定結果の精度も非常に高く、平均的な誤差は0.077μmでした。共焦点方式 ( 光が焦点を合わせたときだけ信号を取り出す方式で、高いコントラストの画像を得ることができます。)
- 方法論:
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広視野のレーザ顕微鏡を使って、フイゾー型
を作りました。この装置は半導体レーザ光を使い、参照板を観察対象の前に置き、レーザスポットを2次元的に走査して干渉像を取得する仕組みです。装置はコンパクトで、参照板と試験片を接触させることで振動に強い構造になっています。干渉計 ( 光の干渉を利用して物体の形状や表面を測定する装置です。)
- 結論と意義:
-
この新しいレーザースポット走査型
は、高解像度で広い範囲の3D計測を可能にしました。また、参照板を試験片に接触させる方式により、振動対策がなくても高精度の計測ができることが分かりました。この技術は、小さなデバイスの製造工程での品質管理や製品評価に役立つと考えられます。干渉計 ( 光の干渉を利用して物体の形状や表面を測定する装置です。)
- 今後の展望:
-
今回の研究結果を基に、装置の改良や応用範囲の拡大が期待されます。特に、レーザ光の屈折の影響を補正し、
の密度を最適化することで、さらに高精度な3D形状計測が可能になるでしょう。また、ソフトウェアの開発により、干渉縞の中心部生成密度の向上や、アルゴリズムの最適化が進むことが期待されます。干渉縞 ( 光が干渉したときに生じる明暗の縞模様で、この縞模様を使って物体の形状を測ります。)
- 何のために?:
-
最近 、カメラ付 きの携帯電話 や がいっぱい使われています。だから、小さいものの形をデジタルカメラ ( 映像 をデジタルデータとして記録 できるカメラのことです。) 測 る技術 がもっと必要 になってきました。特 に、変 わった形のレンズを作るためには、その形を正しく測 ることが大切です。でも、今までの方法 では、広い範囲 を正確 に測 るのが難 しかったです。そこで、新しい測 り方が考えられました。
- 何が分かったの?:
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新しく作られた
機械 は、 を使って小さいレーザー ( とても細い光のことです。この光を使ってものの形を測 ります。) 範囲 を細かく測 れます。この機械 は、空気が動いてもあまり影響 を受けません。さらに、この機械 は にも強く、振動 ( ものが揺 れ動 くことです。この機械 は振動 に強いので、正確 に測 ることができます。) 測 った結果 がとても正確 です。
- どうやったの?:
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大きな
範囲 を見られるレーザー ( とても細い光のことです。この光を使ってものの形を測 ります。) 顕微鏡 を使いました。この機械 は、レーザーを使ってものの形を測 ります。小さくて強い機械 です。
- 研究のまとめ:
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この新しい
機械 は、ものの形を詳 しく測 ることができます。 にも強く、振動 ( ものが揺 れ動 くことです。この機械 は振動 に強いので、正確 に測 ることができます。) 正確 に測 れるので、ものを作るときに役立ちます。
- これからどうする?:
-
これからこの
機械 をもっと良 くするために、いろいろな工夫 がされるでしょう。特 に、 の光をもっとレーザー ( とても細い光のことです。この光を使ってものの形を測 ります。) 正確 にする方法 や、 を開発して、もっとソフトウェア ( 機械 を動かしたり、データを処理 したりするためのプログラムのことです。) 正確 に測 れるようにすることが期待されます。
- 著者名:
- 本合 邦彦, 月山 陽介, 鈴木 天, 新田 勇
- 掲載誌名:
- 精密工学会誌
- 巻:
- 80
- 号:
- 3
- ページ:
- 302 - 307
- 発行日:
- 2014-03
- 著者による要約:
- Small lenses are one of the most important elements in digital devices such as mobile phones with cameras. In order to minimize the machining error of aspheric lens molds with high form accuracy, on-machine measurement of the lens mold shape is important. However, they require large field of view of mm order in diameter, robustness against vibrational noises from environment, short tact time, and compact body for on-machine measurements. We developed a Fizeau-type interferometer with wide field of view. The interferometer has small laser spot of 2.5μm in diameter, which scans over the 10mm x 8mm of observation area. With the use of transparent reference plates set over the concave of the lens mold, fringe patterns of lens mold with about 1.5mm in diameter was successfully observed in 80 seconds. This interferometer is also designed in a compact size.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/30273
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