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工学部 自然科学系 #学術雑誌論文

放射抑制シールドを用いた小形アンテナの放射効率測定(<特集>無線システムの進展の基盤となるアンテナ・伝搬技術論文)

AI解説:
最近、無線機器がどんどん進化している中で、アンテナの性能がその取り付けられた機器や基板の影響を受けやすくなっています。そのため、アンテナだけで設計や評価をするのが難しくなってきました。これを解決するために、EIRP(等価等方輻射電力。アンテナが全方向に同じ強さで電波を放射している場合の放射電力のことです。)(等価等方輻射電力)を使ってアンテナの全体の放射電力(TRP(全放射電力。アンテナが全方向に放射する電力を合計したものです。))を評価する方法が提案されています。本論文では、Wheeler cap法(アンテナをシールドで覆って放射を抑制し、そのときの反射係数を測定して放射効率を評価する方法です。)改良型Wheeler法(導波管を使ってアンテナの反射係数を複数の位置で測定し、より精密に放射効率を評価する方法です。)という方法を使ってアンテナの放射効率を測定する技術について説明し、それぞれの方法での測定例や研究について詳しく紹介します。
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著者名:
石井 望
掲載誌名:
電子情報通信学会論文誌. B, 通信
巻:
J95-B
号:
9
ページ:
1025 - 1035
発行日:
2012-09
著者による要約:
小形アンテナの簡易放射効率測定法として知られているWheeler Cap法及び改良型Wheeler法について,動作原理,効率評価式を紹介するとともに,これまでの研究動向を手短に振り返る.これらの方法では,放射抑制シールドを利用するが,その際にシールドの共振により放射効率が評価できなくなる.その対処法についてまとめる.測定の不確かさの評価法について簡単に述べた後,Wheeler cap法及び改良型Wheeler法により評価される放射効率の不確かさが放射抑制シールドを被せたときの反射効率測定の不確かさに大きく依存することを示す.更に,不確かさの軽減手法についても言及する.
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