論文詳細

人文社会科学系 大学院現代社会文化研究科 #紀要論文

A Note on Quantifier Scope in Japanese Passive Sentences

AI解説:
本稿(短報)は、日本語の直接受動文に関するよく知られた提案、具体的には NP-ni で標示される行為者句と NP-ni yotte で標示される行為者句の対比に対して想定されうる課題を扱う。Kuroda (1979) および Hoshi (1991, 1999) に基づき、本稿は、これら2種類の受動において表層主語が導かれる仕方に二分法があると仮定する。その見方では、ni 受動では主語は表層主語位置に基底生成され、theta 役割 Affectee を受けるのに対し、ni yotte 受動では主語は動詞の内部項として出発し、主語位置へ移動する。本稿の直接の動機は、量化子スコープに関する事実が、一見すると ni yotte 受動に対するこの移動に基づく分析を損なうように見える点にある。すなわち、ある種の文では、移動分析が逆スコープの可能性を予測する箇所でも、表層主語が広いスコープを取らざるをえないように見える。本稿の目的は、この反証らしきものが誤って診断されていることを示すことである。ni yotte 句の内部構造を真剣に考慮すれば、同じスコープ事実は、もとの二分法を支持するものとして再解釈できる。本稿はさらに、この診断を所有者受動(possessor passives)にも拡張し、同様の派生上の非対称性がそこでも見られるかを問う。
AI解説を見る
著者名:
Homma Shinsuke
掲載誌名:
言語の普遍性と個別性
巻:
10
ページ:
101 - 113
発行日:
2019-03
新潟大学学術リポジトリリンク: