論文詳細
教育学部
#紀要論文
月の観測における簡易高度測定器「ツクヨミ」の提案
- AI解説:
- 本研究の背景として、小中学校の理科教育において「月の満ち欠け」や「月と太陽と地球の位置関係」といった天体観測の項目は、教育者が自信を持って教えにくい分野であるという問題がある。また、大学生や現職教員の理解度も不十分であることが指摘されている。本研究では、教育学部理科教育専修の2年次学生を対象に、手作りの月の高度簡易測定器「ツクヨミ」と方位磁石を用いて1ヶ月間の月の観測を行わせ、学生の理解度を高めることを目的としている。
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教育学部
#紀要論文
月の観測における簡易高度測定器「ツクヨミ」の提案
AI解説
- 背景と目的:
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本研究の背景として、小中学校の理科教育において「月の満ち欠け」や「月と太陽と地球の位置関係」といった天体観測の項目は、教育者が自信を持って教えにくい分野であるという問題がある。また、大学生や現職教員の理解度も不十分であることが指摘されている。本研究では、教育学部理科教育専修の2年次学生を対象に、手作りの月の高度簡易測定器「ツクヨミ」と方位磁石を用いて1ヶ月間の月の観測を行わせ、学生の理解度を高めることを目的としている。
- 主要な発見:
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研究の結果、月の観測を通じて学生の理解度は大きく向上した。事前調査では「月、地球、太陽の位置関係がわかっていた」と答えた学生は18.2%だったが、授業後は81.8%に増加した。また、観測データはほぼ正確に月の移動経路を示し、実験の有効性が確認された。しかし、月の傾きの変化を正確に捉えられなかった学生もおり、理解が難しい点が残っていることがわかった。
- 方法論:
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本研究では、教育学部理科教育専修の2年次学生を対象に、「ツクヨミ」と方位磁石を用いた月の観測を実施した。観測は1ヶ月間に6日間、1日4回以上行い、データをワークシートに記入させた。また、事前と事後にアンケートを実施し、理解度の変化を評価した。観測結果は国立天文台の「こよみの計算」によるデータと比較して精度を確認した。
- 結論と意義:
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本研究の結果、手作りの月の高度簡易測定器「ツクヨミ」を用いた観測が、教育的に有効であることが示された。学生の理解度は大幅に向上し、特に月の位置や形の変化の理解が深まった。また、観察機会の少なさが理解度低下の原因であることが確認され、観測活動の重要性が強調された。この研究は、簡易測定器を用いて科学的思考を育む授業の可能性を示しており、教育現場での応用が期待される。
- 今後の展望:
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今後の展望として、さらに多くの学生や異なる教育レベルで本研究の方法を試すことが挙げられる。また、観測データの精度を向上させるための工夫や、観測活動を通じて得られたデータを活用した新たな教育プログラムの開発も必要である。特に、中学生以降の観察機会を増やし、天体観測を通じた科学的思考力の養成を目指すことが求められる。
- 背景と目的:
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本研究の背景には、小中学校の理科の授業で「月の満ち欠け」や「月と太陽と地球の位置関係」といった天体に関する教え方が難しく、教育者が自信を持って教えにくいという問題があります。また、大学生や現職の先生たちの理解度も十分ではないことが指摘されています。本研究では、教育学部の理科教育専攻の2年生を対象に、手作りの月の高さを測る道具「
」とツクヨミ ( 手作りの月の高さを測る道具で、月の観測に用いる。安価で簡単に作れるため教育現場での使用が期待される。) を使って1ヶ月間月を観測させ、学生の理解度を高めることを目的としています。方位磁石 ( 地球の磁気を利用して北の方向を示す道具。観測の際に月の方位を測るために使用する。)
- 主要な発見:
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研究の結果、月の観測を通じて学生の理解度が大きく向上しました。事前調査では「月、地球、太陽の位置関係がわかっていた」と答えた学生は18.2%でしたが、授業後は81.8%に増加しました。また、観測データはほぼ正確に月の移動経路を示し、実験の有効性が確認されました。しかし、月の傾きの変化を正確に捉えられなかった学生もおり、理解が難しい点が残っていることがわかりました。
- 方法論:
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本研究では、教育学部の理科教育専攻の2年生を対象に、「
」とツクヨミ ( 手作りの月の高さを測る道具で、月の観測に用いる。安価で簡単に作れるため教育現場での使用が期待される。) を用いた月の観測を実施しました。観測は1ヶ月間に6日間、1日4回以上行い、データをワークシートに記入させました。また、事前と事後にアンケートを実施し、理解度の変化を評価しました。観測結果は国立天文台の「方位磁石 ( 地球の磁気を利用して北の方向を示す道具。観測の際に月の方位を測るために使用する。) 」によるデータと比較して精度を確認しました。こよみの計算 ( 国立天文台が提供する、天文現象の計算ツール。月の位置や移動経路を正確に知るために使用する。)
- 結論と意義:
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本研究の結果、手作りの月の高さを測る道具「
」を用いた観測が、教育的に有効であることが示されました。学生の理解度は大幅に向上し、特に月の位置や形の変化の理解が深まりました。また、観察機会の少なさが理解度低下の原因であることが確認され、観測活動の重要性が強調されました。この研究は、簡易測定器を用いて科学的思考を育む授業の可能性を示しており、教育現場での応用が期待されます。ツクヨミ ( 手作りの月の高さを測る道具で、月の観測に用いる。安価で簡単に作れるため教育現場での使用が期待される。)
- 今後の展望:
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今後の展望として、さらに多くの学生や異なる教育レベルで本研究の方法を試すことが挙げられます。また、観測データの精度を向上させるための工夫や、観測活動を通じて得られたデータを活用した新たな教育プログラムの開発も必要です。特に、中学生以降の観察機会を増やし、天体観測を通じた科学的思考力の養成を目指すことが求められます。
- 何のために?:
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学校で「月の
満 ち欠 け」や「月と太陽と地球の位置 」を教えるのが難 しいです。先生たちも教えるのが大変 です。そこで、大学の理科教育を学ぶ2年生に「 」という道具とツクヨミ ( ツクヨミは、月の観察 を行うための特別 な道具です。この道具を使うことで、月の位置 や形の変化 を正確 に記録 することができます。科学の授業 で使うことで学生の理解 を深める役割 を果 たします。) を使って、1ヶ月間月を方位 磁石 ( 方位 磁石 は、地球の磁場 を利用 して方角を示 す道具です。月の観察 をする際 に、正確 な方角を知るために使用されます。科学の観察 や実験 で重要 な役割 を果 たします。) 観察 させました。これで学生の理解 が深まるかを見ました。
- 何が分かったの?:
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月の
観察 をしたら、学生の理解 が大きく良 くなりました。授業 前は「月、地球、太陽の位置 がわかる」と答えた学生は18.2%でした。授業 後は81.8%になりました。観察 データはほぼ正確 に月の動きを示 しました。でも、月の傾 きの変化 がわからない学生もいました。
- どうやったの?:
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理科教育を学ぶ2年生に「
」とツクヨミ ( ツクヨミは、月の観察 を行うための特別 な道具です。この道具を使うことで、月の位置 や形の変化 を正確 に記録 することができます。科学の授業 で使うことで学生の理解 を深める役割 を果 たします。) を使って月を方位 磁石 ( 方位 磁石 は、地球の磁場 を利用 して方角を示 す道具です。月の観察 をする際 に、正確 な方角を知るために使用されます。科学の観察 や実験 で重要 な役割 を果 たします。) 観察 させました。観察 は1ヶ月間に6日間、1日4回以上 行いました。データをワークシートに記入しました。授業 の前と後にアンケートをして、理解 の変化 を見ました。観察 結果 は のデータと国立天文台 ( 国立天文台は、日本の天文学研究機関 で、宇宙 や天体のデータを提供 します。このデータは、観察 結果 の正確 さを確認 するために使われます。教育や研究において信頼性 の高い情報源 です。) 比 べ、正確 さを確認 しました。
- 研究のまとめ:
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「
」を使ったツクヨミ ( ツクヨミは、月の観察 を行うための特別 な道具です。この道具を使うことで、月の位置 や形の変化 を正確 に記録 することができます。科学の授業 で使うことで学生の理解 を深める役割 を果 たします。) 観察 は、教育に役立つとわかりました。学生の理解 が大きく良 くなり、特 に月の位置 や形の変化 がわかるようになりました。観察 の機会 が少ないと理解 が難 しくなることもわかりました。この研究は、簡単 な道具を使って科学の考え方を学ぶ授業 の可能性 を示 しました。
- これからどうする?:
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今後はもっと多くの学生や他の学年でもこの
方法 を使ってみます。観察 データの正確 さを上げる工夫 も必要 です。観察 活動を通じて得 たデータを使った新しい教育プログラムを作ります。特 に、中学生以上 で観察 の機会 を増 やし、科学の考え方を育てることが大切です。
- 著者名:
- 藤林 紀枝, 山上 遥那, 高橋 洋子, 髙清水 康博, 齋藤 暁史
- 掲載誌名:
- 新潟大学教育学部研究紀要 自然科学編
- 巻:
- 11
- 号:
- 2
- ページ:
- 113 - 123
- 発行日:
- 2019-03
- 著者による要約:
- 月の高度簡易測定器「ツクヨミ」を作成し,方位磁石とともに用いて月の形と移動経路を測定する実習を実施した.小・中学校の学習内容である「月の満ち欠け」,「地球から見た月の動き」,「月と太陽と地球の位置関係」,および「月の運動(公転)と見え方」は,小学校理科の学習項目の中で「教える自信」のない項目の1つである.本研究では,教育学部理科教育専修の2年次学生の授業で,月の高度簡易測定器「ツクヨミ」を新たに作成し,それを用いて1ヶ月間のうち6日の月の観測をさせた.そのデータを基に,月と太陽と地球の位置関係と月の運動(公転)について図示させたところ,系統的に高めの数値を記録した者が数名あったが,測定者ごとの月の移動経路はほぼ弧を描き,有益な結果を得ることができた.授業では他に,ボールとライトを用いた月の満ち欠け実験と,月齢カレンダーを用いた月の形と月の出・入時刻の規則性の調べ等を行った.その結果,授業前は位置関係と地球から見た月の形と出入り時刻の相関性が分かっていた学生が18.2%だったのに対し,授業後は理解度が大きく上昇し81.8%となった.記述からは,月と太陽と地球の位置関係の理解において,視点の転換だけでなく,地球の自転による時刻の変化と,北から俯瞰した時の(観察者にとっての)方角の概念が欠けやすいことが明らかになった.そして,特に中学生以降の観察や観測の機会の少なさが,理解度を減少させる原因の1つとなっている可能性が指摘される.「ツクヨミ」のような簡易測定器を用いて月の位置を数値化し,科学的思考に発展させることが今後重要となるであろう.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/50901
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