論文詳細
教育学部
#紀要論文
理科授業実践におけるコンフリクトマップの有用性 : てこの原理に関する誤概念に注目して
- AI解説:
- 自然科学の理解過程において、誤概念の修正と正しい科学的概念の獲得が重要視される。特に、物理学の力学分野においては、子どもたちが多くの誤概念を持つことが知られている。本研究は、大学生におけるてこの原理に関する誤概念に焦点を当て、その誤概念の実態を把握し、誤概念を覆すための教育手法を開発することを目的としている。
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教育学部
#紀要論文
理科授業実践におけるコンフリクトマップの有用性 : てこの原理に関する誤概念に注目して
AI解説
- 背景と目的:
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自然科学の理解過程において、誤概念の修正と正しい科学的概念の獲得が重要視される。特に、物理学の力学分野においては、子どもたちが多くの誤概念を持つことが知られている。本研究は、大学生におけるてこの原理に関する誤概念に焦点を当て、その誤概念の実態を把握し、誤概念を覆すための教育手法を開発することを目的としている。
- 主要な発見:
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大学生のてこの原理に対する誤概念は多岐に渡り、重力や質量に関する基本的な理解が不十分であることが明らかになった。特に、「重さと距離の関係」が理解できていない学生や、「変形すると別の力が加わる」などの感覚的・直観的な誤解が多いことが判明した。また、アンケート調査とインタビュー調査を通して、誤概念が構造的に深く根付いていることが示唆された。
- 方法論:
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研究は、大学生を対象にアンケート調査とインタビュー調査を実施し、てこの原理に関する誤概念の実態を明らかにすることを目指した。アンケート調査では、針金を折り曲げた場合のつり合いについての問題を出題し、その回答から誤概念を分類した。インタビュー調査では、選択肢と理由を詳しく尋ねることで、誤概念の詳細な理解を追求した。また、コンフリクトマップを用いて、誤概念を覆すための授業開発と模擬授業を実施し、その効果を検証した。
- 結論と意義:
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研究の結果、てこの原理に関する誤概念を持つ学生が多く存在することが確認された。特に、重さと距離の2つの要素を正しく理解し、てこのつり合いを科学的に説明できるようになるには、感覚的・直観的な考え方を修正する必要があることが明らかになった。コンフリクトマップを用いた授業開発は、こうした誤概念を効果的に覆す手段となり得ることが示されたことから、今後の理科教育における指導法の改善に寄与する重要な示唆を提供した。
- 今後の展望:
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本研究は大学生を対象として行われたが、今後は小学生や中学生、高校生を対象とした研究を行い、各教育段階における誤概念の実態を明らかにすることが求められる。また、コンフリクトマップを用いた授業開発の効果を更に検証し、他の物理現象や科学概念に対する誤概念にも適用可能な教育手法を開発することが期待される。さらに、概念理解のレベルを連続的に評価する方法を確立し、個々の学習者の理解度に応じた適切な指導を行うための研究を進めることが重要である。
- 背景と目的:
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物理の力学分野においては、多くの学生が誤った概念を持っています。本研究では、大学生の「
」に関する誤った考えを調査し、これを修正するための教育方法を開発することを目的としています。てこの原理 ( てこの原理とは、物体を支点で支え、力点と作用点の距離との関係でバランスをとる原理のことです。重さと距離の関係により、物体がどのように動くかを理解するための基本的な物理の概念です。)
- 主要な発見:
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大学生が「
」について多くの誤解を持っていることがわかりました。特に「重さと距離の関係」が理解できていない学生や、「変形すると別の力が加わる」という直感的な誤解が多く見られました。また、これらの誤解は深く根付いていることがアンケートとインタビュー調査で示されました。てこの原理 ( てこの原理とは、物体を支点で支え、力点と作用点の距離との関係でバランスをとる原理のことです。重さと距離の関係により、物体がどのように動くかを理解するための基本的な物理の概念です。)
- 方法論:
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本研究では、大学生を対象にアンケートとインタビューを行い、「
」に関する誤った考えを明らかにしました。アンケートでは、針金を折り曲げた場合のつり合いについての問題を出題し、インタビューではその答えと理由を詳しく尋ねました。また、てこの原理 ( てこの原理とは、物体を支点で支え、力点と作用点の距離との関係でバランスをとる原理のことです。重さと距離の関係により、物体がどのように動くかを理解するための基本的な物理の概念です。) を使用し、誤った考えを修正するための授業を開発し、その効果を検証しました。コンフリクトマップ ( コンフリクトマップとは、学習者が誤った概念を持っている場合、その誤解を修正するための教育手法の一つです。学習者に矛盾する事象を提示し、正しい概念へと変化させるプロセスを支援します。)
- 結論と意義:
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研究の結果、大学生が「
」に関して多くの誤解を持っていることが確認されました。特に、「重さ」と「距離」の関係を正しく理解するには、直感的な考え方を修正する必要があります。てこの原理 ( てこの原理とは、物体を支点で支え、力点と作用点の距離との関係でバランスをとる原理のことです。重さと距離の関係により、物体がどのように動くかを理解するための基本的な物理の概念です。) を用いた授業は、こうした誤解を効果的に修正する手段となり得ることが示されました。この結果は、今後の理科教育の改善に役立つ重要な示唆を提供しました。コンフリクトマップ ( コンフリクトマップとは、学習者が誤った概念を持っている場合、その誤解を修正するための教育手法の一つです。学習者に矛盾する事象を提示し、正しい概念へと変化させるプロセスを支援します。)
- 今後の展望:
-
本研究は大学生を対象に行われましたが、今後は小学生や中学生、高校生を対象とした研究を行い、それぞれの教育段階での誤った考えを明らかにすることが求められます。また、他の物理現象や科学概念に対する誤解にも適用可能な教育手法を開発することが期待されます。さらに、個々の学習者の理解度に応じた適切な指導を行うための方法を確立していくことが重要です。
- 何のために?:
-
物理の
について、学生たちが力学 ( 物体の運動や静止 に関 する物理学の一部門です。) 間違 った考えを持っています。本研究は、大学生の「 」のてこの原理 ( 棒 と支点 を使って、力を少なくして物を動かす方法 です。) 間違 いを調べます。そして、正しい教え方を考えます。
- 何が分かったの?:
-
大学生が「
」をてこの原理 ( 棒 と支点 を使って、力を少なくして物を動かす方法 です。) 間違 って理解 していました。特 に、「重さと距離 」の関係 が分からない学生が多かったです。また、「変形 すると別 の力が加 わる」と勘違 いしている学生もいました。これらの誤解 は、深く根付 いていることが分かりました。
- どうやったの?:
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大学生にアンケートとインタビューをしました。「
」のてこの原理 ( 棒 と支点 を使って、力を少なくして物を動かす方法 です。) 誤解 を調べました。アンケートでは、針金 を折 り曲 げたときの についてつり合い ( 物体が動かない状態 、または力が均衡 している状態 です。) 質問 しました。インタビューでは、その答えと理由を詳 しく聞きました。また、 を使って、コンフリクトマップ ( 間違 った考えを直すために使う図です。) 誤解 を直す授業 を作り、その効果 を調べました。
- 研究のまとめ:
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研究の
結果 、大学生が「 」を多くてこの原理 ( 棒 と支点 を使って、力を少なくして物を動かす方法 です。) 誤解 していると分かりました。「重さ」と「距離 」の関係 を正しく理解 するには、勘違 いを直す必要 があります。 を使ったコンフリクトマップ ( 間違 った考えを直すために使う図です。) 授業 は、誤解 を直すのに効果的 です。この研究は、理科の教え方を良 くするための大切な手がかりを提供 しました。
- これからどうする?:
-
この研究は大学生が
対象 でした。これからは、小学生や中学生、高校生に対しても研究します。それぞれの学年の間違 いを調べます。また、他の物理現象 や科学の間違 いにも使える教え方を考えます。さらに、一人ひとりの理解 に合った教え方も見つけていきます。
- 著者名:
- 土佐 幸子, 内田 悠人
- 掲載誌名:
- 新潟大学教育学部研究紀要 自然科学編
- 巻:
- 11
- 号:
- 1
- ページ:
- 1 - 15
- 発行日:
- 2018-10
- 著者による要約:
- In this study, misconceptions about leverage were revealed though the use of a questionnaire for the college students enrolled in the Science Methods class at a university (N=105). The questionnaire includes a question about the balance of a stiff piece of wire hang by string in the middle and bent on one side. Through the analysis of the survey responses, this study identified three types of misconceptions about leverage, namely, a) judgment by the appearance, b) forces other than gravity work, and c) the wire balances when the weight on both sides equal. Based on these findings, a lesson plan was developed using the idea of a conflict map by Tsai. The use of the conflict map helped the researchers to develop a lesson to help students change their misconceptions into correct understanding of the principles of leverage through a step-wise manner. A mock lesson about leverage was implemented to the group of college students who are prospective teachers of science in elementary and middle-school science (N=7). The analysis of the surveys administered before and after the lesson showed that student misconceptions about leverage were changed into correct understanding. Limitations and extensions of the study were further discussed.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/50677
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