論文詳細
医学部保健学科
医歯学系
#紀要論文
4年にわたり応急仮設住宅に居住する女性高齢者の思い : ポジティブ感情を抱くプロセスに焦点をあてて
- AI解説:
- 東日本大震災から4年以上が経過しても、福島県内の応急仮設住宅に多くの高齢者が避難生活を続けている。仮設住宅の長期化は高齢者の精神健康に悪影響を与え、うつ病や孤立をもたらすリスクが指摘されている。本研究の目的は、仮設住宅に住む高齢者がどのようにしてポジティブ感情を抱くようになったのか、そのプロセスを明らかにし、精神健康維持の支援策を提案することである。
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医学部保健学科
医歯学系
#紀要論文
4年にわたり応急仮設住宅に居住する女性高齢者の思い : ポジティブ感情を抱くプロセスに焦点をあてて
AI解説
- 背景と目的:
-
東日本大震災から4年以上が経過しても、福島県内の応急仮設住宅に多くの高齢者が避難生活を続けている。仮設住宅の長期化は高齢者の精神健康に悪影響を与え、うつ病や孤立をもたらすリスクが指摘されている。本研究の目的は、仮設住宅に住む高齢者がどのようにしてポジティブ感情を抱くようになったのか、そのプロセスを明らかにし、精神健康維持の支援策を提案することである。
- 主要な発見:
-
本研究は、仮設住宅に居住する高齢者がポジティブ感情を抱くまでのプロセスを明らかにした。具体的には、対象者は多くの避難場所を転々とした憤りを感じた後、仮設住宅での安定した生活によって心の余裕を得た。その余裕が外向的な気持ちや肯定的な意味づけを促し、人との絆を再認識し、積極的な社会参加を目指す目標を持つようになった。結果として、コミュニティとの交流を通じて穏やかな気持ちに変化したことが確認された。
- 方法論:
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本研究では構造構成的質的研究法(SCQRM)を用い、福島第一原子力発電所の事故によって仮設住宅に住む高齢者2名を対象に、半構造化面接を実施した。データ収集期間は平成27年8月から9月で、逐語録を作成し修正版グラウンデッド・セオリーアプローチを用いて分析を行った。倫理的には新潟大学医学部倫理審査委員会の承認のもと、十分な配慮を行った。
- 結論と意義:
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本研究は、高齢者が避難生活の中でポジティブ感情を抱くプロセスを明らかにし、生活環境の安定と現在の状況を肯定的に意味づけることの重要性を示した。具体的には、安定した生活環境が精神健康の維持に寄与し、肯定的な価値観や人とのつながりがポジティブな感情を促進することが分かった。これにより、支援者は被災者の生活環境の早期安定化、肯定的な意味づけの支援、人とのつながりの促進を重視すべきである。
- 今後の展望:
-
今後の課題として、居住環境やコミュニティによるポジティブ感情の抱き方に違いがあるかを検討するため、より多様な居住環境にある高齢者の語りを収集する必要がある。また、高齢者が自らの経験を語り、自己を見つめ直す機会を提供することが精神健康の維持に役立つため、そのような支援プログラムの開発と実施が求められる。
- 背景と目的:
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東日本大震災から4年以上が経っても、福島県では多くの高齢者が
で暮らしています。このような生活は高齢者の精神的な健康に悪影響を与えることがあり、うつ病や孤立の原因となることが指摘されています。本研究の目的は、仮設住宅に住む高齢者がどのようにしてポジティブな気持ちを持つようになったのか、その過程を明らかにし、精神健康を維持するための支援策を提案することです。仮設住宅 ( 災害などで家を失った人が一時的に住むための住宅です。)
- 主要な発見:
-
この研究では、
に住む高齢者がどのようにしてポジティブな感情を持つようになったのかを明らかにしました。具体的には、避難生活での不安定な状況に苛立った後、仮設住宅での安定した生活によって心に余裕が生まれました。その結果、外向的な気持ちや肯定的な意味づけが促進され、人との絆を再認識し、積極的に社会に参加しようとする目標を持つようになりました。最終的に、コミュニティとの交流を通じて穏やかな気持ちに変わっていったことが確認されました。仮設住宅 ( 災害などで家を失った人が一時的に住むための住宅です。)
- 方法論:
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この研究では、
を用いて、福島第一原子力発電所の事故により構造構成的質的研究法(SCQRM) ( 少数の事例から得られたデータを元に、概念を一般化するための研究方法です。) に住む高齢者2名を対象に、半構造化面接を行いました。データ収集期間は平成27年8月から9月で、面接の内容を逐語録にして、仮設住宅 ( 災害などで家を失った人が一時的に住むための住宅です。) で分析しました。倫理的には新潟大学医学部倫理審査委員会の承認を得て実施しました。修正版グラウンデッド・セオリーアプローチ ( データを分析して理論を構築するための手法の一つです。)
- 結論と意義:
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この研究は、
に住む高齢者がポジティブな感情を持つ過程を明らかにし、安定した生活環境や肯定的な意味づけが精神健康の維持に重要であることを示しました。具体的には、安定した生活環境が精神健康に良い影響を与え、肯定的な価値観や人とのつながりがポジティブな感情を促進することが分かりました。これにより、支援者は被災者の生活環境を早く安定させ、肯定的な意味づけや人とのつながりを重視すべきであると考えられます。仮設住宅 ( 災害などで家を失った人が一時的に住むための住宅です。)
- 今後の展望:
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今後の課題として、異なる居住環境やコミュニティによるポジティブな感情の違いを調査するために、より多様な高齢者の話を聞くことが必要です。また、高齢者が自分の経験を語り、自己を見つめ直す機会を提供する支援プログラムの開発と実施が求められます。
- 何のために?:
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東日本 大震 災 から4年以上 がたちました。福島県では、たくさんのおじいさんやおばあさんが で生活しています。そんな生活は、心の元気をなくすことがあります。うつ病になったり、一人ぼっちになったりします。この研究では、おじいさんやおばあさんが、どうやって元気になったかを調べます。そして、どうしたら心の元気を仮設 住宅 ( 災害 などで家を失 った人が一時的 に住む家のことです。) 保 てるかを考えます。
- 何が分かったの?:
-
この研究で、おじいさんやおばあさんが元気になる
方法 を見つけました。最初 は、不安 な気持ちがありました。でも、 で少しずつ安心してきました。そうすると、外に出たい気持ちが出てきて、人と仮設 住宅 ( 災害 などで家を失 った人が一時的 に住む家のことです。) 仲良 くするようになりました。そして、 での活動を通して、心がコミュニティ ( 住んでいる地域 の人たちが仲良 くつながることです。) 穏 やかになりました。
- どうやったの?:
-
この研究では、福島第一原子力発電所の
事故 で に住むおじいさんとおばあさん2人に話を聞きました。話を聞いたのは平成27年8月から9月です。話を全部書き起こして、仮設 住宅 ( 災害 などで家を失 った人が一時的 に住む家のことです。) 特別 な方法 で分析 しました。研究をする前に、新潟大学医学部の のOKをもらいました。倫理 審査 委員会( 研究が正しく行われているか確認 するグループです。)
- 研究のまとめ:
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この研究でわかったことは、安定した生活とポジティブな考え方が心の
健康 に良 いということです。おじいさんやおばあさんが安心して暮 らすことが大事です。そして、いい考え方や人とのつながりが心の元気を保 つのに役立ちます。支援 者 は、被災者 の生活を早く安定させ、人とのつながりを大切にすべきです。
- これからどうする?:
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今後は、いろんな場所に住むおじいさんやおばあさんの話をもっと聞くことが
必要 です。また、自分の経験 を話す機会 を作ることも大事です。そんなプログラムを作って実施 することが求 められます。
- 著者名:
- 阿部 有美香, 岩佐 有華, 青木 萩子
- 掲載誌名:
- 新潟大学保健学雑誌
- 巻:
- 16
- 号:
- 1
- ページ:
- 45 - 52
- 発行日:
- 2019-05
- 著者による要約:
- 東日本大震災に伴う原子力発電所の事故発生から4年以上経過した今も多くの人が応急仮設住宅での避難生活を余儀なくされている。高齢者が長期の避難生活の中にあってもポジティブ感情を抱くことができるようになったプロセスを明らかにすることを目的に,応急仮設住宅に居住する高齢者2名の語りを分析した。【生活の場所が安定しないことによる憤り】を感じていた対象者は,応急仮設住宅に居住したことで<安寧からうまれた心の余裕>を得た。そのことにより<外向的な気持ちへの変化>がみられたとともに,過去の辛い経験と現状を比較し<今が恵まれているという肯定的な意味づけ>を行っていた。その結果,人と積極的に関わろうといった<一歩前進するための目標>をもち,人との関わりの中で<再認識した人との絆>を感じ,<人とのつながりを大切にする努力>を行った。このことにより,対象者の気持ちは<人との交流を通して穏やかな気持ちへと変化>した。
Even more than 4 years after the nuclear disaster that followed the Great East Japan Earthquake, many people still have no choice but to live the life of an evacuee in emergency temporary housing. With the aim of clarifying processes that enable older people to embrace positive emotions even in a long-term evacuee living situation, we analyzed the stories of 2 older people living in such emergency temporary accommodation. Subjects who had felt anger due to the instability of the place where they lived achieved the emotional ability to handle their life in emergency temporary housing in tranquility. Due to this, in addition to feeling a change to extroverted feelings, the subjects compared difficult experiences in the past to their current situations and gave affirmative significance to the fact that they were currently blessed. As a result, the subjects had the goal of taking steps forward such as actively interacting with people, they felt bonds with people they had re-acknowledged and made an effort to value connections with people.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/51174
