論文詳細
医学部保健学科
医歯学系
#学術雑誌論文
半円形モデルのテンプレートマッチングによるヘリカルCT画像における胸壁周辺の腫瘤陰影の自動検出法
- AI解説:
- 肺がんの罹患率が増加し、胸部X線写真による検査の需要が高まる中で、医師の診断を支援するコンピュータ支援診断(CAD)システムの開発が望まれています。特に、胸部ヘリカルX線CT画像における腫瘤陰影の自動検出法は重要な課題となっており、既にいくつかの手法が提案されています。しかし、胸壁に接する半円形の腫瘤陰影を自動的に検出する方法はまだ確立されていません。本論文は、このような胸壁に接し半円形に写る腫瘤陰影の自動検出法を新たに提案することを目的としています。
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医学部保健学科
医歯学系
#学術雑誌論文
半円形モデルのテンプレートマッチングによるヘリカルCT画像における胸壁周辺の腫瘤陰影の自動検出法
AI解説
- 背景と目的:
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肺がんの罹患率が増加し、胸部X線写真による検査の需要が高まる中で、医師の診断を支援するコンピュータ支援診断(CAD)システムの開発が望まれています。特に、胸部ヘリカルX線CT画像における腫瘤陰影の自動検出法は重要な課題となっており、既にいくつかの手法が提案されています。しかし、胸壁に接する半円形の腫瘤陰影を自動的に検出する方法はまだ確立されていません。本論文は、このような胸壁に接し半円形に写る腫瘤陰影の自動検出法を新たに提案することを目的としています。
- 主要な発見:
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本研究では、提案した半円形腫瘤モデルを用いたテンプレートマッチング法により、胸壁に接する腫瘤陰影の検出が従来の方法よりも効果的であることが示されました。具体的には、20症例の胸部ヘリカルCT画像において、従来法では検出できなかった24個のうち17個の腫瘤陰影を新たに検出することができました。また、偽陽性候補の削除法により、1スライス当りの偽陽性候補を大幅に削減できた点も注目されます。
- 方法論:
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利用した画像は、20症例の胸部ヘリカルCT画像であり、99個の腫瘤陰影が確認されています。そのうち、24個が胸壁に接した腫瘤陰影です。研究の手法として、まず胸壁の輪郭を抽出し、その輪郭に沿って探索領域を決定しました。次に、半円形の腫瘤モデルを使ったテンプレートマッチングを行い、検出された候補領域を特徴量解析により評価し、偽陽性候補を削除しました。特徴量としては、エントロピー、逆差分モーメント、面積、コントラストが使用されました。
- 結論と意義:
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本研究では、従来の検出法では対応できなかった胸壁に接する半円形の腫瘤陰影の新しい検出手法を提案し、その有効性を示しました。具体的には、20症例の胸部ヘリカルCT画像に対して適用した結果、従来法では検出できなかった24個のうち17個を検出することができました。これにより、胸部X線CT画像における腫瘤陰影の検出精度の向上に寄与することが確認されました。また、偽陽性候補の削除方法についても改善が見られました。
- 今後の展望:
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今後の課題として、更なる症例の収集とともに、現在は経験的に設定されている各種設定値の自動化を行う予定です。また、提案手法の精度向上のために画像データベースの拡充や、異なる画像条件下での手法の適用性の検証が必要です。長期的には、臨床での実用化を目指し、医療現場での検証とフィードバックを通じて手法の改良を重ねることが重要です。さらに、他の種類の腫瘤陰影や異なる疾患の検出にも応用可能な汎用性のあるシステムの開発を目指します。
- 背景と目的:
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肺がんの患者が増えており、胸部X線写真を使った検査の需要が高まっています。このため、医師の診断を助ける
の開発が求められています。特に、コンピュータ支援診断(CAD)システム ( 医師の診断を助けるためにコンピュータを使って画像を解析し、異常を発見するシステムです。) を使った腫瘤(しこり)陰影の自動検出法が重要です。しかし、胸壁に接している半円形の腫瘤陰影を自動で見つける方法はまだ確立されていません。そこで、この研究では、そのような腫瘤陰影を自動的に検出する新しい方法を提案することを目的としています。胸部ヘリカルCT画像 ( 胸部をらせん状に撮影するCTスキャンの画像です。詳細な内部の構造を見るのに使われます。)
- 主要な発見:
-
この研究では、提案した半円形腫瘤モデルを使った
という方法が、従来の方法よりも効果的であることがわかりました。具体的には、20例のテンプレートマッチング ( 特定の形やパターンを画像の中から見つける方法です。今回は半円形の腫瘤を探すのに使いました。) で、従来の方法では見つけられなかった24個の腫瘤のうち、17個を新たに検出することができました。また、偽陽性(実際にはないのにあると判断される)を減らす方法も効果的で、偽陽性の数を大幅に減らすことができました。胸部ヘリカルCT画像 ( 胸部をらせん状に撮影するCTスキャンの画像です。詳細な内部の構造を見るのに使われます。)
- 方法論:
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この研究で使用したのは、20例の
で、99個の腫瘤陰影が確認されました。そのうち24個が胸壁に接している腫瘤陰影です。まず、胸壁の輪郭を抽出し、そこに沿って探索領域を決めました。次に、半円形の腫瘤モデルを使って胸部ヘリカルCT画像 ( 胸部をらせん状に撮影するCTスキャンの画像です。詳細な内部の構造を見るのに使われます。) を行い、その候補領域を特徴量(テンプレートマッチング ( 特定の形やパターンを画像の中から見つける方法です。今回は半円形の腫瘤を探すのに使いました。) 、エントロピー ( 画像の複雑さや情報量を表す指標です。値が高いほど、画像が複雑であることを示します。) 、面積、コントラスト)で評価し、偽陽性を削除しました。逆差分モーメント ( 画像の平坦さや均一性を測る指標です。値が高いほど、画像が平坦で均一であることを示します。)
- 結論と意義:
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この研究では、従来の方法では見つけにくかった胸壁に接している半円形の腫瘤陰影を自動的に見つける新しい方法を提案し、その有効性を示しました。20例の
で、従来の方法では見つけられなかった24個の腫瘤陰影のうち17個を見つけることができました。これにより、胸部X線CT画像での腫瘤陰影の検出精度が向上することが確認されました。また、偽陽性を減らす方法も効果的でした。胸部ヘリカルCT画像 ( 胸部をらせん状に撮影するCTスキャンの画像です。詳細な内部の構造を見るのに使われます。)
- 今後の展望:
-
今後は、さらに多くの症例を集めるとともに、現在は経験的に設定している各種設定値の自動化を行う予定です。また、提案手法の精度向上のために画像データベースを拡充し、異なる画像条件下での手法の適用性を検証することが必要です。長期的には、臨床での実用化を目指し、医療現場での検証とフィードバックを通じて手法の改良を進めることが重要です。また、他の種類の腫瘤陰影や異なる疾患の検出にも応用できる汎用性のあるシステムの開発を目指します。
- 何のために?:
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肺 がんの人が増 えています。そこで、胸 のX線写真でがんを見つけることが大事です。お医者さんを助けるコンピュータのシステムが必要 です。特 に、胸 の でCT 画像 ( CT(Computed Tomography)画像 とは、体の内部を詳細 に観察 するためのX線を使って作られた画像 です。CTスキャンによって得 られる断層 画像 は、医師 が体の内部の異常 を詳 しく調べるのに役立ちます。例 えば、肺 がんの診断 にも使われます。) を見つけるしこり ( しこりとは、体の中または表面に形成 される硬 い塊 のことです。医学的 には腫瘍 や腫 れなどを指すことがあり、がんの兆候 の一つとして注意が必要 です。CT画像 などで発見されることがあります。) 方法 が大切です。でも、今は壁 にくっついたしこりを見つけるのが難 しいです。この研究では、そのようなしこりを で見つける自動 ( 自動とは、人間の手を使わずに機械 やシステムが自分で動作することを指します。例 えば、この研究ではコンピュータシステムが自動でしこりを見つける方法 を提案 しています。) 方法 を提案 します。
- 何が分かったの?:
-
この研究では、新しい
方法 が前の方法 よりも良 いことが分かりました。20枚 の で、前のCT 画像 ( CT(Computed Tomography)画像 とは、体の内部を詳細 に観察 するためのX線を使って作られた画像 です。CTスキャンによって得 られる断層 画像 は、医師 が体の内部の異常 を詳 しく調べるのに役立ちます。例 えば、肺 がんの診断 にも使われます。) 方法 では見つからなかった24個 の のうち、17しこり ( しこりとは、体の中または表面に形成 される硬 い塊 のことです。医学的 には腫瘍 や腫 れなどを指すことがあり、がんの兆候 の一つとして注意が必要 です。CT画像 などで発見されることがあります。) 個 を見つけました。また、間違 ってしこりと判断 する数も減 らせました。
- どうやったの?:
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この研究では、20
枚 の を使いました。その中で99CT 画像 ( CT(Computed Tomography)画像 とは、体の内部を詳細 に観察 するためのX線を使って作られた画像 です。CTスキャンによって得 られる断層 画像 は、医師 が体の内部の異常 を詳 しく調べるのに役立ちます。例 えば、肺 がんの診断 にも使われます。) 個 の がありました。24しこり ( しこりとは、体の中または表面に形成 される硬 い塊 のことです。医学的 には腫瘍 や腫 れなどを指すことがあり、がんの兆候 の一つとして注意が必要 です。CT画像 などで発見されることがあります。) 個 が壁 にくっついていました。まず、壁 の形を見つけました。それに沿 って調べる場所を決めました。次に、半円の形を使ってしこりを探 しました。そして、間違 いを減 らしました。
- 研究のまとめ:
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この研究では、
壁 にくっついた をしこり ( しこりとは、体の中または表面に形成 される硬 い塊 のことです。医学的 には腫瘍 や腫 れなどを指すことがあり、がんの兆候 の一つとして注意が必要 です。CT画像 などで発見されることがあります。) で見つける新しい自動 ( 自動とは、人間の手を使わずに機械 やシステムが自分で動作することを指します。例 えば、この研究ではコンピュータシステムが自動でしこりを見つける方法 を提案 しています。) 方法 を提案 しました。20枚 の で、前のCT 画像 ( CT(Computed Tomography)画像 とは、体の内部を詳細 に観察 するためのX線を使って作られた画像 です。CTスキャンによって得 られる断層 画像 は、医師 が体の内部の異常 を詳 しく調べるのに役立ちます。例 えば、肺 がんの診断 にも使われます。) 方法 では見つからなかった24個 のしこりのうち17個 を見つけました。これにより、しこりを見つける が上がりました。また、精度 ( 精度 とは、測定 や検出 がどれだけ正確 かを示 す指標 です。高精度 であるほど、誤 りが少なく正確 な結果 が得 られます。この研究では、しこりを見つける精度 が上がったことが報告 されています。) 間違 いも減 らせました。
- これからどうする?:
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これからは、もっとたくさんの
画像 を集めます。そして、設定 を にします。また、もっと自動 ( 自動とは、人間の手を使わずに機械 やシステムが自分で動作することを指します。例 えば、この研究ではコンピュータシステムが自動でしこりを見つける方法 を提案 しています。) 良 い方法 を考えて試 します。将来 は、病院で使えるようにします。他の種類 の や病気も見つけられるシステムを作ります。しこり ( しこりとは、体の中または表面に形成 される硬 い塊 のことです。医学的 には腫瘍 や腫 れなどを指すことがあり、がんの兆候 の一つとして注意が必要 です。CT画像 などで発見されることがあります。)
- 著者名:
- 李 鎔範, 児島 敦司, 原 武史, 藤田 広志, 伊藤 茂樹, 石垣 武男
- 掲載誌名:
- 電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理
- 巻:
- J83-D-II
- 号:
- 1
- ページ:
- 419 - 422
- 発行日:
- 2000-01
- 著者による要約:
- これまで自動検出の対象とされることがなかった胸壁上の腫瘤陰影の自動検出法を報告する.ここではその方法として半円形の腫瘤モデルを用いた胸壁に沿ったテンプレートマッチング法を新たに提案する.本手法を20症例(557枚)の胸部ヘリカルCT画像に適用した結果,24個の胸壁に接する腫瘤陰影のうち17個を検出することができた.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/8166
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