論文詳細
工学部
自然科学系
#学術雑誌論文
石炭ブリケットによる自動脱硫と環境汚染の制御効果
- AI解説:
- 近年、中国を中心としたアジア諸国での経済発展が進む一方、大気汚染や水質汚濁などの環境問題が深刻化しています。特に中国では石炭消費が多く、酸性雨の原因となる硫黄酸化物の排出が問題視されています。従来の湿式石灰石膏脱硫装置は高コストかつ大量の水を必要とするため、中国での導入は困難です。したがって、中国の技術的、経済的、および社会的実状に適合した新たな脱硫法が必要です。本研究では、石炭プリケットに脱硫剤を添加し、高効率な脱硫を目的とした基礎的な実験を行いました。
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工学部
自然科学系
#学術雑誌論文
石炭ブリケットによる自動脱硫と環境汚染の制御効果
AI解説
- 背景と目的:
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近年、中国を中心としたアジア諸国での経済発展が進む一方、大気汚染や水質汚濁などの環境問題が深刻化しています。特に中国では石炭消費が多く、酸性雨の原因となる硫黄酸化物の排出が問題視されています。従来の湿式石灰石膏脱硫装置は高コストかつ大量の水を必要とするため、中国での導入は困難です。したがって、中国の技術的、経済的、および社会的実状に適合した新たな脱硫法が必要です。本研究では、石炭プリケットに脱硫剤を添加し、高効率な脱硫を目的とした基礎的な実験を行いました。
- 主要な発見:
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本研究では、石炭プリケットに石灰石や消石灰を添加した場合の脱硫率を調査しました。石灰石を用いた場合、最高で70%の脱硫率が得られ、消石灰を用いた場合にはさらに高い80%の脱硫率が達成できました。また、石炭中の無機硫黄分であるPyriteは分解し、鉄分はHematiteとなり、硫黄分はGypsum Anhydrideとして捕捉されました。これにより、プリケットを用いた脱硫法が従来の半乾式簡易脱硫法や流動層炉内脱硫法よりもコスト効率が高いことが示されました。
- 方法論:
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本研究では、三池炭や重慶市郊外で産出される南桐炭、芙蓉炭、中染山炭の四種類の石炭を使用し、石炭プリケットを成形して脱硫剤を添加しました。実験は揮発分燃焼後に炉温を1000℃に設定し、固定炭素分を燃焼させるという手順で行われました。排気ガス中のSO2濃度をSO2メーターで測定し、脱硫率を算出しました。また、燃焼灰を塩酸で溶かし、ICP分析によってCaとS分を測定しました。成型圧力と酸素濃度の変化による脱硫率への影響も検討されました。
- 結論と意義:
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本研究により、石炭プリケットに脱硫剤を添加することで高効率な脱硫が可能であることが明らかになりました。また、プリケットを用いることで燃焼効率も向上し、ボイラーの改造や更新が不要であるため、コスト面でも非常に有利です。特に、中国の中小工場や民生分野において、この方法が有効であることが示されました。プリケット燃焼法による脱硫は、住民の健康に対する悪影響を軽減し、環境保護にも寄与する重要な技術と考えられます。
- 今後の展望:
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将来的には、石炭プリケット燃焼法のさらなる改良と実用化が期待されます。具体的には、プリケットの製造コストをさらに削減する技術開発や、より高効率な脱硫剤の研究が必要です。また、この技術を中国以外の国々にも展開し、地球規模での環境負荷軽減に貢献することが求められます。さらに、脱硫によって改善された環境が地域住民の健康や植生に与える長期的な影響についても継続的に研究する必要があります。
- 背景と目的:
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最近、中国を中心としたアジアの国々で経済が急速に発展していますが、それに伴い大気汚染や水質汚染といった環境問題が深刻化しています。特に中国では、石炭の使用が多く、酸性雨の原因となる
の排出が問題になっています。従来の硫黄酸化物 ( 石炭や石油を燃やしたときに出るガスで、酸性雨の原因となります。) はコストが高く、大量の水が必要であるため、中国での使用は難しいです。そこで、中国の現状に合った新しい脱硫方法が求められています。この研究では、石炭に脱硫剤を加えて、効率的に硫黄を取り除くための基礎的な実験を行いました。湿式石灰石膏脱硫装置 ( 硫黄酸化物を取り除くための装置で、水を使って洗い流す方法です。)
- 主要な発見:
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この研究では、石炭に石灰石や消石灰を加えた場合の硫黄除去率を調べました。石灰石を使うと最大で70%、消石灰を使うと最大で80%の硫黄除去率が得られました。また、石炭に含まれる無機硫黄分である「
」は分解され、鉄分は「パイライト ( 石炭に含まれる硫黄と鉄の化合物です。) 」に、硫黄分は「ヘマタイト ( 鉄の酸化物で、赤鉄鉱とも呼ばれる鉱物です。) 」に変わりました。この結果、ギプサム ( 硫酸カルシウムの鉱物で、石膏とも言います。) (成形した燃料)を使った脱硫方法が、従来の方法よりもコスト効率が高いことがわかりました。プリケット ( 粉状の石炭や他の素材を押し固めた成形燃料です。)
- 方法論:
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この研究では、4種類の石炭を使用し、
を作成して脱硫剤を加えました。実験は揮発分(燃えやすい成分)を燃焼後、炉温を1000℃に設定して固定炭素分(残りの成分)を燃焼させました。排気ガス中のSO2濃度を測定し、硫黄除去率を計算しました。また、燃焼灰を溶かしてカルシウムと硫黄分を測定しました。さらに、成型圧力と酸素濃度の変化が硫黄除去率に与える影響も調べました。プリケット ( 粉状の石炭や他の素材を押し固めた成形燃料です。)
- 結論と意義:
-
この研究により、石炭
に脱硫剤を加えることで効率的に硫黄を取り除けることが確認されました。また、プリケットを使用することで燃焼効率も向上し、ボイラーの改造や更新が不要であるため、コスト面でも非常に有利です。特に、中国の中小工場や家庭でこの方法が効果的であることが示されました。プリケット燃焼法による脱硫は、住民の健康に対する悪影響を軽減し、環境保護にも貢献する重要な技術と考えられます。プリケット ( 粉状の石炭や他の素材を押し固めた成形燃料です。)
- 今後の展望:
-
将来的には、石炭
燃焼法のさらなる改良と実用化が期待されます。具体的には、プリケットの製造コストをさらに削減する技術や、より高効率な脱硫剤の研究が必要です。また、この技術を中国以外の国々にも広めて、地球全体での環境負荷軽減に貢献することが求められます。さらに、脱硫によって改善された環境が地域住民の健康や植物に与える長期的な影響についても研究する必要があります。プリケット ( 粉状の石炭や他の素材を押し固めた成形燃料です。)
- 何のために?:
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中国などのアジアの国々では、
経済 がどんどん良 くなっています。しかし、空気や水が汚 れてしまう問題も増 えています。特 に中国では、石炭をたくさん使うので、酸性雨 のもとになる悪い物質 が空気に出ます。今までの方法 だと、高くて水もいっぱい必要 なので使えません。そこで、新しい方法 が必要 です。この研究では、石炭に特別 な薬を混 ぜて、悪い物質 を減 らす実験 をしました。
- 何が分かったの?:
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石炭に
や石灰 石 ( 石炭に混 ぜることで悪い物質 を減 らすために使われる物質 です。) を消 石灰 ( 水酸化 カルシウムとも呼 ばれ、石炭に混 ぜることで悪い物質 を減 らすために使われる物質 です。) 混 ぜると、悪い物質 を70%から80%減 らせることがわかりました。また、石炭にあるパイライトという物質 が変 わって、鉄やギプサムという物質 になりました。この方法 は、お金がかからず、いい方法 だとわかりました。
- どうやったの?:
-
4
種類 の石炭を使って、特別 な燃料 を作りました。実験 では、燃 えやすい成分 を燃 やしてから、 の温度を1000℃にして炉 ( 石炭を燃 やすための特別 な機械 です。) 残 りの成分 を燃 やしました。排気ガス の中の をSO2 ( 二 酸化 硫黄 という気体で、燃焼 によって出る悪い物質 の一つです。) 測 って、悪い物質 がどれだけ減 ったか調べました。また、燃 えた後の灰 を調べて、カルシウムと硫黄 を測 りました。さらに、燃料 を作る時の や圧力 ( 燃料 を作る時に影響 する力のことです。) の酸素 ( 石炭を燃 やすときに必要 な気体です。) 量 が、どれだけ影響 するかも調べました。
- 研究のまとめ:
-
この研究で、
特別 な燃料 にして薬を混 ぜると、悪い物質 を減 らせることがわかりました。この方法 は、工場や家でも使いやすく、お金もあまりかかりません。住んでいる人たちの健康 を守り、環境 も良 くなります。
- これからどうする?:
-
これからは、もっと
良 い方法 を考えて、安く作れるようにしたいです。また、中国以外 の国にも広めて、世界中で環境 を良 くしたいです。この技術 が住んでいる人や植物にどんな影響 を与 えるかも、長い間調べる必要 があります。
- 著者名:
- 金 煕濬, 橋本 賢, 松井 幸次郎, 小名 清一, 定方 正毅
- 掲載誌名:
- 日本エネルギー学会誌
- 巻:
- 76
- 号:
- 3
- ページ:
- 205 - 213
- 発行日:
- 1997-03
- 著者による要約:
- Chongqing city, which is located in the southwest of China, suffers from acid rain damage caused by SO2 in coal combustion gas. Particularly, stoker type boilers in medium and small factories have no emission control facility in spite of using coal with high sulfur content (3-5%), so that a suitable countermeasure is required in angles of the cost, technological level and social conditions. We proposed a coal briquette combustion with the additive of limestone or slaked lime as one of the countermeasure. The possibility of coal briquette combustion methods was examined experimentally and compared with other methods from points of view of the cost and energy saving effect. The desulfurization rate of 70% was obtained in the briquette combustion method with the additive of limestone and 80% for slaked lime. Most of sulfur in the coal (both organic and pyritic) was trapped as gypsum anhydride (CaSO4). The desulfurization rate slightly depended on initial oxygen concentration in the supplied gas and size of limestone, while it was not influenced by briquetting pressure. The desulfurization cost of coal briquette was calculated as 20-30% of semi-dry or fluidized bed process. The briquette combustion method was expected to be effective in improving the human health and forest conservation in Chongqing city.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/30426
