論文詳細
自然科学系
理学部
#紀要論文
Middle Jurassic radiolarians from chert clasts within conglomerates of the Itsuki Formation of the Itoshiro Subgroup (Tetori Group) in the Taniyamadani Valley, Fukui Prefecture, central Japan
- AI解説:
- 日本の北陸地方に分布する手取層群(Tetori Group)には、放散虫(radiolarian)を含む珪質岩(siliceous rock)の礫を含む礫岩がある。これらの礫は、東アジアに広く露出する中生代中期の付加体(accretionary complexes: ACs)に由来する砕屑物(detritus)と解釈されている。ACsは長期にわたり段階的な付加(accretion)によって形成されるため、その隆起(uplift)と剥離・侵食(denudation)も、単一の出来事ではなく複数段階で進行したと考えられる。先行研究では、礫に含まれる微化石(microfossils)を用いて、AC由来物質がいつ侵食され手取堆積盆(Tetori basin)に供給され始めたかを推定してきたが、その時期は議論が続いている。これは、層序の改訂(例:関連層を制約するBerriasianのアンモナイト)や、礫中微化石を用いた供給源(provenance)の時間変化に十分注意が払われてこなかったことが一因である。本研究は、福井県の谷山谷(Taniyamadani Valley)における五木層(Itsuki Formation;石徹白亜層群 Itoshiro Subgroup)の礫岩層中の珪質礫(特にチャート chert)を対象とする。主目的は、これらの礫に保存された微化石を記載し年代決定すること、特に、手取層群中に中期ジュラ紀(Middle Jurassic)のチャート礫が存在するかどうか、またそれが供給源地域における、より新しい(中期ジュラ紀最末期 latest Middle Jurassic 以降)ACユニットの露出と剥離・侵食に何を示唆するかを評価することである。
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自然科学系
理学部
#紀要論文
Middle Jurassic radiolarians from chert clasts within conglomerates of the Itsuki Formation of the Itoshiro Subgroup (Tetori Group) in the Taniyamadani Valley, Fukui Prefecture, central Japan
AI解説
- 背景と目的:
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日本の北陸地方に分布する手取層群(Tetori Group)には、放散虫(radiolarian)を含む珪質岩(siliceous rock)の礫を含む礫岩がある。これらの礫は、東アジアに広く露出する中生代中期の付加体(accretionary complexes: ACs)に由来する砕屑物(detritus)と解釈されている。ACsは長期にわたり段階的な付加(accretion)によって形成されるため、その隆起(uplift)と剥離・侵食(denudation)も、単一の出来事ではなく複数段階で進行したと考えられる。先行研究では、礫に含まれる微化石(microfossils)を用いて、AC由来物質がいつ侵食され手取堆積盆(Tetori basin)に供給され始めたかを推定してきたが、その時期は議論が続いている。これは、層序の改訂(例:関連層を制約するBerriasianのアンモナイト)や、礫中微化石を用いた供給源(provenance)の時間変化に十分注意が払われてこなかったことが一因である。本研究は、福井県の谷山谷(Taniyamadani Valley)における五木層(Itsuki Formation;石徹白亜層群 Itoshiro Subgroup)の礫岩層中の珪質礫(特にチャート chert)を対象とする。主目的は、これらの礫に保存された微化石を記載し年代決定すること、特に、手取層群中に中期ジュラ紀(Middle Jurassic)のチャート礫が存在するかどうか、またそれが供給源地域における、より新しい(中期ジュラ紀最末期 latest Middle Jurassic 以降)ACユニットの露出と剥離・侵食に何を示唆するかを評価することである。
- 主要な発見:
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エッチング処理した礫表面の微化石は、岩相(lithology)によって明瞭に異なった。珪質泥岩(siliceous mudstone)礫には、保存の悪い球状の放散虫や棘(spines)が散在するものの、年代指標となる化石は得られなかった。一方、チャート礫は生物砕屑物支持(bioclast-supported)で、棘・球状殻・ナッセラリアン(nassellarians)など放散虫成分に富み、群集(assemblage)は礫ごとに異なった。6個のチャート礫からは、年代解釈に適した比較的保存の良い化石が得られた。
チャートの小礫(pebble)1点(IT13050301-6)には Triassocampe sp. と Pseudostylosphaera? sp. が含まれ、中期三畳紀(Middle Triassic)の可能性が高いことを示す。チャートの細礫(granule)1点(IT13050301-2)からは、Pseudostylosphaera? の棘とともに Neogondolella sp. が得られ、三畳紀(Triassic)の可能性が示唆された。チャート細礫2点(IT13050304-3;IT13050305-1)には、ジュラ紀に典型的な放散虫属(例:Pantanellium、Parvicingula?、Parahsuum)が含まれた。
重要なのは、中期ジュラ紀を制約する礫が2点得られたことである。IT13050311-2 には Unuma sp. cf. U. typicus と他の分類群が含まれ、Striatojaponocapsa plicarum Zone(JR4:Bajocian–lower Bathonian)に対比された。IT13050313-2 からは Eucyrtidiellum disparile と Stichocapsa japonica が得られ、Laxtorum(?) jurassicum Zone(JR3:Aalenian)に割り当てられた。著者らは、手取層群の「チャート礫」から中期ジュラ紀放散虫が得られたことを文献上初の記録として強調している。これは、母材が礫なのか基質(matrix)なのか不明確であった先行報告、あるいは中期ジュラ紀化石がチャートではなく珪質泥岩礫から得られていた報告とは区別される。
- 方法論:
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試料採取は、谷山谷ルート沿いの五木層下部にある厚い(約7 m)礫岩ユニットの下部に位置する礫岩層準に焦点を当てた。著者らは、個々の礫の中で化石が産する岩相的文脈を保持することを目的として、エッチング表面(etched-surface)観察法で微化石観察用試料を作製した。採取した礫岩試料を数cm大のチップに切断し、約100枚のチップをルーペでスクリーニングして珪質岩および泥質岩の礫を探索したところ、37枚のチップで礫が同定された。これらのチップを、室温で約1日、約5%フッ化水素酸(hydrofluoric acid: HF)に浸漬してエッチングし、その後、真水に浸して洗浄し、水を切って風乾した。エッチング面を実体顕微鏡(stereoscopic microscope)で観察した結果、15枚のチップで微化石が確認された。より高解像度の記録のため、選択したエッチング面に金蒸着を施し、走査型電子顕微鏡(scanning electron microscopy: SEM)で撮像した。分類学的同定にもとづき、既存の放散虫生層序帯(radiolarian biostratigraphic zones)—特にMatsuoka(1995)のJR3およびJR4帯—と比較して年代を割り当てた。Unuma typicus など主要分類群については、識別基準と帯レベルでの分布も用いた。
- 結論と意義:
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本研究は、五木層の礫岩が、放散虫によって中期ジュラ紀(Middle Jurassic)—具体的には Aalenian(JR3)および Bajocian–lower Bathonian(JR4)—に年代決定されるチャート礫を含むことを示した。五木層下部の最若い砕屑性ジルコン(detrital zircon)の一致年代(concordant age)が 127.2 ± 2.5 Ma(Barremian)であることから、これら中期ジュラ紀のチャート礫は、より古い供給源物質が侵食され、前期白亜紀(Early Cretaceous)の手取堆積盆に運搬・供給されたものである。礫が中生代中期の付加体に由来すると解釈したうえで、著者らは、中期ジュラ紀チャートの存在は、五木層が堆積した時点までに、供給源地域で中期ジュラ紀最末期以降(latest Middle Jurassic or younger)のAC体がすでに露出し、剥離・侵食されていたことを示唆すると論じる。
さらに著者らは、既知のACの構造(architecture)と結び付けて解釈する。チャート—砕屑岩シーケンス(chert–clastic sequences)では、中期ジュラ紀チャートは中期ジュラ紀最末期以降のACに産し、先行研究によれば、こうしたACはACスタック(AC stacks)の構造的により下位(structurally lower)を占める傾向がある。したがって、手取層群に中期ジュラ紀チャートの砕屑物が供給されたことは、侵食が進み、ACの構造的下位の構成要素が露出して剥ぎ取られる段階に達していたことを示すという。堆積学的観察も局地的供給(local supply)解釈を支持し、チャート礫は亜角礫〜亜円礫(subangular to subrounded)で、礫岩層は側方連続性(lateral continuity)が限定的である。方法論的には、エッチング表面観察が、化石が(基質ではなく)チャート礫中にあることを確実に判断するうえで有利である一方、エッチング面では化石が部分的に埋没したままとなり、詳細な分類学的作業が制限され得る点も指摘している。
- 今後の展望:
-
著者らは、微化石を含む礫の継続的研究により、手取層群の供給源の剥離・侵食史(provenance denudation history)の復元を精密化できると提案する。具体的には、(化石を含む構成要素の岩相を確定し、化石が特定の礫タイプ内にあることを確認するのに有用な)エッチング表面観察と、(エッチングでは化石が部分的に埋没し得るため、より詳細な同定に適した)抽出残渣(extracted residues)の分析を組み合わせることを推奨している。これら相補的手法を手取層群の礫岩により広く適用することで、中生代中期付加体の異なる構造レベルが段階的に露出・侵食される過程について、より時間分解能の高い情報が得られると期待される。その結果、供給源からの寄与が時間とともにどのように変化したかが明確になり、より新しいACユニット—特に構造的下位のもの—がいつ侵食可能となり、手取堆積盆への供給に利用可能になったのかに関する推論が強化されるとしている。
- 背景と目的:
-
日本の北陸地方にある
には、手取層群 ( 北陸地方に分布する地層のまとまりで、恐竜化石などでも知られます。本研究では、礫岩に入る小石の由来を調べる対象となります。) (けいしつがん)という硬い岩の小石を多く含む珪質岩 ( 二酸化ケイ素が多い硬い岩の総称です。チャートや珪質泥岩などが含まれ、微化石が残りやすいことがあります。) があります。その小石の中には礫岩 ( 小石サイズの礫がたくさん集まり、砂や泥などで固まってできた岩石です。過去にどんな岩がどこから運ばれてきたかを知る手がかりになります。) などの放散虫 ( 海にすむ微小な生物で、ガラスのような殻を持ちます。死後に殻が堆積物に残り、地層の年代を決める重要な手がかりになります。) が入っていることがあり、これらの小石は、東アジアに広く分布する中生代中期の微化石 ( 肉眼では見えないほど小さい化石です。種類によって生きていた時代が限られるため、地層や岩石の年代推定に役立ちます。) から削られて運ばれてきたものだと考えられてきました。付加体 ( 海洋プレートが沈み込む場所で、海の堆積物などが陸側に押し付けられて積み重なり、長い時間をかけてできた地質体です。どの時期の付加体が露出していたかを考えることが、本研究の中心です。)
付加体は長い時間をかけて少しずつ積み重なるように作られるため、山として持ち上がって削られる過程も、1回の大事件ではなく段階的に進んだはずです。しかし、手取層群に「いつから」付加体由来の岩石が供給され始めたのかは、これまでの研究でも意見が分かれていました。
そこで本研究では、福井県の谷山谷にある五木層の礫岩に入っている珪質 、特に礫 ( 岩石が砕けてできた粒のうち、小石くらいの大きさのものです。本研究では、礫の「中」に化石があるかが重要です。) という岩の礫に注目し、礫の中の微化石を調べて年代を決めました。とくに、手取層群の礫の中にチャート ( 珪質岩の一種で、とても硬く、主に海でたまった珪質の成分からできます。放散虫などの微化石を含むことがあり、年代を決める材料になります。) のチャート礫が本当にあるのか、そしてそれが中期ジュラ紀 ( ジュラ紀の中ごろの時代区分です。本研究では、中期ジュラ紀の化石を含むチャート礫が見つかったことが大きな成果です。) 地域での付加体の露出や侵食の進み方をどう示すのかを確かめることが目的です。供給源 ( 堆積物が削り出されて運ばれてくる元の地域のことです。供給源がどこか、いつ変わったかを知ると、山地の隆起や侵食の歴史がわかります。)
- 主要な発見:
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薬品処理で
の表面を少し溶かして観察すると、礫の種類によって礫 ( 岩石が砕けてできた粒のうち、小石くらいの大きさのものです。本研究では、礫の「中」に化石があるかが重要です。) の見え方がはっきり違いました。微化石 ( 肉眼では見えないほど小さい化石です。種類によって生きていた時代が限られるため、地層や岩石の年代推定に役立ちます。) の礫では珪質泥岩 ( 泥が主成分で、珪質成分を多く含む岩です。化石が入ることもありますが、本研究では年代決定に使える化石が得られにくい種類でした。) らしい球状の殻や棘は見つかりましたが、保存状態が悪く、年代を決めるのに役立つ化石は得られませんでした。放散虫 ( 海にすむ微小な生物で、ガラスのような殻を持ちます。死後に殻が堆積物に残り、地層の年代を決める重要な手がかりになります。)
一方、 礫では放散虫の殻や棘が多く見つかり、礫ごとに化石の組み合わせも違いました。6つのチャート礫からは、年代判断に使える比較的きれいな化石が得られました。チャート ( 珪質岩の一種で、とても硬く、主に海でたまった珪質の成分からできます。放散虫などの微化石を含むことがあり、年代を決める材料になります。)
具体的には、三畳紀の可能性が高いチャート礫が見つかり、またジュラ紀に多い放散虫のグループを含む礫もありました。
特に重要なのは、 だと判断できるチャート礫が2つ見つかったことです。1つはJR4(Bajocianからlower Bathonianに相当)に、もう1つはJR3(Aalenianに相当)に当てはまりました。研究者たちは、中期ジュラ紀 ( ジュラ紀の中ごろの時代区分です。本研究では、中期ジュラ紀の化石を含むチャート礫が見つかったことが大きな成果です。) の「チャート礫」から中期ジュラ紀の放散虫が確認されたのは文献上初めてだと強調しています。手取層群 ( 北陸地方に分布する地層のまとまりで、恐竜化石などでも知られます。本研究では、礫岩に入る小石の由来を調べる対象となります。)
- 方法論:
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調査地点は、谷山谷ルート沿いの五木層下部にある、厚い
(約7m)の一部です。研究のポイントは、「化石が礫岩 ( 小石サイズの礫がたくさん集まり、砂や泥などで固まってできた岩石です。過去にどんな岩がどこから運ばれてきたかを知る手がかりになります。) の中に入っているのか、それとも周りの砂っぽい部分に入っているのか」をはっきりさせることでした。礫 ( 岩石が砕けてできた粒のうち、小石くらいの大きさのものです。本研究では、礫の「中」に化石があるかが重要です。)
そのために、礫岩を小さなチップに切り、 などの礫が入っているチップを探し出し、約5%の珪質岩 ( 二酸化ケイ素が多い硬い岩の総称です。チャートや珪質泥岩などが含まれ、微化石が残りやすいことがあります。) で表面をフッ化水素酸 ( ガラスや珪質成分を溶かす性質をもつ強い酸です。本研究ではエッチング処理に使われました。) してエッチング ( 酸などで岩の表面を少し溶かし、化石の形を浮き出させて観察しやすくする方法です。本研究では化石の入っている岩相を確かめるのに役立ちました。) を観察しました。実体顕微鏡で微化石の有無を確認し、さらに詳しく見るために微化石 ( 肉眼では見えないほど小さい化石です。種類によって生きていた時代が限られるため、地層や岩石の年代推定に役立ちます。) で撮影しました。得られた走査型電子顕微鏡 ( 非常に小さいものの表面を高倍率で観察し、写真として記録できる装置です。微化石の細かい形を確認するために使います。) の種類を、放散虫 ( 海にすむ微小な生物で、ガラスのような殻を持ちます。死後に殻が堆積物に残り、地層の年代を決める重要な手がかりになります。) (JR3やJR4など)と比べて年代を決めました。生層序帯 ( 特定の化石の組み合わせが見られる範囲を区切った年代の目安です。放散虫の生層序帯(JR3やJR4など)は、チャート礫の年代を決める基準になります。)
- 結論と意義:
-
この研究により、五木層の
には、礫岩 ( 小石サイズの礫がたくさん集まり、砂や泥などで固まってできた岩石です。過去にどんな岩がどこから運ばれてきたかを知る手がかりになります。) (AalenianのJR3とBajocianからlower BathonianのJR4)に相当する中期ジュラ紀 ( ジュラ紀の中ごろの時代区分です。本研究では、中期ジュラ紀の化石を含むチャート礫が見つかったことが大きな成果です。) を含む放散虫 ( 海にすむ微小な生物で、ガラスのような殻を持ちます。死後に殻が堆積物に残り、地層の年代を決める重要な手がかりになります。) チャート ( 珪質岩の一種で、とても硬く、主に海でたまった珪質の成分からできます。放散虫などの微化石を含むことがあり、年代を決める材料になります。) があることが示されました。礫 ( 岩石が砕けてできた粒のうち、小石くらいの大きさのものです。本研究では、礫の「中」に化石があるかが重要です。)
五木層下部の砂岩から得られている最も若い の年代が約127百万年前(砕屑性ジルコン ( 堆積物に混じるジルコン粒子で、元の岩石から削られて運ばれてきたものです。堆積した時代の上限(これより新しくはならない)を推定する手がかりになります。) )なので、中期ジュラ紀のチャート礫はそれより古い岩石が前期白亜紀 ( 白亜紀の前半の時代区分です。五木層が堆積した時期の目安として、ジルコン年代が使われています。) で削られ、後に手取堆積盆へ運ばれてきたものだと考えられます。供給源 ( 堆積物が削り出されて運ばれてくる元の地域のことです。供給源がどこか、いつ変わったかを知ると、山地の隆起や侵食の歴史がわかります。)
さらに、チャート礫が 由来だとすると、中期ジュラ紀のチャートが含まれることは、五木層がたまる時期までに、供給源地域で「中期ジュラ紀最末期以降の、より新しい付加体の地層」がすでに地表に出ていて、侵食で削られていた可能性を示します。加えて、付加体の中でも構造的に下の方にある部分まで侵食が進んでいたことを示す材料になり得ます。付加体 ( 海洋プレートが沈み込む場所で、海の堆積物などが陸側に押し付けられて積み重なり、長い時間をかけてできた地質体です。どの時期の付加体が露出していたかを考えることが、本研究の中心です。)
また、チャート礫があまり丸くなりきっていないことや、礫岩層が横方向にずっと続くわけではないことから、礫の供給は近い場所からだった可能性が高いと考えられます。
- 今後の展望:
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今後も、
の中の礫 ( 岩石が砕けてできた粒のうち、小石くらいの大きさのものです。本研究では、礫の「中」に化石があるかが重要です。) を調べ続けることで、微化石 ( 肉眼では見えないほど小さい化石です。種類によって生きていた時代が限られるため、地層や岩石の年代推定に役立ちます。) に供給された岩石が「いつ・どの段階で」手取層群 ( 北陸地方に分布する地層のまとまりで、恐竜化石などでも知られます。本研究では、礫岩に入る小石の由来を調べる対象となります。) のどの部分から削られてきたのかを、より細かく復元できると提案されています。付加体 ( 海洋プレートが沈み込む場所で、海の堆積物などが陸側に押し付けられて積み重なり、長い時間をかけてできた地質体です。どの時期の付加体が露出していたかを考えることが、本研究の中心です。)
そのためには、化石がどの種類の礫に入っているかを確実にできる 表面観察と、より詳しい同定がしやすいエッチング ( 酸などで岩の表面を少し溶かし、化石の形を浮き出させて観察しやすくする方法です。本研究では化石の入っている岩相を確かめるのに役立ちました。) の分析を組み合わせて、手取層群の抽出残渣 ( 岩石を薬品処理して溶かし、溶け残った微化石などを集めたものです。エッチングより詳しい同定に向く場合があります。) に広く適用することが有効だとしています。礫岩 ( 小石サイズの礫がたくさん集まり、砂や泥などで固まってできた岩石です。過去にどんな岩がどこから運ばれてきたかを知る手がかりになります。)
- 何のために?:
-
日本の北陸には、
があります。手取 層群 ( 北陸地方にある地層 のまとまりの名前です:いろいろな時代の岩や地層 をまとめて呼 ぶときに使います:どの場所のどんな地層 の話かをはっきりさせるのに重要 です)
そこには、小石がいっぱい入った岩があります。
小石の中に、とても小さな がいます。化石 ( 昔の生き物の体や足あとなどが石に残 ったものです:岩の中から見つかりその岩ができた時代を調べる手がかりになります:小石や岩の年れいを決めるために重要 です)
その化石で、小石の年れいがわかります。
小石は、遠くの山の岩がけずれてきます。
山の岩は、少しずつできていきます。
だから、けずれるのも少しずつです。
でも、いつから小石が来たかは不明 でした。
そこで、福井の の石を調べました。五木 層 ( 地層 の名前で手取層群 の中の一部です:どの地層 を調べたかを示 すときに使います:発見がどこで起きたかを正確 に伝 えるのに重要 です)
とくに、 という岩の小石です。チャート ( とてもかたい岩の一種 で細かい成分 からできています:小石として地層 に入っていることがあります:化石が見つかりやすい場合があり調査 の中心になるので重要 です)
小石の中の化石を見て、年れいを決めます。
の小石があるか中期ジュラ紀 ( 地球の歴史 の中の時代の名前です:化石の種類 からその石がいつごろのものかを表します:小石がどれくらい古いかを判断 する決め手になるので重要 です) 確 かめます。
- 何が分かったの?:
-
薬で小石の表めんを少しとかしました。
すると、 の見え方が石でちがいました。化石 ( 昔の生き物の体や足あとなどが石に残 ったものです:岩の中から見つかりその岩ができた時代を調べる手がかりになります:小石や岩の年れいを決めるために重要 です)
どろの石では、化石がこわれがちでした。
だから、年れいは決めにくかったです。
の小石では、化石がよく見えました。チャート ( とてもかたい岩の一種 で細かい成分 からできています:小石として地層 に入っていることがあります:化石が見つかりやすい場合があり調査 の中心になるので重要 です)
小石ごとに、化石の組み合わせも違 いました。
6つの小石で、年れいが決められました。
とても大事なのは、2つの小石です。
だとわかる化石がありました。中期ジュラ紀 ( 地球の歴史 の中の時代の名前です:化石の種類 からその石がいつごろのものかを表します:小石がどれくらい古いかを判断 する決め手になるので重要 です)
この場所で見つかったのは、初 めてです。
- どうやったの?:
-
調べた場所は、谷山谷の
です。五木 層 ( 地層 の名前で手取層群 の中の一部です:どの地層 を調べたかを示 すときに使います:発見がどこで起きたかを正確 に伝 えるのに重要 です)
あつい小石の岩の一部を使いました。
が小石の中か、化石 ( 昔の生き物の体や足あとなどが石に残 ったものです:岩の中から見つかりその岩ができた時代を調べる手がかりになります:小石や岩の年れいを決めるために重要 です) 周 りかを見ます。
岩を小さく切って、小石入りをえらびます。
つよい薬で、表めんを少しけずりました。
で、化石があるかたしかめます。顕微鏡 ( 小さなものを大きく見えるようにする道具です:小さな化石を見つけたり形を確 かめたりするときに使います:肉眼 では見えない化石を調べるために重要 です)
もっとくわしく見る機械 でも写真をとります。
化石の種類 をくらべて、年れいを決めます。
- 研究のまとめ:
-
の五木 層 ( 地層 の名前で手取層群 の中の一部です:どの地層 を調べたかを示 すときに使います:発見がどこで起きたかを正確 に伝 えるのに重要 です) 小石に、古いチャート ( とてもかたい岩の一種 で細かい成分 からできています:小石として地層 に入っていることがあります:化石が見つかりやすい場合があり調査 の中心になるので重要 です) がいました。化石 ( 昔の生き物の体や足あとなどが石に残 ったものです:岩の中から見つかりその岩ができた時代を調べる手がかりになります:小石や岩の年れいを決めるために重要 です)
の化石が、入っていました。中期ジュラ紀 ( 地球の歴史 の中の時代の名前です:化石の種類 からその石がいつごろのものかを表します:小石がどれくらい古いかを判断 する決め手になるので重要 です)
五木層 ができた時より、ずっと前の石です。
古い岩が先にけずれて、運ばれたのでしょう。
それは、山の古い が出ていたしるしです。地そう ( 地面の下に重なっている地層 のことです:どんな順番 でどんな古い岩があるかを表します:小石がどこから来たかを考える手がかりになるので重要 です)
山の下のほうまで、けずれたかもしれません。
小石があまり丸くないことも手がかりです。
近い場所から来た可能性 が高いです。
- これからどうする?:
-
これからも、小石の中の
を調べます。化石 ( 昔の生き物の体や足あとなどが石に残 ったものです:岩の中から見つかりその岩ができた時代を調べる手がかりになります:小石や岩の年れいを決めるために重要 です)
そうすると、いつどこから来たかがわかります。
小石の表めんを見る方法 を、もっと使います。
取り出した化石も、くわしくしらべます。
それを、ほかの の岩にも広げます。手取 層群 ( 北陸地方にある地層 のまとまりの名前です:いろいろな時代の岩や地層 をまとめて呼 ぶときに使います:どの場所のどんな地層 の話かをはっきりさせるのに重要 です)
- 著者名:
- Ito Tsuyoshi, Sakai Yusuke, Feng Qinglai, Matsuoka Atsushi
- 掲載誌名:
- Science reports of Niigata University. (Geology)
- 巻:
- 30
- ページ:
- 1 - 13
- 発行日:
- 2015-03
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/32231
