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人文学部
#紀要論文
和化漢文用字法に見る「問い」と「疑い」 : 古記録・文書における判定要求の一用法の検討から
- AI解説:
- 日本語学における和化漢文の研究は、主に漢字と日本語との対応関係を基に進められてきました。しかし、この方法では、日本語史上の重要な問いに対して十分な答えを出すことが難しいとされています。例えば、中国語文に多く使用される助字類が日本語とどのように対応するかは明確でありません。本稿では、和化漢文における疑問表現に焦点を当て、助字の使用から日本語「書記」の歴史とその思考方法を考察することを目的としています。
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人文学部
#紀要論文
和化漢文用字法に見る「問い」と「疑い」 : 古記録・文書における判定要求の一用法の検討から
AI解説
- 背景と目的:
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日本語学における和化漢文の研究は、主に漢字と日本語との対応関係を基に進められてきました。しかし、この方法では、日本語史上の重要な問いに対して十分な答えを出すことが難しいとされています。例えば、中国語文に多く使用される助字類が日本語とどのように対応するかは明確でありません。本稿では、和化漢文における疑問表現に焦点を当て、助字の使用から日本語「書記」の歴史とその思考方法を考察することを目的としています。
- 主要な発見:
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和化漢文における疑問助字「歟」の使用は、疑惑表現として単独で文末に使用されることが多い一方で、「耶」は説明要求や判定要求に使用されることが多いことが分かりました。特に、古記録と文書においては、助字の使用に時代的な変化が見られ、平安期には存在しなかった「歟」が鎌倉期以降に出現することが確認されました。この変化は、疑問表現の「問い」的表現から「疑い」的表現への変遷を示唆しています。
- 方法論:
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本研究では、古記録および文書における疑問表現「~否」とそれに共起する疑問助字「哉(乎)」「歟」の使用を調査しました。具体的には、900年代から1400年代にかけて成立した古記録および文書を対象に、助字の使用例をまとめ、その傾向を分析しました。また、文献を通じて各助字の用法とその変遷を考察し、記載内容や文体範疇との関連性を検討しました。
- 結論と意義:
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本研究を通じて、和化漢文における疑問助字の使用には、文章作成者の態度や表現内容に基づく違いがあることが明らかになりました。また、文書における助字の使用に見られる史的な変化は、日本語疑問表現の「問い」的表現から「疑い」的表現への流れを背景としている可能性があります。これにより、和化漢文の書記法と日本語の思考方法の変遷について新たな視点を提供することができました。
- 今後の展望:
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今後の研究では、さらに多くの古記録および文書を調査し、助字の使用とその変遷についての理解を深める必要があります。また、仏典系漢文の異同の問題にも有効な視点を提供するため、疑問表現全体における助字使用の分析を進めることが重要です。これにより、和化漢文による日本語書記の歴史とその思考方法の解明に一層寄与することが期待されます。
- 背景と目的:
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日本語の歴史を研究する中で、
という日本風にアレンジされた漢文の研究が進められてきました。しかし、この方法だけでは日本語の歴史に関する重要な疑問に十分な答えを出すことが難しいことがわかっています。特に、中国語の文章によく使われる和化漢文 ( 和化漢文とは、中国語の漢文を日本風にアレンジして使った文章のことです。この文章スタイルは、古代日本で公式文書や学問の記録に使われました。) (じょじ)が日本語でどう使われているかは明確ではありません。本研究では、和化漢文における疑問表現に注目し、助字の使い方から日本語の書き方や考え方の歴史を考察することを目的としています。助字 ( 助字とは、文章の中で意味を補うために使われる漢字のことです。例えば、「歟」や「耶」などが助字にあたります。これらの助字は、中国語の文章でよく使われ、日本語の文章にも影響を与えました。)
- 主要な発見:
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の疑問を表す和化漢文 ( 和化漢文とは、中国語の漢文を日本風にアレンジして使った文章のことです。この文章スタイルは、古代日本で公式文書や学問の記録に使われました。) 「歟(よ)」は、疑いを表すために文末に単独で使われることが多いです。一方、「耶(や)」は説明や判断を求めるために使われることが多いです。特に、古い記録や文書では、助字の使い方が時代とともに変わっていることがわかりました。例えば、平安時代には見られなかった「歟」が鎌倉時代以降に使われるようになりました。この変化は、疑問の表現が「質問」から「疑い」に変わってきたことを示しています。助字 ( 助字とは、文章の中で意味を補うために使われる漢字のことです。例えば、「歟」や「耶」などが助字にあたります。これらの助字は、中国語の文章でよく使われ、日本語の文章にも影響を与えました。)
- 方法論:
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本研究では、900年から1400年にかけて作られた古記録や文書を調査し、疑問表現「~否(か)」とそれに共に使われる
「哉(や)」「歟」の使用例をまとめました。また、文献を通じて各疑問助字 ( 疑問助字とは、疑問を表すために使われる漢字のことです。例えば、「歟」や「耶」などがあります。これらの助字を使うことで、質問や疑いの表現を文章に加えることができます。) の使い方とその変化を考察し、書かれた内容や文章の種類との関連性を検討しました。助字 ( 助字とは、文章の中で意味を補うために使われる漢字のことです。例えば、「歟」や「耶」などが助字にあたります。これらの助字は、中国語の文章でよく使われ、日本語の文章にも影響を与えました。)
- 結論と意義:
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この研究を通じて、
における和化漢文 ( 和化漢文とは、中国語の漢文を日本風にアレンジして使った文章のことです。この文章スタイルは、古代日本で公式文書や学問の記録に使われました。) の使い方には、文章を書く人の態度や表現内容による違いがあることがわかりました。また、文書における疑問助字 ( 疑問助字とは、疑問を表すために使われる漢字のことです。例えば、「歟」や「耶」などがあります。これらの助字を使うことで、質問や疑いの表現を文章に加えることができます。) の使用に見られる歴史的な変化は、日本語の疑問表現が「質問」から「疑い」に変わってきたことを背景にしている可能性があります。この研究により、和化漢文の書き方と日本語の考え方の歴史について新しい視点を提供することができました。助字 ( 助字とは、文章の中で意味を補うために使われる漢字のことです。例えば、「歟」や「耶」などが助字にあたります。これらの助字は、中国語の文章でよく使われ、日本語の文章にも影響を与えました。)
- 今後の展望:
-
今後の研究では、さらに多くの古記録や文書を調査し、
の使用とその変化についての理解を深める必要があります。また、仏教関係の漢文の違いにも有効な視点を提供するため、疑問表現全体における助字の使用を分析することが重要です。これにより、助字 ( 助字とは、文章の中で意味を補うために使われる漢字のことです。例えば、「歟」や「耶」などが助字にあたります。これらの助字は、中国語の文章でよく使われ、日本語の文章にも影響を与えました。) による日本語書記の歴史とその考え方の解明に一層寄与することが期待されます。和化漢文 ( 和化漢文とは、中国語の漢文を日本風にアレンジして使った文章のことです。この文章スタイルは、古代日本で公式文書や学問の記録に使われました。)
- 何のために?:
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日本の昔の言葉の研究では、漢字を日本風にした文が調べられてきました。でも、このやり方だけでは、まだわからないことがたくさんあります。
特 に、中国の (じょじ)が日本語でどう使われているかがわかりません。本の中で、漢字を日本風にした文の助字 ( 意味を助けるための漢字です。) 疑問文 を調べて、助字の使い方を研究します。
- 何が分かったの?:
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漢字を日本風にした文では「
」という歟 (よ)( 文の終わりに使って疑 いを表す助字です。) は、文の終わりに使って助字 ( 意味を助けるための漢字です。) 疑 いを表します。「 」は、耶 (や)( 説明 や判断 を求 めるときに使う助字です。) 説明 や判断 を求 めるときに使います。古い記録 を見ると、助字の使い方が変 わっていることがわかります。例 えば、 には「平安時代 ( 794年から1185年までの日本の歴史 上の時代です。) 歟 」は使われていませんでしたが、 から使われるようになりました。これは、鎌倉時代 ( 1185年から1333年までの日本の歴史 上の時代です。) 質問 する形から疑 う形に変 わったことを示 しています。
- どうやったの?:
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この研究では、900年から1400年に作られた古い
記録 や文書を調べました。「~か」という疑問文 と一緒 に使われる 「助字 ( 意味を助けるための漢字です。) 哉 (や)」や「 」の歟 (よ)( 文の終わりに使って疑 いを表す助字です。) 例 をまとめました。それぞれの助字の使い方や変化 を考えました。
- 研究のまとめ:
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この研究で、漢字を日本風にした文の
の使い方がわかりました。文章を書く人の助字 ( 意味を助けるための漢字です。) 態度 や表現 が助字の使い方に影響 することもわかりました。疑問文 が質問 から疑 いに変 わってきたことが、助字の使い方の変化 に影響 しています。この研究は、日本語の書き方や考え方の歴史 について新しい視点 を提供 しました。
- これからどうする?:
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これからの研究では、もっとたくさんの古い
記録 や文書を調べる必要 があります。また、 の文も調べると仏教 関係 の漢字( 仏教 の教えや経典 に関連 する漢字です。) 良 いです。そうすることで、日本語の歴史 や考え方がもっとよくわかるようになります。
- 著者名:
- 磯貝 淳一
- 掲載誌名:
- ことばとくらし
- 巻:
- 26
- ページ:
- 15 - 23
- 発行日:
- 2014-10
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/31484
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