論文詳細
大学院現代社会文化研究科
#紀要論文
音楽創作における2 つの関係性によるコンピュータと演奏者の役割についての考察 : 自作のMax パッチの分析を通して
- AI解説:
- 本論文は、大野(2017)の継続研究として、リアルタイム・スコアフォローイング技術を活用した音楽創作に関する一連の研究の一環である。以前の研究では、コンピュータが「伴奏者」として機能する方法に焦点が当てられていたが、本研究では、コンピュータを「共演者」としてより積極的に音楽演奏に関わらせる方法を模索する。特に、作曲上の音楽的表現における人の思考と身体性をコンピュータが模倣する手法を検討している。
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大学院現代社会文化研究科
#紀要論文
音楽創作における2 つの関係性によるコンピュータと演奏者の役割についての考察 : 自作のMax パッチの分析を通して
AI解説
- 背景と目的:
-
本論文は、大野(2017)の継続研究として、リアルタイム・スコアフォローイング技術を活用した音楽創作に関する一連の研究の一環である。以前の研究では、コンピュータが「伴奏者」として機能する方法に焦点が当てられていたが、本研究では、コンピュータを「共演者」としてより積極的に音楽演奏に関わらせる方法を模索する。特に、作曲上の音楽的表現における人の思考と身体性をコンピュータが模倣する手法を検討している。
- 主要な発見:
-
本研究では、コンピュータが人間の「共演者」として機能するために、リアルタイム・スコアフォローイング技術とMax/MSPソフトウェアを活用した具体的な手法が提案されている。具体的には、J.S.Bachの作品や自作の室内合奏の作品、そして電子音楽の創作例を通じて、MIDIデータと波形データの再生タイミングの制御、無線通信の特性を活用した音声入力、そしてアルゴリズム・コンポジションによる人間の演奏の「ズレ」を再現する方法が検証された。
- 方法論:
-
論文では、3つの自作パッチを用いて具体的なシステムの構築例が提示されている。まず、J.S.BachのJohannes Passionの演奏では、コンピュータが演奏のテンポを司り、MIDIデータを用いてスコアフォローイングを行った。次に、室内合奏のための「気配」では、無線通信を利用した音声入力と波形データの再生タイミングの制御が行われた。最後に、"Etude" for piano and live electronics Ⅱでは、コンピュータ同士の関係性に焦点を当て、リアルタイムなアルゴリズム・コンポジションを用いることで、コンピュータが人間の演奏者のように振る舞う方法が模索された。
- 結論と意義:
-
本研究の結論として、コンピュータが人間の「共演者」として機能するためには、リアルタイム・スコアフォローイング技術を用いたMIDIデータと波形データの再生、無線通信の特性を活用した音声入力、そしてアルゴリズム・コンポジションによる演奏の「ズレ」の再現が有効であることが確認された。これにより、コンピュータが演奏のテンポを司ることで、人間の演奏者に影響を与えることができる。また、コンピュータ同士の関係性においても、Antescofoが正しく機能し、Maxが人間の演奏者のように振る舞う挙動が確認されたことは、音楽創作の新たな可能性を示唆している。
- 今後の展望:
-
今後の展望として、コンピュータ同士によるアンサンブル演奏の研究は、音楽の表現手段としても有効であり、さらに人間とコンピュータとの関係構築を模索する上で重要であると考えられる。特に、演奏者とコンピュータとのインタラクティブな関係性を深めるために、演奏の「ズレ」をシンプルな手法で再現するアイディアを追求することで、より自然で人間らしい音楽表現が可能になると期待される。これにより、音楽創作における新たなインタラクティブな可能性が広がることが期待される。
- 背景と目的:
-
この研究は、大野(2017)の続きとして、コンピュータを使った音楽作りの方法を探るものです。前回はコンピュータが「伴奏者」として働く方法に焦点を当てていましたが、今回はコンピュータが「共演者」としてもっと積極的に演奏に参加する方法を探ります。具体的には、コンピュータが人間の考え方や体の動きを真似する方法を研究しています。
- 主要な発見:
-
コンピュータが人間の「共演者」として機能するために、リアルタイムでスコアフォローイング技術と
というソフトウェアを利用する具体的な方法が提案されました。具体的には、J.S.Bachの曲や自作の室内合奏の曲、電子音楽に対して、Max/MSP ( 音楽やマルチメディア作品を制作するためのプログラミング環境。) と音の再生タイミングの制御、MIDIデータ ( 音楽情報をデジタル形式でやり取りするためのデータ。) を活用した音声入力、そして無線通信 ( ケーブルを使わずにデータを送受信する技術。Bluetoothなどが含まれる。) による演奏の「ズレ」を再現する方法が検証されました。アルゴリズム・コンポジション ( 決まった手順やルールに基づいて自動的に音楽を作る方法。)
- 方法論:
-
研究では3つの自作パッチを使った具体的なシステムの構築例が示されています。まず、J.S.BachのJohannes Passionの演奏では、コンピュータがテンポをコントロールし、
を使ってスコアフォローイングを行いました。次に、室内合奏のための「気配」では、MIDIデータ ( 音楽情報をデジタル形式でやり取りするためのデータ。) を使った音声入力と音の再生タイミングの制御が行われました。最後に、"Etude" for piano and live electronics Ⅱでは、コンピュータ同士の関係に焦点を当て、リアルタイムな無線通信 ( ケーブルを使わずにデータを送受信する技術。Bluetoothなどが含まれる。) を使うことで、コンピュータが人間の演奏者のように振る舞う方法を探りました。アルゴリズム・コンポジション ( 決まった手順やルールに基づいて自動的に音楽を作る方法。)
- 結論と意義:
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研究の結果、コンピュータが人間の「共演者」として機能するためには、
技術を使ったリアルタイム・スコアフォローイング ( 演奏中に楽譜を自動的に追跡し、音楽の進行に合わせてコンピュータが伴奏や共演を行う技術。) と音の再生、MIDIデータ ( 音楽情報をデジタル形式でやり取りするためのデータ。) の特性を活用した音声入力、そして無線通信 ( ケーブルを使わずにデータを送受信する技術。Bluetoothなどが含まれる。) による演奏の「ズレ」の再現が有効であることが確認されました。これにより、コンピュータが演奏のテンポをコントロールし、人間の演奏に影響を与えることができることがわかりました。また、コンピュータ同士が互いに影響し合うことで、より人間らしい音楽表現が可能になることも示されました。アルゴリズム・コンポジション ( 決まった手順やルールに基づいて自動的に音楽を作る方法。)
- 今後の展望:
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今後の課題として、コンピュータ同士によるアンサンブル演奏の研究が挙げられます。これは音楽の新しい表現手段として重要であり、人間とコンピュータとの関係を深めるためにも必要です。特に、演奏の「ズレ」を再現することで、より自然で人間らしい音楽表現が期待されます。これによって、音楽作りの新しい可能性が広がることが期待されます。
- 何のために?:
-
この研究は、
で音楽を作るコンピュータ ( 計算や情報処理 のために使われる機械 。音楽を作るためにも使われる。) 方法 を探 すものです。前回はコンピュータが伴奏 をする方法 を調べました。今回は、コンピュータが人と一緒 に演奏 する方法 を調べます。具体的 には、コンピュータが人の考えや動きを真似 する方法 を研究します。
- 何が分かったの?:
-
が人とコンピュータ ( 計算や情報処理 のために使われる機械 。音楽を作るためにも使われる。) 一緒 に演奏 するための方法 が見つかりました。 で曲を追いかけるリアルタイム ( その場で即座 に行われること。演奏 中に音楽をコントロールするために重要 な技術 。) 技術 と というソフトを使います。J.S.Bachの曲や自作の曲、電子音楽でMax/MSP ( 音楽や映像 を作るためのソフトウェア。プログラミングを使って、さまざまな音楽を作り出すことができる。) 試 しました。 と音のタイミングをコントロールするMIDIデータ ( 電子楽器 やコンピュータが音楽をやり取りするためのデータ形式。テンポや音の高さ、長さなどを指示 する。) 方法 を検証 しました。 を使って音を入力し、無線 通信 ( ケーブルを使わずに情報 をやり取りする方法 。音楽のデータを送るためにも使われる。) でアルゴリズム ( 問題を解決 するための手順 や計算方法 。音楽の演奏 をコンピュータで制御 するために使われる。) 演奏 のズレを再現 する方法 も試 しました。
- どうやったの?:
-
研究では3つの
例 を使いました。1つ目は、J.S.BachのJohannes Passionの演奏 です。 がテンポをコントロールし、コンピュータ ( 計算や情報処理 のために使われる機械 。音楽を作るためにも使われる。) を使って曲を追いかけました。2つ目は「気配」という室内MIDIデータ ( 電子楽器 やコンピュータが音楽をやり取りするためのデータ形式。テンポや音の高さ、長さなどを指示 する。) 合奏 です。無線 で音を入力し、音のタイミングをコントロールしました。3つ目は"Etude" for piano and live electronics Ⅱです。コンピュータ同士 の関係 を調べて、 で曲を作るリアルタイム ( その場で即座 に行われること。演奏 中に音楽をコントロールするために重要 な技術 。) 方法 を探 しました。
- 研究のまとめ:
-
研究の
結果 、 が人とコンピュータ ( 計算や情報処理 のために使われる機械 。音楽を作るためにも使われる。) 一緒 に演奏 するためには、 で曲を追いかけるリアルタイム ( その場で即座 に行われること。演奏 中に音楽をコントロールするために重要 な技術 。) 技術 が有効 だとわかりました。 と音のMIDIデータ ( 電子楽器 やコンピュータが音楽をやり取りするためのデータ形式。テンポや音の高さ、長さなどを指示 する。) 再生 、 の音声入力、無線 通信 ( ケーブルを使わずに情報 をやり取りする方法 。音楽のデータを送るためにも使われる。) でアルゴリズム ( 問題を解決 するための手順 や計算方法 。音楽の演奏 をコンピュータで制御 するために使われる。) 演奏 のズレを再現 する方法 も有効 です。これで、コンピュータが演奏 のテンポをコントロールし、人間の演奏 に影響 を与 えることができます。また、コンピュータ同士 が影響 し合うことで、より人間らしい音楽を作ることができます。
- これからどうする?:
-
これからは、
コンピュータ ( 計算や情報処理 のために使われる機械 。音楽を作るためにも使われる。) 同士 が一緒 に演奏 する研究が必要 です。これは新しい音楽の表現 方法 として重要 です。人間とコンピュータの関係 を深めるためにも必要 です。演奏 のズレを再現 することで、もっと自然 で人間らしい音楽を作ることが期待されます。これにより、新しい音楽作りの可能性 が広がります。
- 著者名:
- 大野 雅夫
- 掲載誌名:
- 現代社会文化研究
- 巻:
- 66
- ページ:
- 171 - 186
- 発行日:
- 2018-03
- 著者による要約:
- In the previous paper, I mentioned several technical restrictions in the creation of my own work applying the real-time score following technology, and also described the effectiveness of the use of Antescofo, which works with Max as a solution to those. As a continuation of the previous paper, I studied how computers can participate more actively in this paper. I created a program that runs under the following two relationships: (1) A relationship between Max as a performer and a human as a performer (2) A relationship between Max as a performer and Max as a performer (A relationship between Max and Max) Based on this relationship, three works were produced and analyzed. Finally, I mentioned the future possibility of the interactive relationship between a computer performer and a human performer.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/50115
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