論文詳細
大学院現代社会文化研究科
#紀要論文
Non-Conformity of Goods and Limitation Clause under CISG, UCC and UK Law
- AI解説:
- 本論文は、売買法において中心的で、かつ訴訟でも頻繁に争点となる「商品の契約不適合(non-conformity of goods)」を扱う。これは、売主が義務に違反したかどうか、また買主がどのような救済(remedies)を追求できるかを左右するためである。論文では、契約適合(conformity)を、明示の契約要件(合意された説明、品質、数量、包装)だけでなく、契約書に明記されていない場合でも作用する黙示の法的基準(implied legal standards)も含む概念として位置づける。これと並行して本論文は、制限(または免責)条項(limitation (or exclusion) clauses)にも注目する。これらは、とりわけ標準約款(standard form contracts)を通じて売主が用いることが多く、黙示条項(implied terms)を否認したり救済を狭めたりすることで、契約不適合品に関する責任を制限することを目的とする。論文は、当事者自治と契約自由は認められる一方で、買主と売主の利害を均衡させるための法的コントロールによってその自由は制約される、と強調する。一定の範囲内で、本研究はCISG、UCC、英国法(主としてSale of Goods Act 1979と、これに付随する公正性(fairness)に関するコントロール)を比較し、契約不適合の定義、および制限条項の執行可能性(enforceability)と公正性の規律を検討する。また、免責条項が有効とされる場合に買主の救済が不確実になることを指摘し、黙示条項の免責を許すことは買主保護を損なうと提案する。
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大学院現代社会文化研究科
#紀要論文
Non-Conformity of Goods and Limitation Clause under CISG, UCC and UK Law
AI解説
- 背景と目的:
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本論文は、売買法において中心的で、かつ訴訟でも頻繁に争点となる「商品の契約不適合(non-conformity of goods)」を扱う。これは、売主が義務に違反したかどうか、また買主がどのような救済(remedies)を追求できるかを左右するためである。論文では、契約適合(conformity)を、明示の契約要件(合意された説明、品質、数量、包装)だけでなく、契約書に明記されていない場合でも作用する黙示の法的基準(implied legal standards)も含む概念として位置づける。これと並行して本論文は、制限(または免責)条項(limitation (or exclusion) clauses)にも注目する。これらは、とりわけ標準約款(standard form contracts)を通じて売主が用いることが多く、黙示条項(implied terms)を否認したり救済を狭めたりすることで、契約不適合品に関する責任を制限することを目的とする。論文は、当事者自治と契約自由は認められる一方で、買主と売主の利害を均衡させるための法的コントロールによってその自由は制約される、と強調する。一定の範囲内で、本研究はCISG、UCC、英国法(主としてSale of Goods Act 1979と、これに付随する公正性(fairness)に関するコントロール)を比較し、契約不適合の定義、および制限条項の執行可能性(enforceability)と公正性の規律を検討する。また、免責条項が有効とされる場合に買主の救済が不確実になることを指摘し、黙示条項の免責を許すことは買主保護を損なうと提案する。
- 主要な発見:
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CISG、UCC、英国法のいずれにおいても、論文は、契約不適合が「欠陥(defects)」にとどまらず、契約上要求される説明、品質、数量、見本/モデルとの一致(sample/model conformity)、包装における不一致にまで及ぶという、広範で機能的に類似したカバー範囲があると結論づける。CISGについては、第35条が統一的な「契約不適合(lack of conformity)」概念として示され、また第35条(3)が重要な制約として強調される。すなわち、契約締結時に買主がその契約不適合を知っていた、または知らないはずがなかった場合、売主は黙示条項に基づく契約不適合について責任を負わない。これは、買主が欠陥を「現状有姿(as is)」で受け入れたと扱われた事案の結論によって例示される。他方で論文は、詐欺的な不開示(fraudulent non-disclosure)がある場合にはこの抗弁に依拠できない点も指摘し、買主に過失があっても詐欺的な売主に対しては保護され得る、という裁判所の論理を参照する。UCCについては、適合は保証(warranties)を通じて表現される契約上の義務と結び付けられ、Article 2-313の明示の保証(express warranty)と、黙示の保証(implied warranties:merchantabilityおよびfitness for particular purpose)が中核をなす。UCCは、とりわけArticle 2-316の下で免責(disclaimer)のための比較的詳細な仕組みを与えるものとして描かれ、例えば「merchantability」への特定の言及や、目立つ表示(conspicuousness)などを求める一方、Article 2-302に基づく不当性(unconscionability)コントロールにも服するとされる。英国法では、説明、品質(satisfactory qualityを含む)、特定目的適合性(fitness for purpose)、見本(sample)に関する黙示条項が中心であり、免責条項の執行可能性は取引がB2CかB2Bかに大きく依存する。すなわち、消費者買主は黙示条項が原則として免責できないため大幅に強い保護を受ける一方、B2Bにおける免責は、Unfair Contract Terms Act 1977の合理性(reasonableness)テストを満たす場合に許容され得る。総じて論文の主要な評価的主張は、売主に黙示条項の免責を認めることは買主の権利と救済に有害であり、法はそのような免責を許すべきではない、という点にある。
- 方法論:
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本論文は比較法的なドクトリン分析(comparative doctrinal method)を用い、CISG、UCC、英国の売買法という3つの法枠組みにわたり、制定法の規定および法的基準を分析・対比する。分析は、まず各制度における契約不適合概念を定義し、次いで制限条項を通じて契約自由がどのように作用するかを、特に黙示条項/保証(implied terms/warranties)に着目して検討する構成である。CISGの議論は、第35条の明示および黙示の適合基準と、第35条(3)の買主の知識(buyer-knowledge)による制約を軸に組み立てられ、司法判断および仲裁判断の例示(例:産業機械、中古車、食品、包装/ラベリングをめぐる紛争)によって裏づけられる。UCCの章も同様に、明示および黙示の保証の構造(記載のとおりArticles 2-313および2-314/2-315)をたどった上で、Article 2-316における免責ルール、解釈上のドクトリン(提示された形でのfour corners rule、contra proferentem、parol evidence ruleなど)、さらにArticle 2-302に基づく不当性(unconscionability)による有効性コントロールを事例とともに評価する。英国法の分析は、Sale of Goods Act 1979の黙示条項を踏まえたうえで、制限条項を、編入(incorporation)、解釈(contra proferentemを含む)、および制定法上の公正性コントロールによって検証し、とりわけUnfair Contract Terms Act 1977の合理性テストと消費者保護上の制約に焦点を当てる。全体を通じて本論文は、判例を主として、裁判所や法廷(tribunals)がこれらのルールをどのように適用するかを示す例として用い、定量的証拠としては用いない。
- 結論と意義:
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本論文は、3つの制度はいずれも、明示および黙示の基準を組み合わせることで売主義務を課し、契約不適合を、売買取引における典型的な欠陥または不一致の履行の範囲を含むものとして扱っている、と結論づける。著者の見立てでは、主要な困難は契約不適合を認識すること自体ではなく、制限または免責条項が適切に契約に組み込まれているか、そして執行可能かどうかを判断する点にある。比較上の重要点として、CISGは有効性(validity)の問題を自らは解決せず、第4条(a)によって契約条項の有効性を明示的に国内法に委ねているため、当事者が黙示の義務を否認しようとした場合に救済の不確実性が生じ得るとされる。これに対しUCCは、保証免責(warranty disclaimers)の作成および評価について、より明示的で統一的な枠組みを提供しつつ、不当性(unconscionability)による司法的コントロールも許容するものとして特徴づけられる。英国法は、Sale of Goods Actの黙示条項と、消費者と事業者の文脈を明確に区別する外部の制定法上のコントロールを組み合わせるものとして描かれ、消費者売買では多くの免責が無効となる一方、事業者間契約では合理性に服する条件付きで許容され得る。規範的には、本論文は、法制度は適合を規律する明示または黙示条項の免責を売主に許すべきではないと主張する。代わりに法が許容するとしても、買主が商品不適合の際に「実質的(meaningful)」な手段を保持できるように、救済の公正な制限または修正にとどめるべきだとする。本論文が主張する意義は、理論面だけでなく実務面にもある。不公正な標準条項は一般的であり、両当事者は免責の法的帰結を理解する必要がある。とりわけ買主は、免責が有効とされると救済を失うリスクがあるためである。
- 今後の展望:
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本論文が提示するのは、実証的な予測ではなく改革志向の方向性である。法ルールは、売主が適合義務、とりわけ黙示条項/保証(implied terms/warranties)に関する責任を免れることを許す立場から離れ、当事者自治は、双方にとって公正である限りで救済を調整する方向へと制約されるべきだと示唆する。また、売主が標準条項を用いて買主保護を大きく奪い得るという観察された実務に動機づけられ、事業者間・消費者売買の双方において制限条項を評価するための要件をより明確にすべきだとも主張する。実務的含意として本論文は、分析から導かれる予防的対応を強調する。すなわち買主は、免責が存在するか、そして国内法上の有効性コントロールがそれを有効とし得るかを精査すべきであり、売主は、買主が制限条項の存在を認識できるようにするとともに、免責と矛盾する説明に買主を依拠させるような行為を避けるべきだという。制度全体の観点からの将来含意としては、編入、明確性(clarity)、実質的限界(substantive limits)を対象とする、より強力で明示的な公正性コントロールが不確実性を減らし、標準約款によって形作られる取引においても、契約不適合が生じた際の買主救済をより確実にする、と述べている。
- 背景と目的:
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この論文は、売買契約でよく問題になる「
」について扱います。これは、売主が約束どおりの商品を渡したかどうか、そして買主がどんな商品の契約不適合 ( 契約で約束した内容や、法律が当然に求める基準に商品が合っていないことです。品質不良だけでなく、数量不足、説明と違う、見本と違う、包装が不適切なども含みます。売主の責任や、買主が返品や損害賠償などを求められるかを決める重要な考え方です。) を求められるか(返品、代金減額、損害賠償など)に大きく関わるからです。救済 ( 契約違反があったときに、被害を受けた側が求められる解決手段のことです。例えば、返品、修理や交換、代金の減額、損害賠償などがあります。どんな救済が使えるかは、契約不適合の判断や免責条項の有効性に左右されます。)
論文では、契約でハッキリ書かれた条件(説明、品質、数量、包装など)だけでなく、契約書に書かれていなくても法律上当然に求められる基準も含めて「契約に適合しているか」を考えます。
また、売主が責任を軽くしたり外したりするために使う「 ・制限条項 ( 契約違反が起きた場合に、責任の範囲や損害賠償の上限などを小さくする条項です。売主がリスクを減らすために使うことが多いですが、買主の救済を小さくしすぎると不公平になり得ます。) 」にも注目します。特に、売主が一方的に用意する標準的な契約書で使われやすく、買主の救済を狭めることがあります。論文は、契約は当事者の自由が基本でも、売主と買主のバランスを取るために法律で制限されるべきだと強調します。免責条項 ( 契約違反があっても責任を負わない、または特定の責任を負わないとする条項です。特に黙示の条件まで免責できると、買主が救済を失いやすくなるため、どこまで認めるかが問題になります。)
その上で、 、アメリカのCISG ( 国際的な売買契約に広く使われる条約で、国をまたぐ商品の売買ルールをある程度共通化するものです。契約不適合は主に第35条で扱われますが、免責条項などの有効性は国内法に任せる部分があり、不確実性が生まれやすいとされます。) 、イギリス法を比べながら、契約不適合の考え方と、免責条項がどこまで有効とされるか、公平さのチェックがどう行われるかを検討します。さらに、免責が認められると買主の救済が不安定になりやすく、法律上当然に入る条件まで免責できるようにするのは買主保護を弱める、という立場を示します。UCC ( アメリカで州ごとの違いを小さくするために整えられた統一商事法で、売買は主に第2編で扱います。適合は「保証」で整理され、免責のルールや不公平な条項を止める仕組みが比較的はっきりしています。)
- 主要な発見:
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、CISG ( 国際的な売買契約に広く使われる条約で、国をまたぐ商品の売買ルールをある程度共通化するものです。契約不適合は主に第35条で扱われますが、免責条項などの有効性は国内法に任せる部分があり、不確実性が生まれやすいとされます。) 、UCC ( アメリカで州ごとの違いを小さくするために整えられた統一商事法で、売買は主に第2編で扱います。適合は「保証」で整理され、免責のルールや不公平な条項を止める仕組みが比較的はっきりしています。) のどれでも、契約不適合は単なる「欠陥」だけでなく、説明・品質・数量・見本やモデルとの一致・包装の不一致まで広く含む、という点で共通しています。英国法 ( ここでは主にSale of Goods Act 1979などによる売買ルールを指します。黙示条項が重視され、消費者取引では免責が厳しく制限される一方、事業者間取引では合理性が認められれば免責が許される場合があります。)
CISGでは、第35条が契約不適合をまとめて扱い、特に第35条3項が重要だとされます。つまり、契約を結ぶ時点で買主が不適合を知っていた、または気づかないはずがなかった場合、売主は(特に法律上当然に求められる基準に関する)責任を負わないことがあります。これは、買主が不具合を理解したうえで「現状のまま」買ったと判断された例で示されます。ただし、売主が重要な事実をわざと隠したような場合は、売主がこのルールを使って逃げられないことも指摘されます。
UCCでは、適合の問題が「保証」という形で整理され、 と明示の保証 ( 売主が言葉や説明、見本などで「こういう品質です」とはっきり約束することです。UCCではこの約束どおりでなければ契約不適合になり、買主の救済の根拠になります。) が中心になります。UCCは免責のやり方を比較的くわしく定め、たとえば特定の言葉を使うことや、黙示の保証 ( 契約に書いていなくても、法律上当然に「これくらいは満たすべき」とされる品質や適合性の約束です。UCCでは代表例として、通常使用に耐えることや特定目的に合うことがあり、免責されると買主保護が弱くなります。) にすることなどを求めます。その一方で、あまりに不公平な条項は裁判所が認めない仕組みもあります。目立つ表示 ( 重要な条項を相手が気づけるように、文字を大きくしたり強調したりして示すことです。UCCでは免責を有効にする条件として重視され、隠れた免責条項を防ぐ役割があります。)
英国法では、説明・品質・特定目的への適合・見本などについて法律上の黙示条項が重視されます。そして がどこまで認められるかは、消費者相手か事業者同士かで大きく変わります。消費者は免責されにくく強く守られますが、事業者同士なら合理的といえる場合に限って免責が認められることがあります。免責条項 ( 契約違反があっても責任を負わない、または特定の責任を負わないとする条項です。特に黙示の条件まで免責できると、買主が救済を失いやすくなるため、どこまで認めるかが問題になります。)
全体として論文は、売主が法律上当然に入る条件まで免責できるようにすると、買主の権利や が弱くなりすぎるので、法律はそれを認めるべきではない、という評価を示します。救済 ( 契約違反があったときに、被害を受けた側が求められる解決手段のことです。例えば、返品、修理や交換、代金の減額、損害賠償などがあります。どんな救済が使えるかは、契約不適合の判断や免責条項の有効性に左右されます。)
- 方法論:
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論文は比較法の方法で、
、CISG ( 国際的な売買契約に広く使われる条約で、国をまたぐ商品の売買ルールをある程度共通化するものです。契約不適合は主に第35条で扱われますが、免責条項などの有効性は国内法に任せる部分があり、不確実性が生まれやすいとされます。) 、UCC ( アメリカで州ごとの違いを小さくするために整えられた統一商事法で、売買は主に第2編で扱います。適合は「保証」で整理され、免責のルールや不公平な条項を止める仕組みが比較的はっきりしています。) の3つのルールを読み比べ、条文や裁判例をもとに整理します。英国法 ( ここでは主にSale of Goods Act 1979などによる売買ルールを指します。黙示条項が重視され、消費者取引では免責が厳しく制限される一方、事業者間取引では合理性が認められれば免責が許される場合があります。)
流れとしては、まず各制度で「契約不適合」をどう定義するかを確認し、次に ・制限条項 ( 契約違反が起きた場合に、責任の範囲や損害賠償の上限などを小さくする条項です。売主がリスクを減らすために使うことが多いですが、買主の救済を小さくしすぎると不公平になり得ます。) によって免責条項 ( 契約違反があっても責任を負わない、または特定の責任を負わないとする条項です。特に黙示の条件まで免責できると、買主が救済を失いやすくなるため、どこまで認めるかが問題になります。) がどう働くかを、特に法律上当然に入る条件や保証の扱いに注目して検討します。契約自由 ( どんな相手と、どんな内容の契約を結ぶかを当事者が自由に決められるという原則です。取引の柔軟さを支える一方で、力関係の差が大きいと不公平な条項が入りやすく、法律のチェックが重要になります。)
CISGでは第35条の基準と第35条3項の「買主が知っていた場合の制限」を中心に、機械や中古車、食品、包装などの事例で説明します。UCCでは保証の仕組み、免責の条件、契約文言の解釈ルール、不公平な条項を排除する仕組みを事例とともに検討します。英国法ではSale of Goods Actの黙示条項を前提に、免責条項が契約に入っているか、どう解釈されるか、 などで公平さがどう確認されるかを分析します。合理性テスト ( 免責条項が公平かどうかを判断するための基準です。英国法では、当事者の交渉力の差、他で買えるか、条項を知っていたかなどを考慮して、免責を認めるべきかが判断されます。)
論文は主に裁判例を「ルールがどう使われているか」の例として使い、統計のような数のデータとしては使いません。
- 結論と意義:
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論文は、3つの制度はいずれも、契約で明示された条件と、法律上当然に入る条件を組み合わせて売主の義務を決め、契約不適合を幅広く捉えていると結論づけます。
ただし大きな難しさは、「不適合かどうか」よりも、 などがきちんと契約に組み込まれているか、そしてそれが法的に有効かを判断する点にあります。特に免責条項 ( 契約違反があっても責任を負わない、または特定の責任を負わないとする条項です。特に黙示の条件まで免責できると、買主が救済を失いやすくなるため、どこまで認めるかが問題になります。) は、条項の有効性そのものは国内法に任せるため、免責条項があると買主のCISG ( 国際的な売買契約に広く使われる条約で、国をまたぐ商品の売買ルールをある程度共通化するものです。契約不適合は主に第35条で扱われますが、免責条項などの有効性は国内法に任せる部分があり、不確実性が生まれやすいとされます。) がどうなるか不確実になり得ます。救済 ( 契約違反があったときに、被害を受けた側が求められる解決手段のことです。例えば、返品、修理や交換、代金の減額、損害賠償などがあります。どんな救済が使えるかは、契約不適合の判断や免責条項の有効性に左右されます。)
これに対して は、免責の書き方や評価のルールが比較的整っており、不公平な場合に止める仕組みもあります。UCC ( アメリカで州ごとの違いを小さくするために整えられた統一商事法で、売買は主に第2編で扱います。適合は「保証」で整理され、免責のルールや不公平な条項を止める仕組みが比較的はっきりしています。) は、消費者取引では免責を強く制限し、事業者同士では合理性の範囲で認める、という形で整理されています。英国法 ( ここでは主にSale of Goods Act 1979などによる売買ルールを指します。黙示条項が重視され、消費者取引では免責が厳しく制限される一方、事業者間取引では合理性が認められれば免責が許される場合があります。)
論文の主張としては、売主が適合義務そのもの(特に法律上当然に入る条件)を免責できるようにするのではなく、認めるとしても救済の内容を公平に調整する程度にとどめ、買主が実際に使える救済を残すべきだとします。実務上も、 による不公平な免責が多いため、売主も買主も免責の効果を理解する必要があり、買主は救済を失うリスクに注意すべきだと述べます。標準約款 ( 企業などがあらかじめ用意して繰り返し使う定型の契約条件です。相手が内容を細かく交渉しにくいことが多く、免責条項が一方的に有利になりやすい点が問題になります。)
- 今後の展望:
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論文は将来予測というより、制度をどう直すべきかの方向性を示します。売主が法律上当然に入る条件について責任を逃れられる仕組みから離れ、
は「双方にとって公平な範囲」で契約自由 ( どんな相手と、どんな内容の契約を結ぶかを当事者が自由に決められるという原則です。取引の柔軟さを支える一方で、力関係の差が大きいと不公平な条項が入りやすく、法律のチェックが重要になります。) を調整する方向に制限されるべきだと述べます。救済 ( 契約違反があったときに、被害を受けた側が求められる解決手段のことです。例えば、返品、修理や交換、代金の減額、損害賠償などがあります。どんな救済が使えるかは、契約不適合の判断や免責条項の有効性に左右されます。)
また、売主が標準条項で買主保護を大きく削れる現状をふまえ、消費者取引でも事業者間取引でも、 をチェックする要件をもっと明確にすべきだと主張します。実務上は、買主は制限条項 ( 契約違反が起きた場合に、責任の範囲や損害賠償の上限などを小さくする条項です。売主がリスクを減らすために使うことが多いですが、買主の救済を小さくしすぎると不公平になり得ます。) の有無と有効性をよく確認し、売主は相手が条項に気づけるようにし、免責と矛盾する説明で買主を誤解させないようにすべきだとまとめます。さらに、契約への組み込み方、分かりやすさ、内容の限界をより強くチェックする仕組みが、不確実性を減らし、買主の救済をより確実にする、と述べています。免責条項 ( 契約違反があっても責任を負わない、または特定の責任を負わないとする条項です。特に黙示の条件まで免責できると、買主が救済を失いやすくなるため、どこまで認めるかが問題になります。)
- 何のために?:
-
この文は、物を売り買いする
約束 の話です。
約束 どおりの物かどうかを考えます。
ちがう物なら、どう助けてもらうかです。
たとえば、返す、ねだんを下げるなどです。
約束 に書いたことだけを見ません。
法律 で「当たり前」のきまりも見ます。
また、「責任 をへらす文」にも注目します。
それで、買った人が困 ることがあります。
売る人と買う人の公平も大事にします。
3つの国のルールをくらべて考えます。
- 何が分かったの?:
-
3つとも、ちがいの見方は広いです。
こわれだけでなく、数や説明 もです。
見本とちがう、包 みが悪い、も入ります。
では、買う人が知っていたら注意です。CISG ( 国と国の間で物を売り買いするときの共通ルールの名前です。国がちがっても同じ考え方で「約束 どおりか」「ちがうときどうするか」を決めるために使われます。)
知って買ったなら、売る人が負けない時も。
でも、売る人がわざと隠 すと別 です。
では、「UCC ( アメリカで物の売り買いなどを決める法律 のルール集の名前です。「保証 」や「免責 」をどう書くかなど、取引のきまりをそろえるのに大事です。) 」という考え方を使います。保証 ( 売る人が「この品物はこういう品質 です」「この説明 どおりです」と約束 して責任 を持つことです。品物が約束 とちがうとき、買う人が助けを求 める根拠 になります。)
の書き方に、細かい決まりがあります。免責 ( 本来あるはずの責任 を「負わない」「小さくする」と決めておくことです。どこまで許 されるかで、買う人が困 るかどうかが変 わるので重要 です。)
とても不公平 なら、だめと言う仕組みも。
英国法 は、 か会社かで消費者 ( 自分や家族のために物を買う人のことです。法律 で特 に守られることが多く、免責 が通りにくい理由になります。) 変 わります。
消費者 は守られ、免責 されにくいです。
会社同士 は、 なら合理的 ( ふつうに考えて「納得 できる」「むちゃではない」という意味です。会社同士 の取引では、免責 が合理的 かどうかで認 められるかが変 わります。) 認 める時も。
全体として、買う人を弱くしすぎはだめです。
- どうやったの?:
-
3つのルールを読みくらべます。
法律 の文と、 の裁判 ( もめごとを法律 にもとづいて決める場のことです。法律 の言葉だけでは分からないとき、実際 にどう決めたかの例 として重要 です。) 例 を使います。
まず「ちがい」を何とするかを見ます。
次に、 の文がどう免責 ( 本来あるはずの責任 を「負わない」「小さくする」と決めておくことです。どこまで許 されるかで、買う人が困 るかどうかが変 わるので重要 です。) 働 くかを見ます。
は35CISG ( 国と国の間で物を売り買いするときの共通ルールの名前です。国がちがっても同じ考え方で「約束 どおりか」「ちがうときどうするか」を決めるために使われます。) を中心に考えます。条 ( 法律 の中の番号つきの区切りです。どの条 に何が書いてあるかで、判断 の根拠 がはっきりします。)
機械 や中古車、食品などの例 を使います。
はUCC ( アメリカで物の売り買いなどを決める法律 のルール集の名前です。「保証 」や「免責 」をどう書くかなど、取引のきまりをそろえるのに大事です。) と、保証 ( 売る人が「この品物はこういう品質 です」「この説明 どおりです」と約束 して責任 を持つことです。品物が約束 とちがうとき、買う人が助けを求 める根拠 になります。) 免責 の条件 を見ます。
英国法 は、法律 で入る約束 を見ます。
そして公平かどうかの調べ方も見ます。
数の ではなく、統計 ( たくさんの数を集めて比 べたりまとめたりする方法 です。この文では統計 ではなく裁判 の例 で考えると言っている点を理解 するのに必要 です。) 例 として裁判 を使います。
- 研究のまとめ:
-
3つとも、
約束 と法律 のきまりで決まります。
そして「ちがい」を広く考えています。
むずかしいのは、 の文の免責 ( 本来あるはずの責任 を「負わない」「小さくする」と決めておくことです。どこまで許 されるかで、買う人が困 るかどうかが変 わるので重要 です。) さです。有効 ( その文や約束 が法律 の上で「ちゃんと効 く」「認 められる」という意味です。免責 が有効 だと助けが減 ることがあるため、問題になります。)
はCISG ( 国と国の間で物を売り買いするときの共通ルールの名前です。国がちがっても同じ考え方で「約束 どおりか」「ちがうときどうするか」を決めるために使われます。) 有効 かどうかを国の法律 にまかせます。
そのため、助けが不安 になることがあります。
は、UCC ( アメリカで物の売り買いなどを決める法律 のルール集の名前です。「保証 」や「免責 」をどう書くかなど、取引のきまりをそろえるのに大事です。) 免責 のルールがわりとそろいます。
不公平 なら止める仕組みもあります。
英国法 は、 は強く守る形です。消費者 ( 自分や家族のために物を買う人のことです。法律 で特 に守られることが多く、免責 が通りにくい理由になります。)
会社同士 は、 なときだけです。合理的 ( ふつうに考えて「納得 できる」「むちゃではない」という意味です。会社同士 の取引では、免責 が合理的 かどうかで認 められるかが変 わります。)
売る人が責任 を全部なくすのはよくないです。
助けを少し調整するくらいにすべきです。
買う人が使える助けは残 すべきです。
買う人は、免責 の文があるか確 かめましょう。
売る人も、相手が気づける書き方が大事です。
- これからどうする?:
-
これから、きまりをどう直すかを考えます。
売る人が責任 から逃 げすぎない形にします。
自由でも、公平なはんいにするべきです。
の文をチェックする決まりをはっきりさせます。免責 ( 本来あるはずの責任 を「負わない」「小さくする」と決めておくことです。どこまで許 されるかで、買う人が困 るかどうかが変 わるので重要 です。)
でも、会社消費者 ( 自分や家族のために物を買う人のことです。法律 で特 に守られることが多く、免責 が通りにくい理由になります。) 同士 でも大切です。
買う人は、免責 の文をよく読みましょう。
売る人は、見やすく書いて知らせましょう。
まぎらわしい説明 で、だまさないことも大事です。
入れ方、わかりやすさ、内容 の限界 も見ます。
そうすると、不安 がへり、助けが確 かになります。
- 著者名:
- Nan Kham Mai
- 掲載誌名:
- 現代社会文化研究
- 巻:
- 61
- ページ:
- 225 - 255
- 発行日:
- 2015-12
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/41782
