論文詳細
大学院現代社会文化研究科
#紀要論文
Motivating Finite Adverbial Subordinate Clause Placement in Argumentative English Essays : Preposed and Postposed Adverbials in New York Times Editorials
- AI解説:
- 本論文は、専門的で形式的な説明文という特定のレジスター、すなわち New York Times の社説において、定形(finite)の副詞節従属節が主節に対してどこに配置されるのか(前置 preposing か後置 postposing か)を調べる。先行研究では、会話、小説、学生作文など複数のジャンルで副詞節の位置が検討され、前置と後置の動機として、参照(referential)要因(例:主語の共参照 subject coreference や談話スコープ discourse scope)、認知的処理制約、語用論的な情報構造化(Given/New、トピック設定)、言語間の類型的傾向などが提案されてきた。しかし著者は、定形の副詞節従属節の配置に焦点を絞って、専門的な説明的英語を対象とした研究はまだなかったと主張する。本研究の動機は、(i) 「洗練された」文章は強い従属構造(heavy subordination)によって特徴づけられるのか、という作文研究上の議論と、(ii) 副詞節には、文法的には似ている一方で談話上は異なりうる2つの競合する配置(前置 vs. 後置)が許されるため、実務上扱いが難しいという点の両方にある。中心的な目的は、社説執筆者による配置選択のパターンと考えうる動機を明らかにし、特に Ramsay (1987) をはじめとする先行研究の主張と比較することである。
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大学院現代社会文化研究科
#紀要論文
Motivating Finite Adverbial Subordinate Clause Placement in Argumentative English Essays : Preposed and Postposed Adverbials in New York Times Editorials
AI解説
- 背景と目的:
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本論文は、専門的で形式的な説明文という特定のレジスター、すなわち New York Times の社説において、定形(finite)の副詞節従属節が主節に対してどこに配置されるのか(前置 preposing か後置 postposing か)を調べる。先行研究では、会話、小説、学生作文など複数のジャンルで副詞節の位置が検討され、前置と後置の動機として、参照(referential)要因(例:主語の共参照 subject coreference や談話スコープ discourse scope)、認知的処理制約、語用論的な情報構造化(Given/New、トピック設定)、言語間の類型的傾向などが提案されてきた。しかし著者は、定形の副詞節従属節の配置に焦点を絞って、専門的な説明的英語を対象とした研究はまだなかったと主張する。本研究の動機は、(i) 「洗練された」文章は強い従属構造(heavy subordination)によって特徴づけられるのか、という作文研究上の議論と、(ii) 副詞節には、文法的には似ている一方で談話上は異なりうる2つの競合する配置(前置 vs. 後置)が許されるため、実務上扱いが難しいという点の両方にある。中心的な目的は、社説執筆者による配置選択のパターンと考えうる動機を明らかにし、特に Ramsay (1987) をはじめとする先行研究の主張と比較することである。
- 主要な発見:
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同定された副詞節294例全体では、前置がやや優勢で、前置60%・後置40%であった。句読点は広く用いられており、副詞節の83%は主節と句読点(通常はコンマ、場合によってはエムダッシュ)で区切られていた。また、句読点を伴わない副詞節は後置される傾向が強い。全体で最も頻度が高い構成は「前置+コンマ」で、全事例の59%を占めた。重要なのは、全体傾向だけを見ると、意味的タイプによる強い条件づけが隠れてしまう点である。時間(temporal)(109例) と条件(conditional)(91例) がデータの大半(合計で約3分の2)を占め、いずれも強く前置される(それぞれ前置70%、74%)。一方、原因(causal)(39例) は逆の挙動を示し、後置を強く好む(後置85%)。また原因副詞節は、句読点付与率が最も低く(それでも過半ではあるが)67%であった。譲歩(concession)(29例) と様態(manner)(26例) は前置と後置がより拮抗しており(譲歩55%/45%、様態46%/54%)、ただし譲歩節には正書法上のカテゴリカルなパターンが見られた。すなわち、譲歩節は100%が句読点を伴い、副詞節が主節とピリオドで切り離される(断片 fragment として扱われる)事例は譲歩副詞節に限られていた。主語の共参照(subject coreference)については、Ramsay の主張――後置された時間/条件節は主節と主語を共有しがちである――は一般化できないことが示された。後置の条件副詞節と時間副詞節は、多くの場合で主語が非共参照であった(それぞれ73%、75%)。また著者は **even if** について暫定的な分布パターンを報告している。このコーパスでは、前置の **even if** 節はカテゴリカルに条件的意味を表し、後置の **even if** 節はカテゴリカルに譲歩的意味を表すが、サンプルが小さい。最後に、副詞節が段落冒頭の文に現れる場合、前置かつ句読点ありがちであった(61%)。さらに、社説の第1文に副詞節が含まれる場合は、カテゴリカルに前置かつ句読点ありであった。
- 方法論:
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本研究は、2011年10月下旬から2012年1月下旬にかけて New York Times の社説57本を無作為に収集したコーパスを用いる。執筆者は複数の記名コラムニストと、編集部(editorial-staff)による1本である。分析対象は **finite adverbial subordinate clauses** のみに限定し、関係節(relative clauses)と補文節(complement clauses)、および非定形(nonfinite)の副詞節と副詞句(adverbial phrases)は除外した。著者は、副詞節と明示的な主節との関係が明確になるよう、採否の基準を操作的に定義している。分析から除外した副詞節タイプは4つである:(1) 明示的な主節を欠く副詞節(稀で、主に引用内)、(2) 主節の途中に挿入された副詞節(2例のみ)、(3) 完全に照応的(completely anaphoric)な副詞節(先行テキストへの共参照が本研究目的に照らして自明になるため除外)、(4) 主節とピリオドで分離された副詞節(文断片としての書式)。加えて、目的(purpose)副詞節は、先行研究が書き言葉英語ではほぼカテゴリカルに後置されると論じており、本研究目的にとって情報量が少ないため、全て除外した。採用された各副詞節はカウントされ、5つの変数についてコード化された:(i) 配置(前置 vs. 後置)、(ii) 副詞節と主節の間の句読点(コンマ/エムダッシュ vs. なし)、(iii) 意味タイプ(時間、条件、原因、譲歩、様態)、(iv) 副詞節と主節の主語が共参照か否か、(v) 当該副詞節を含む文が段落冒頭か否か。結果は主として度数分布と百分率で提示され、配置と句読点を組み合わせたクロス集計も含まれる。
- 結論と意義:
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本論文は、専門的な説明文における定形の副詞節従属節の配置は、意味タイプによって強く条件づけられており、正書法的標示(とりわけ句読点)がこのレジスターにおける一部の副詞節の挙動に不可欠である、と結論づける。時間副詞節と条件副詞節は前置を強く好む一方、原因副詞節は後置を強く好む。譲歩節と様態節はこの二分法にきれいには当てはまらず、別個の特徴づけが必要である。理論的な主要貢献として、先行研究に見られる一般的な談話上の主張への異議申し立てがある。著者は、主語の共参照が節の「統合(integration)」の指標になりうるという仮定のもとで、後置副詞節が前置副詞節よりも主節と局所的に統合されているとは限らないことを示し、「前置=談話連結、後置=局所的コメント」という固定観念よりも、Verstraete (2004) に近い見方と整合すると述べる。さらに本研究は、Ramsay (1987) の「後置=共参照」という一般化はこのジャンルでは成り立たず、より広い慣習というより著者固有の文体を反映している可能性があると論じる。もう1つの重要な貢献は、このコーパスにおいて譲歩副詞節がカテゴリカルに句読点を伴う(稀な断片的書式を含む)という性質を特定した点であり、著者はこれを、主節との統合度が系統的に低いことの証拠として解釈する。教育的セクションではコーパス傾向を過度に単純化した指導規則(「adverbial algorithm」)へ翻訳するが、最終的に著者は、副詞節の配置は意味、位置、主語共参照性、英語の正書法の複雑な相互作用を反映しており、本研究は基礎にある全ての説明を解決するものではないと強調する。
- 今後の展望:
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著者は、多くの問題が未解決であり、本研究は前置と後置の選択理由について部分的な答えしか提供しないことを明確に述べている。いくつかの発見は決定的ではなく示唆的なものとして提示されており、今後の研究方向を示している。最も直接的には、**even if** に関する「位置によって意味が分かれる」という提案(前置なら条件、後置なら譲歩)は、サンプルサイズが小さいため暫定的とされ、頑健性の検証にはより大規模なデータセットが必要である。また本論文は、意味クラス内の従属接続詞(subordinators)をより広く、より細かく分析する必要性も示唆する。時間副詞節では **when** が十分に頻出して強いパターンを示す一方、他の時間従属接続詞は出現が少なすぎ、確かな一般化が難しい。単一テキスト研究(例:Ramsay 1987)に基づく従来の一般化への著者の批判は、今後はより大規模で多著者のコーパスを用い、ジャンル比較を行って、レジスターの慣習と個人の文体を切り分けるべきだという方向性を示している。最後に、本論文は主語の共参照を「統合」の代理指標として扱い、一般的な談話上の主張への支持が混在する結果を得たため、後続研究では共参照主語以外の操作的尺度も用いて統合と談話連結を検討しつつ、意味タイプ、句読点、談話上の位置(例:段落冒頭や社説冒頭の文脈)間の相互作用のモデル化を継続する必要がある。
- 背景と目的:
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この研究は、New York Times の社説という「かたい説明文」の中で、
の副詞節(理由や条件、時間などを表す従属節)が、定形 ( 動詞が時制や主語に合わせて変化し、文として独立しやすい形のことです。たとえば when he died のように主語と動詞がそろう形で、After getting のような形とは区別されます。) の前に置かれるのか(主節 ( 文の中心となる節で、単独でも文として成り立つ部分です。副詞節などの従属節は、主節を補足する役割を持ちます。) )、それとも後ろに置かれるのか(前置 ( 副詞節などを主節の前に置くことです。読み手に先に条件や状況を示してから本題を言えるため、段落の導入などで使われやすいです。) )を調べたものです。後置 ( 副詞節などを主節の後ろに置くことです。主節で言い切ったあとに理由や条件を付け足す形になり、原因節で特に多いなどの傾向が見られます。)
これまで会話、小説、学生の作文などでは、副詞節の位置について研究がありましたが、プロが書く説明的な文章にしぼって、しかも「定形の副詞節」だけを中心に調べた研究は少ない、と著者は述べています。
研究のねらいは、社説の書き手が前置と後置をどう使い分けているのか、その理由として何が考えられるのかを明らかにし、特に Ramsay など先行研究の主張と比べることです。
- 主要な発見:
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合計294例の副詞節を集めたところ、全体では
が60%、前置 ( 副詞節などを主節の前に置くことです。読み手に先に条件や状況を示してから本題を言えるため、段落の導入などで使われやすいです。) が40%で、前置が少し多めでした。副詞節の83%は、後置 ( 副詞節などを主節の後ろに置くことです。主節で言い切ったあとに理由や条件を付け足す形になり、原因節で特に多いなどの傾向が見られます。) との間にコンマなどの主節 ( 文の中心となる節で、単独でも文として成り立つ部分です。副詞節などの従属節は、主節を補足する役割を持ちます。) がありました。句読点がない場合は、後置になりやすい傾向がありました。最も多い形は「前置+コンマ」で、全体の59%でした。句読点 ( コンマやピリオド、エムダッシュなど、文を区切って読みやすくしたり意味をはっきりさせたりする記号です。この研究では、副詞節が主節からどれだけ強く区切られているかを示す手がかりとして重要です。)
ただし、全体だけを見ると大事な違いが見えにくく、実は「意味の種類」によって前置・後置が大きく変わりました。時間と条件の副詞節が全体の約3分の2を占め、どちらも前置が多い(時間70%、条件74%)という結果でした。一方で原因の副詞節は後置が非常に多く(後置85%)、しかも句読点が付く割合も他より低め(67%)でした。
と譲歩 ( although や even if などで表され、「そうだとしても」という逆向きの関係を示すことです。主張を強めたり反論を先に想定したりするのに役立ち、社説の議論でもよく使われます。) の副詞節は、前置と後置がほぼ半々に近く、単純に割り切れませんでした。特に譲歩は、必ず句読点で区切られており、ピリオドで主節と完全に切り離して「様態 ( as や the way などで表され、「どのように」というやり方や態度を示す意味です。前置・後置が半々に近く、他の種類ほど単純に傾向が決まらない点が重要です。) 」のように見せる例が出たのは譲歩だけでした。断片 ( 文の形としては完全ではないが、文章の中で意図的に使われる短いかたまりのことです。ピリオドで切って強調したり、付け足しのように見せたりする効果があり、この研究では譲歩節に限って見られました。)
また、「後置の時間・条件節は主節と主語を共有しやすい」という Ramsay の主張は、この社説データでは当てはまりにくく、後置の時間節・条件節の多くは主語が同じではありませんでした。
さらに **even if** については、例数は少ないものの、前置だと条件的な意味、後置だと譲歩的な意味になっている可能性が報告されました。段落の最初の文に副詞節がある場合は前置+句読点になりやすく、社説の第1文に副詞節があるときは必ず前置+句読点でした。
- 方法論:
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2011年10月下旬から2012年1月下旬にかけて、New York Times の社説57本を無作為に集め、そこから
の副詞節だけを取り出して分析しました。定形 ( 動詞が時制や主語に合わせて変化し、文として独立しやすい形のことです。たとえば when he died のように主語と動詞がそろう形で、After getting のような形とは区別されます。) や関係節 ( 名詞を説明するための節で、who や which などで始まることが多いです。名詞を修飾する点で副詞節と役割が違うため、分析から除外されました。) 、補文節 ( 動詞が必要とする「内容」を埋める節で、that 節などが代表例です。副詞節と違って省くと文が成り立ちにくいため、分析対象から外されました。) の副詞節、単なる副詞句などは対象外にしました。非定形 ( to 不定詞や動名詞、分詞など、時制や主語の一致がはっきりしない形です。定形の副詞節と性質が違うため、この研究では対象外になりました。)
また分析の条件をそろえるため、 がはっきりしない例、主節の途中に挿入された例、前の文を受けるだけで役割が明らかすぎる例、ピリオドで切られて主節 ( 文の中心となる節で、単独でも文として成り立つ部分です。副詞節などの従属節は、主節を補足する役割を持ちます。) になっている例などは除外しました。目的の副詞節は、書き言葉ではほとんど断片 ( 文の形としては完全ではないが、文章の中で意図的に使われる短いかたまりのことです。ピリオドで切って強調したり、付け足しのように見せたりする効果があり、この研究では譲歩節に限って見られました。) になりやすいことが知られていて、今回の目的には新しい情報が少ないため除外しました。後置 ( 副詞節などを主節の後ろに置くことです。主節で言い切ったあとに理由や条件を付け足す形になり、原因節で特に多いなどの傾向が見られます。)
採用した各例について、 か後置か、前置 ( 副詞節などを主節の前に置くことです。読み手に先に条件や状況を示してから本題を言えるため、段落の導入などで使われやすいです。) があるか、意味の種類、主語が同じか、段落の最初の文かどうか、などを記録し、数と割合で結果を示しました。句読点 ( コンマやピリオド、エムダッシュなど、文を区切って読みやすくしたり意味をはっきりさせたりする記号です。この研究では、副詞節が主節からどれだけ強く区切られているかを示す手がかりとして重要です。)
- 結論と意義:
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この研究は、社説のようなかたい説明文では、副詞節の
・前置 ( 副詞節などを主節の前に置くことです。読み手に先に条件や状況を示してから本題を言えるため、段落の導入などで使われやすいです。) は「意味の種類」に強く左右されると結論づけます。時間・条件は前置が多く、原因は後置が多い、という傾向がはっきり出ました。さらに、後置 ( 副詞節などを主節の後ろに置くことです。主節で言い切ったあとに理由や条件を付け足す形になり、原因節で特に多いなどの傾向が見られます。) の使い方が重要で、とくに句読点 ( コンマやピリオド、エムダッシュなど、文を区切って読みやすくしたり意味をはっきりさせたりする記号です。この研究では、副詞節が主節からどれだけ強く区切られているかを示す手がかりとして重要です。) の副詞節は必ず句読点で区切られるなど、この文章の種類ならではの特徴が見られました。譲歩 ( although や even if などで表され、「そうだとしても」という逆向きの関係を示すことです。主張を強めたり反論を先に想定したりするのに役立ち、社説の議論でもよく使われます。)
理論的には、「前置は前後の文脈をつなぐ」「後置は直前の へのコメント」というような単純な見方や、「後置は主語が同じになりやすい」という一般化に疑問を示し、このジャンルでは必ずしもそうならないことを示しました。主節 ( 文の中心となる節で、単独でも文として成り立つ部分です。副詞節などの従属節は、主節を補足する役割を持ちます。)
また、譲歩節が強く区切られることは、主節と一体になりにくい性質を示す証拠になりうるとして、句読点も含めて考える必要があると述べています。教育的な応用としては、単純化した指導ルールの形にすることも試みていますが、最終的に著者は、副詞節の位置は複数の要因がからむため、簡単な規則だけで完全には説明できないと強調しています。
- 今後の展望:
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著者は、この研究が
・前置 ( 副詞節などを主節の前に置くことです。読み手に先に条件や状況を示してから本題を言えるため、段落の導入などで使われやすいです。) の理由をすべて説明できたわけではないと述べています。特に **even if** の「位置によって意味が分かれる」という話は例が少ないので、もっと大きなデータで確かめる必要があります。後置 ( 副詞節などを主節の後ろに置くことです。主節で言い切ったあとに理由や条件を付け足す形になり、原因節で特に多いなどの傾向が見られます。)
また、同じ意味の種類の中でも **when** 以外の語は出現が少なく、より多くのデータで細かく比べる必要があると示唆しています。さらに、1つの作品だけを調べた研究から一般化することへの批判を踏まえ、今後は多くの書き手を含む大規模 で、ジャンルの違いと個人の文体の違いを分けて調べるべきだと述べています。主語の一致以外の指標も使いながら、「コーパス ( 実際の文章を大量に集めたデータのことです。思いつきの例ではなく、現実の使われ方を数字で確かめられるため、言語研究で重要です。) 」と「文脈のつながり」をより丁寧にモデル化することが課題です。統合 ( 副詞節が主節とどれだけ強く一体になって働いているか、という見方です。主語の共参照や句読点の有無などを手がかりにして議論され、前置・後置の役割を考えるうえで重要です。)
- 何のために?:
-
この研究は、新聞の
を調べました。社説 ( 新聞などで出る意見の文章で、出来事について書き手の考えや判断 をまとめたものです。ニュース(事実を伝 える文)とちがい、意見をのべるので読みとりが大事になります。)
社説 は、かたい説明 の文章です。
文の中には、「理由」や「条件 」などがあります。
それは、「〜なので」などの言い方です。
その文が、前に来るか後ろかを見ました。
今までの研究は、会話などが多めでした。
でも、プロの説明文 だけの研究は少ないです。
この研究は、その少ない部分を調べました。
前に置 く理由、後ろに置 く理由も考えました。
そして、昔の研究とも比 べました。
- 何が分かったの?:
-
の文を、294こ集めました。副詞 ( 文の中で、いつどこでどんなふうになどを付 け足して説明 することばや言い方です。この研究では、副詞 が入ると文の順番 や読みやすさがどう変 わるかがポイントになります。)
前に置 く形が60%でした。
後ろに置 く形は40%でした。
多くの文で、 がありました。コンマ ( 文の中で区切りを示 す記号で、英語 だと comma のことです。コンマがあるかないかで、前に置 くか後ろに置 くかの傾向 が変 わるため重要 です。)
コンマがあるのは、83%でした。
コンマがないと、後ろに置 きやすいです。
いちばん多いのは、前+コンマでした。
これは全体の59%でした。
でも、意味のちがいで結果 が変 わりました。
「時間」と「条件 」が、たくさんありました。
この2つで、全体の3分の2ほどです。
時間の文は、前が70%でした。
条件 の文は、前が74%でした。
「原因 」の文は、後ろが多かったです。
原因 の文は、後ろが85%でした。
原因 の文は、コンマも少なめでした。
コンマがあるのは、67%でした。
「ゆずる」文と「ようす」文は半分ずつでした。
「ゆずる」文は、必 ずコンマで分かれました。
文を で切るピリオド ( 文の終わりを示 す記号で、英語 だと period のことです。文をどこで切るかで意味のまとまりが変 わるため、分析 に関係 します。) 例 もありました。
それは「ゆずる」文だけでした。
また、昔の言い方と合わない所もありました。
後ろの時間や条件 でも、 は同じでないです。主語 ( だれがどうするのだれにあたる部分です。主語が同じかちがうかで、後ろに置 いた文が読みやすいかどうかが変 わるため重要 です。)
も少しだけ見つかりました。even if ( 英語 で、たとえ〜でもという意味の言い方です。条件 やゆずる内容 を表せるため、前か後ろかで意味の近さが変 わる点が重要 です。)
前だと「条件 」に近いかもしれません。
後ろだと「ゆずる」に近いかもしれません。
のはじめは、前+コンマが多いです。段落 ( 文がいくつか集まったかたまりで、話の区切りです。段落 のはじめは読み手が理解 しやすい形が選 ばれやすいので、置 き方の偏 りを見るのに大切です。)
の1文目は、社説 ( 新聞などで出る意見の文章で、出来事について書き手の考えや判断 をまとめたものです。ニュース(事実を伝 える文)とちがい、意見をのべるので読みとりが大事になります。) 必 ず前+コンマでした。
- どうやったの?:
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2011年10月から2012年1月に集めました。
のNew York Times ( アメリカの新聞の名前です。どの新聞の社説 を使ったかは、研究結果 がどこまで当てはまるかを考える手がかりになります。) を57本使いました。社説 ( 新聞などで出る意見の文章で、出来事について書き手の考えや判断 をまとめたものです。ニュース(事実を伝 える文)とちがい、意見をのべるので読みとりが大事になります。)
その中から、決まった形の の文を取りました。副詞 ( 文の中で、いつどこでどんなふうになどを付 け足して説明 することばや言い方です。この研究では、副詞 が入ると文の順番 や読みやすさがどう変 わるかがポイントになります。)
ちがう種類 の文は、入れませんでした。
たとえば、 の文などです。関係代名詞 ( 人や物を説明 するために文をつなぐ言い方で、英語 だと who や which などです。形がちがう文をまぜると比 べにくいので、この研究では除 きました。)
がはっきりしない文も外しました。主文 ( その文でいちばん中心になる文です。主文がはっきりしないと、前や後ろに置 いた理由や条件 が何にかかるのか分かりにくくなります。)
文の途中 に入りこむ形も外しました。
説明 がわかりすぎる例 も外しました。
で切れたピリオド ( 文の終わりを示 す記号で、英語 だと period のことです。文をどこで切るかで意味のまとまりが変 わるため、分析 に関係 します。) も外しました。断片 ( 文として必要 な形がそろわず、途中 だけが切り出されたような短い部分です。断片 が入ると前後の関係 が分からなくなるので除 きました。)
「目的 」の文も外しました。
それは、いつも後ろになりやすいからです。
残 した文は、いろいろ記録 しました。
前か後ろかを記録 しました。
があるかもコンマ ( 文の中で区切りを示 す記号で、英語 だと comma のことです。コンマがあるかないかで、前に置 くか後ろに置 くかの傾向 が変 わるため重要 です。) 記録 しました。
意味の種類 も書きました。
が同じかも調べました。主語 ( だれがどうするのだれにあたる部分です。主語が同じかちがうかで、後ろに置 いた文が読みやすいかどうかが変 わるため重要 です。)
の段落 ( 文がいくつか集まったかたまりで、話の区切りです。段落 のはじめは読み手が理解 しやすい形が選 ばれやすいので、置 き方の偏 りを見るのに大切です。) 最初 かどうかも見ました。
そして、数とわりあいでまとめました。
- 研究のまとめ:
-
では、意味で社説 ( 新聞などで出る意見の文章で、出来事について書き手の考えや判断 をまとめたものです。ニュース(事実を伝 える文)とちがい、意見をのべるので読みとりが大事になります。) 置 き方が変 わりました。
時間と条件 は、前が多かったです。
原因 は、後ろが多かったです。
の使い方も大事でした。コンマ ( 文の中で区切りを示 す記号で、英語 だと comma のことです。コンマがあるかないかで、前に置 くか後ろに置 くかの傾向 が変 わるため重要 です。)
とくに「ゆずる」文は、必 ず区切られました。
よくある単純 な考えに、疑問 も出ました。
前はつなぐ、後ろはコメント、だけではないです。
後ろは が同じ、もいつもではないです。主語 ( だれがどうするのだれにあたる部分です。主語が同じかちがうかで、後ろに置 いた文が読みやすいかどうかが変 わるため重要 です。)
「ゆずる」文が強く区切られるのも大切です。
と、くっつきにくいのかもしれません。主文 ( その文でいちばん中心になる文です。主文がはっきりしないと、前や後ろに置 いた理由や条件 が何にかかるのか分かりにくくなります。)
だから、コンマもいっしょに考えるべきです。
ただ、かんたんな決まりだけでは足りません。
いろいろな理由が、からむと書いています。
- これからどうする?:
-
この研究だけで、全部は分かりません。
はeven if ( 英語 で、たとえ〜でもという意味の言い方です。条件 やゆずる内容 を表せるため、前か後ろかで意味の近さが変 わる点が重要 です。) 例 が少なく、まだ弱いです。
もっとたくさんの文で確 かめる必要 があります。
when ( 英語 で、〜のときという時間を表す言い方です。時間の文を集めるときの代表的 な形なので、研究の対象 を決めるために重要 です。) 以外 のことばも、もっと集めたいです。
また、1つの集まりだけでは広げにくいです。
もっと大きいデータで調べるべきです。
書き手のちがいも分けて見たいです。
が同じか主語 ( だれがどうするのだれにあたる部分です。主語が同じかちがうかで、後ろに置 いた文が読みやすいかどうかが変 わるため重要 です。) 以外 の見方も使います。
文のまとまりや、つながりを考える課題 です。
- 著者名:
- O'neal George
- 掲載誌名:
- 言語の普遍性と個別性
- 巻:
- 3
- ページ:
- 75 - 97
- 発行日:
- 2012-03
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/27103
