論文詳細
自然科学系
農学部
#紀要論文
地すべり斜面の地下水の2次元的な観測・解析による斜面安定解析
- AI解説:
- 地すべり地の地下水観測において、従来から全長ストレーナ式観測孔が用いられることが多いが、この方法では地下水流が静水圧分布になると仮定しているため、斜面の安定度や地下水排除工による水抜きの効果を正確に評価できない可能性がある。本研究では、深度別に地下水頭を測定し、地下水流を2次元的に捉えることで、2次元浸透流解析を行い、斜面安定解析を従来の方法と比較することを目的としている。
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自然科学系
農学部
#紀要論文
地すべり斜面の地下水の2次元的な観測・解析による斜面安定解析
AI解説
- 背景と目的:
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地すべり地の地下水観測において、従来から全長ストレーナ式観測孔が用いられることが多いが、この方法では地下水流が静水圧分布になると仮定しているため、斜面の安定度や地下水排除工による水抜きの効果を正確に評価できない可能性がある。本研究では、深度別に地下水頭を測定し、地下水流を2次元的に捉えることで、2次元浸透流解析を行い、斜面安定解析を従来の方法と比較することを目的としている。
- 主要な発見:
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深度別の地下水観測と2次元浸透流解析を行った結果、従来の全長ストレーナ式観測孔による方法では、斜面の安定度や地下水排除工の効果を過大評価または過小評価する可能性があることが明らかになった。特に、東虫亀地すべり地では、浸透流解析により得られた安全率が従来の方法と比較して約0.09-0.11高い値を示し、松之山越地すべり地でも同様に、浸透流解析による安全率の方が実体に即して評価できることが確認された。
- 方法論:
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本研究は、2つの地すべり地(東虫亀と松之山越)を対象に、深度別に地下水頭を測定し、そのデータに基づいて水理モデルを構築し、有限要素法を用いた2次元浸透流解析を行った。解析結果を各観測孔のデータと比較し、整合性を確認した上で、斜面安定解析を実施し、従来の方法と比較した。
- 結論と意義:
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本研究の結果、2次元浸透流解析による斜面安定解析が、従来の方法に比べて実体に即した評価を可能にすることが示された。特に、土の強度定数と水圧をバランスの取れた精度で求めることが重要であることが強調された。これにより、斜面の安定度評価や地下水排除工の設計において、より信頼性の高いデータを提供することができるため、安全性の向上とコストの削減につながる。
- 今後の展望:
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今後の研究では、さらに多様な地質条件や斜面の形状を持つ地すべり地での適用を試み、2次元浸透流解析の一般化と精度向上を目指す。また、観測技術の進歩によるデータの高精度化や、解析ソフトウェアの開発も進めることで、より迅速かつ正確な斜面安定解析が可能となることが期待される。さらに、地下水排除工の効果をリアルタイムで監視・評価するシステムの構築も検討されるべきである。
- 背景と目的:
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地域での地下水観測では、昔から全長地すべり ( 山や丘の斜面が重力によって移動する現象です。土砂崩れとも言います。) がよく使われています。しかし、この方法では地下水の流れを正確に捉えられないことがあります。この研究では、地下水の流れを2次元で捉える新しい方法を用いて、斜面の安定度や地下水排除工事の効果を評価する目的があります。ストレーナ式観測孔 ( 地下水を測定するための特別な穴です。ストレーナというフィルターの役割をする部分があります。)
- 主要な発見:
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深度別に地下水を観測し、2次元の地下水流解析を行った結果、従来の方法では斜面の安定度や地下水排除工事の効果を正しく評価できないことが分かりました。東虫亀
地では、新しい方法で得られた地すべり ( 山や丘の斜面が重力によって移動する現象です。土砂崩れとも言います。) が従来の方法よりも高く、松之山越地すべり地でも新しい方法の方が実際の状況をよく反映していることが確認されました。安全率 ( 斜面が崩れないようにするために必要な安全度を示す数値です。この数値が高いほど安全です。)
- 方法論:
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この研究では、東虫亀と松之山越という2つの
地域を対象にしました。深度別に地下水の圧力を測定し、そのデータを使って水理モデルを作成しました。このモデルを使って2次元の地下水流解析を行い、その結果を従来の方法と比較しました。地すべり ( 山や丘の斜面が重力によって移動する現象です。土砂崩れとも言います。)
- 結論と意義:
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新しい方法を用いた2次元の地下水流解析により、斜面の安定度をより正確に評価できることが分かりました。特に、土の強度と水圧のバランスをとることが重要であることが強調されました。これにより、斜面の安定度評価や地下水排除工事の設計において、より信頼性の高いデータを提供でき、安全性の向上とコストの削減につながります。
- 今後の展望:
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今後の研究では、さまざまな地質条件や斜面の形状を持つ
地域での適用を試み、方法の一般化と精度向上を目指します。また、観測技術の進歩や解析ソフトウェアの開発を通じて、斜面安定解析をより迅速かつ正確に行えるようになることが期待されます。さらに、地下水排除工事の効果をリアルタイムで監視・評価するシステムの構築も検討されるべきです。地すべり ( 山や丘の斜面が重力によって移動する現象です。土砂崩れとも言います。)
- 何のために?:
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が起こる地すべり ( 土や石が斜面 を滑 り落 ちる現象 。地震 や豪雨 などによって発生することが多く、非常 に危険 。) 地域 では、 の地下水 ( 地面の中に存在 する水。井戸 水 や温泉 水もこの一部。) 観測 が大事です。昔から使われている方法 では、地下水の流れをしっかりと見ることができません。この研究では、新しい方法 で地下水の流れを2次元で見ます。この方法 で、土が崩 れないかどうかや地下水を抜 く工事の効果 を調べます。
- 何が分かったの?:
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深さごとに
を見て、2次元で流れを調べました。すると、昔の地下水 ( 地面の中に存在 する水。井戸 水 や温泉 水もこの一部。) 方法 では土が崩 れないかどうかや工事の効果 を正しく見られないと分かりました。東虫亀 という場所では、新しい方法 の方が安全だと分かりました。松之山越 という場所でも、新しい方法 が実際 の状況 をよく表していました。
- どうやったの?:
-
この研究では、東虫
亀 と松之山越 の2つの場所を調べました。深さごとに の地下水 ( 地面の中に存在 する水。井戸 水 や温泉 水もこの一部。) を圧力 ( 物が押 される力。水の中や空気中でも発生し、特 に地下水では周囲 の土や石に影響 を与 える。) 測 って、そのデータを使って水の流れの を作りました。そして、2次元で流れを調べました。そのモデル ( 現実 の物事を簡単 に表現 したもの。シミュレーションや実験 に用いられる。) 結果 を昔の方法 と比 べました。
- 研究のまとめ:
-
新しい
方法 で2次元の の流れを調べると、土が地下水 ( 地面の中に存在 する水。井戸 水 や温泉 水もこの一部。) 崩 れないかを正しく見られると分かりました。特 に、土の強さと水の の圧力 ( 物が押 される力。水の中や空気中でも発生し、特 に地下水では周囲 の土や石に影響 を与 える。) が大事だと分かりました。このバランス ( 物事のつり合いが取れている状態 。特 に土の強さと水の圧力 のバランスは地すべりの予防 に重要 。) 方法 で、土が崩 れないかどうかや地下水を抜 く工事の設計 に役立ちます。安全性 が高まり、工事のコストも減 らせます。
- これからどうする?:
-
今後は、いろいろな地形や土の場所でこの
方法 を試 します。この方法 をもっと正確 にすることを目指します。また、観測 の技術 や解析 ソフトを改良 して、もっと速く正確 に調べられるようにします。さらに、 を地下水 ( 地面の中に存在 する水。井戸 水 や温泉 水もこの一部。) 抜 く工事の効果 をすぐに見るシステムも考えます。
- 著者名:
- 稲葉 一成
- 掲載誌名:
- 秋田県立農業短期大学研究報告
- 巻:
- 23
- ページ:
- 1 - 23
- 発行日:
- 1997-08
- 著者による要約:
- This paper deals with the stability analyses of landslide slopes by the two-dimensional observations and analyses of groundwater pressure. In the landslide slopes having an inclined groundwater flow or having the multi-stratums with the different coefficients of permeability, the groundwater pressure can not be obtained from the static pressure calculated from the groundwater level since the vertical distribution of the groundwater pressure is not static. In this case, the observations and analyses of groundwater pressure should be considered to be a two-dimensional flow systems in a vertical section. And the distribution of pore water pressure along the slip surface used for the stability analyses should be determined from the water pressure using the finite element solution of groundwater flow. In Higashi-mushigame landslide and Matunoyama-koshi landslide, the groundwater pressures were measured by using the observation boreholes having a screened section not along all its length but only at the desired depth. The numerical models having the multi-stratums with the different coefficients of permeability were by trial and error identified by the finite element method so that the numerical results may agree with these field measurements. The stability analyses of landslide slopes using these distributions of pore water pressure along the slip surface provide the reasonable factors of safety.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/30512
