論文詳細

人文社会科学系 教育学部 #紀要論文

教職生活を通して学ぶ教員の課題の分析

AI解説:
本研究は、教員養成課程を経て教員となった後の教職生活の中で生じる悩みや課題意識を明らかにすることを目的としています。教師を取り巻く環境は厳しく、少子化や感染症の影響で新たな対応が求められる状況にあります。さらに、教員の休職率や精神性疾患による休職が増加していることから、教師の疲弊が深刻な問題となっています。これに対して、本研究は、教職経験を持つ卒業生に焦点を当て、具体的な課題や心情を明らかにし、それに共通する困難を探ることを目指しています。
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著者名:
高木 幸子
掲載誌名:
新潟大学教育学部研究紀要 人文・社会科学編
巻:
14
号:
2
ページ:
295 - 303
発行日:
2022-02
著者による要約:
本研究は,教員養成課程を経て教員となった後の教職生活の中で,どのような悩みや課題意識が生まれているのかを明らかにすることを目的とする。そのために2004~2019年に教員養成学部を卒業した33人を分析対象者として回答データをテキスト分析した。その結果,1.教師になって悩んだことやつらかったことについては,経験の浅いうちは授業を作ることそのものを悩み自分の力量不足と感じ,経験を重ねることで,子供の多様な実態や家庭環境などに合わせた授業や対応が悩みとなっていた。2.教職経験年数に関わらず教師は子供の良いところに目を向けていたが,その内容は,教師にとっての良さから,子供の成長や子供同士のかかわりの充実を良さとする方向への移行がうかがえた。3.観察できる実態の理解や気づきから,子供の内面への気づきへの移行がうかがえた。
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