論文詳細
教育学部
#紀要論文
酸塩基指示薬としての黒米および黒小豆の活用 : 小中学校教員のための理科実験教材の開発
- AI解説:
- 新学習指導要領(理科)では、理数教育の充実を図るため、「日常生活等から問題を見いだす活動や見通しをもった観察・実験などの充実によりさらに学習の質を向上」させることが求められています。OECDのPISA調査でも、日本の児童・生徒における「知識・技能を活用する能力」に課題があると指摘されています。この背景から、著者らは、小中学校の理科教育において日常生活の中にある科学的事象と学校での学習内容との連携を強化するための教材開発の必要性を感じ、本研究を実施しました。本研究では、「水溶液の性質」の単元から、身近なものを用いた酸塩基指示薬の教材開発に焦点を当てています。
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教育学部
#紀要論文
酸塩基指示薬としての黒米および黒小豆の活用 : 小中学校教員のための理科実験教材の開発
AI解説
- 背景と目的:
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新学習指導要領(理科)では、理数教育の充実を図るため、「日常生活等から問題を見いだす活動や見通しをもった観察・実験などの充実によりさらに学習の質を向上」させることが求められています。OECDのPISA調査でも、日本の児童・生徒における「知識・技能を活用する能力」に課題があると指摘されています。この背景から、著者らは、小中学校の理科教育において日常生活の中にある科学的事象と学校での学習内容との連携を強化するための教材開発の必要性を感じ、本研究を実施しました。本研究では、「水溶液の性質」の単元から、身近なものを用いた酸塩基指示薬の教材開発に焦点を当てています。
- 主要な発見:
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本研究では、黒米および黒小豆の色素を酸塩基指示薬として利用できることを明らかにしました。黒米や黒小豆は、紫キャベツや赤紫蘇、紫イモパウダーと同様にアントシアニン色素を含み、安価で容易に入手可能であり、1年以上の長期保存が可能です。黒米と黒小豆の色素抽出液は、酸塩基指示薬として十分な性能を持ち、特に黒小豆色素は塩基性領域での色調の変化に優れています。これにより、日常生活の中にある科学現象と理科の学習内容を結びつける教材としての有用性が確認されました。
- 方法論:
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黒米と黒小豆の色素を抽出し、酸塩基指示薬としての性能を評価しました。具体的には、黒米1.5gおよび黒小豆2.5gをそれぞれ100mlの水に24時間浸漬し、自然濾過によって色素抽出液を得ました。得られた抽出液の安定性を評価するため、紫外可視吸収スペクトルを測定し、日数経過による変化を追跡しました。また、これらの色素抽出液を用いて、pH0.32からpH13.31までの範囲の様々な液性の物質に対する色調の変化を観察し、その性能を比較しました。
- 結論と意義:
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黒米および黒小豆の色素は、酸塩基指示薬として教育現場で有効に利用できることが示されました。特に、黒小豆色素は塩基性領域での色調変化に優れており、理科教育において身近な素材を活用した実験教材としての潜在能力が高いことが確認されました。この研究により、自然の産物と理科学習、日常生活の科学現象が密接に関連していることを児童・生徒に実感させることが可能となります。これにより、理科教育の質が向上し、生徒の科学に対する興味関心を喚起することが期待されます。
- 今後の展望:
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今後は、黒米および黒小豆の色素を用いた実験教材をさらに発展させ、教育現場での実践を通じてその有効性を検証していくことが必要です。また、他の身近な素材を用いた指示薬の開発も進め、より多様な教材を提供することで、理科教育における探究的学習を促進することが期待されます。さらに、これらの教材を用いた授業を通じて、生徒が科学の重要性や楽しさを実感し、自ら問題を見いだし解決する能力を育むことを目指します。
- 背景と目的:
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新しい学習指導要領によると、理科教育を充実させるために、日常生活の中で見つかる問題を調べたり、実験を行うことが重要とされています。また、
の調査では、日本の学生は知識を実際に使う能力に課題があると指摘されています。これを受けて、私たちの研究では、学校で学ぶ内容と日常生活の科学的な事象を結びつけるための教材を開発することにしました。具体的には、「水溶液の性質」という単元で、身近な材料を使ったOECD ( 経済協力開発機構という国際機関で、各国の教育や経済の分析を行っています。) の教材を作ることに焦点を当てました。酸塩基指示薬 ( 液体の酸性や塩基性の状態を色の変化で示す薬品です。)
- 主要な発見:
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研究の結果、黒米や黒小豆の色素が
として使えることがわかりました。これらは紫キャベツや赤紫蘇と同じ酸塩基指示薬 ( 液体の酸性や塩基性の状態を色の変化で示す薬品です。) という色素を含み、安く手に入れやすく、長期間保存できます。特に黒小豆の色素は、塩基性の液体に対してよく色が変わることがわかりました。こうした発見は、日常生活の中にある科学現象と理科の学習内容をつなげることに役立ちます。アントシアニン ( 植物に含まれる色素で、酸性や塩基性で色が変わる性質があります。)
- 方法論:
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黒米と黒小豆の色素を抽出し、その性能を評価しました。具体的には、黒米1.5gと黒小豆2.5gを100mlの水に24時間浸し、濾過して色素抽出液を得ました。これを使って、pHの異なる液体に対する色の変化を観察し、液の状態を調べました。
- 結論と意義:
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黒米と黒小豆の色素は、教育現場で
として有効に使えることが示されました。特に黒小豆の色素は、塩基性の液体に対する色の変化が優れているため、理科の実験で使う教材として高い潜在能力があります。この研究により、自然の産物と理科学習、日常生活の科学現象が密接に関連していることを生徒が実感できるようになります。これにより、生徒の科学に対する興味が高まることが期待されます。酸塩基指示薬 ( 液体の酸性や塩基性の状態を色の変化で示す薬品です。)
- 今後の展望:
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今後は、黒米および黒小豆の色素を使った実験教材をさらに発展させ、教育現場での実践を通じてその有効性を検証していくことが必要です。また、他の身近な素材を使った指示薬の開発も進め、多様な教材を提供することで、理科教育の探究的学習を促進することが期待されます。これらの教材を使った授業を通じて、生徒が科学の重要性や楽しさを実感し、自ら問題を見つけて解決する能力を育むことを目指します。
- 何のために?:
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新しい勉強の
方法 では、生活の中で見つかる問題を調べたり、実験 をすることが大事です。また、日本の子どもたちは知っていることを使うのが少し苦手です。だから、学校で習うことと日常生活 の科学を結 びつける教材 を作ることにしました。特 に、水に何かを溶 かすとどうなるかを調べる実験 の教材 です。
- 何が分かったの?:
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研究で、黒いお米や黒い小豆の色が
変 わることがわかりました。これらは紫 キャベツ や赤紫蘇 と同じ色素 を持っています。黒い小豆の色は、特 に液体 がアルカリ 性 のときによく変 わります。これで、日常生活 と理科の勉強がつながります。
- どうやったの?:
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黒米と黒小豆の色を取り出して、その色がどう
変 わるか調べました。黒米1.5グラムと黒小豆2.5グラムを100ミリリットルの水に1日つけました。そして、色の入った水を取り出しました。そして、いろんな液体 に入れて色の変化 を見ました。
- 研究のまとめ:
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黒米と黒小豆の色は、理科の
実験 で使えることがわかりました。特 に黒小豆の色は、アルカリ 性 の液体 に対して色がよく変 わります。これで、自然 のものと理科の勉強が近くなります。生徒 たちは、科学にもっと興味 を持つでしょう。
- これからどうする?:
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これから、黒米と黒小豆の
実験 をもっと広げて使ってみます。また、ほかの身近なものを使った実験 も考えてみます。これで、理科の勉強がもっと楽しくなります。生徒 が自分で問題を見つけて、解決 する力を育てます。
- 著者名:
- 鎌田 正喜, 早川 潤
- 掲載誌名:
- 新潟大学教育学部研究紀要 自然科学編
- 巻:
- 10
- 号:
- 2
- ページ:
- 145 - 162
- 発行日:
- 2018-03
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/49736