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人文社会科学系 法学部 #紀要論文

中国における匿名出資 : 「会社法解釈(3)」関連規定への批判と提言

AI解説:
本研究では、中国の匿名出資に関する法的問題を取り上げています。匿名出資とは、実際の出資者と名義株主が異なる場合に、実際の出資者が投資の権利利益を享受する契約関係を指します。最高人民法院による会社法解釈(3)(法釈[2011]3号)25条1項に基づき、実際出資者と名義株主の関係性や株主資格の認定が主な議論の対象となっています。特に、実際出資者と名義株主の関係の法的性質、実際出資者の権利義務、会社や第三者との関係についての疑問が存在します。これらの問題に対する現行法の不明瞭さや矛盾を解消し、匿名出資の法的枠組みを明示することが本研究の目的です。
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著者名:
張 双根
掲載誌名:
法政理論
巻:
46
号:
2
ページ:
62 - 104
発行日:
2014-02
著者による要約:
匿名出資について、中国ではまだ系統的な理論が形成されているとはいえず、「会社法解釈(3)」(法釈[2011]3号)の関連規定には矛盾ひいては誤った箇所が少なくない。本稿では、匿名出資現象を類型化したうえで、匿名出資契約の構造の自由の境界と、現行会社法制度との間の協調を検討する。そして、匿名出資の法的性質が実際には出資者の間接出資であり、その背後の契約は信託型と組合型の2種類の形式があることを確認する。さらに、匿名出資の関わる諸方面の関係の具体的内容を分析する。
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