論文詳細

工学部 自然科学系 #学術雑誌論文

次世代高速無線アクセスシステムへの下りリンクマルチユーザMIMO技術の適用(<特集>高度化するワイヤレスシステムを支えるアンテナ・伝搬技術論文)

AI解説:
無線通信システムの研究開発において、「限られた周波数帯域での伝送速度の向上」は非常に重要な課題です。特に、既に多くの無線システムに周波数帯域が割り当てられているマイクロ波帯以下の周波数帯では、周波数利用効率の高い無線アクセスシステムの実現が求められています。この課題を解決する方法として、空間分割多重伝送(SDM)が提案されており、これにより複数の異なる信号を空間軸上で多重化し、信号処理によって分離することができます。本論文では、複数の無線局によって仮想的なMIMOチャネルを形成して信号伝送を行う方法であるMU−MIMO伝送に焦点を当て、特にその基盤となる空間信号処理(SSP)技術と次世代高速無線アクセスシステムへの応用について述べます。
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著者名:
鷹取 泰司, 西森 健太郎
掲載誌名:
電子情報通信学会論文誌. B, 通信
巻:
J93-B
号:
9
ページ:
1127 - 1139
発行日:
2010-09
著者による要約:
高い周波数利用効率を実現する技術としてMU-MIMO(Multiuser-Multiple-Input-Multiple-Output)伝送技術が注目され,現在策定中の次世代無線LANシステムの規格IEEE802.11acでもシステムスループットを向上させる技術として採用される可能性が高まっている.本論文ではMU-MIMO伝送技術の実システムへの応用に着目し,信号処理量が比較的少ない線形信号処理によるMU-MIMO技術に焦点を絞り,屋内実環境での環境変動特性,MU-MIMO技術の適用領域,下りリンクMU-MIMO技術を概説する.更に,試作した送受16アンテナから構成されるMU-MIMO伝送評価用ハードウェアでのデータ伝送実験の結果によって,周波数利用効率50bit/s/Hzが実環境において達成可能であることを示す.
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