論文詳細
大学院自然科学研究科
自然科学系
#学位論文
夜間車両運転のための遠赤外線ハイパーステレオカメラの距離感に基づく構成法
- AI解説:
- 地震や火山噴火、台風などによる災害では、救助用車両が重要な役割を果たします。災害現場には瓦礫や倒木などの障害物が散乱しており、運転者が正確に地形を把握することが求められます。また、暗い色の服を着た被災者を見逃す危険もあります。従来の自動運転技術は交通事故防止を目的としていますが、災害現場での使用は想定されておらず、特に倒れている歩行者の検出は難しい状況です。本研究では、遠赤外線カメラを用いたステレオ映像を利用することで、災害現場での運転支援システムの開発を目指します。
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大学院自然科学研究科
自然科学系
#学位論文
夜間車両運転のための遠赤外線ハイパーステレオカメラの距離感に基づく構成法
AI解説
- 背景と目的:
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地震や火山噴火、台風などによる災害では、救助用車両が重要な役割を果たします。災害現場には瓦礫や倒木などの障害物が散乱しており、運転者が正確に地形を把握することが求められます。また、暗い色の服を着た被災者を見逃す危険もあります。従来の自動運転技術は交通事故防止を目的としていますが、災害現場での使用は想定されておらず、特に倒れている歩行者の検出は難しい状況です。本研究では、遠赤外線カメラを用いたステレオ映像を利用することで、災害現場での運転支援システムの開発を目指します。
- 主要な発見:
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本研究では、ステレオカメラと3Dモニタを用いて、実際の運転環境と3Dモニタ越しの運転環境での距離感の一致を目指しました。特に、基準面距離と3Dモニタまでの視距離を一定に保ち、基線長を車両速度に応じて調整することで、運転者が正確な距離感を得られることが確認されました。この方法により、視差が不快領域に入らず、眼精疲労や頭痛などの不快感を感じることなく、適切なタイミングでブレーキを踏むことができるようになりました。
- 方法論:
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まず、ドライビングシミュレータを用いて基礎的な実験を行い、その後実車での走行試験を行いました。ステレオカメラから得られた映像を3Dモニタで表示し、障害物までの距離感を検証しました。ステレオカメラの基線長と基準面距離を変更しながら、実環境でのブレーキ位置とシミュレーターでのブレーキ位置を比較しました。また、ブレーキランプの点灯を可視光センサで検出し、車両から障害物までの距離を巻尺を使って測定しました。
- 結論と意義:
-
ステレオカメラの基線長と基準面距離を調整することで、3Dモニタ越しの運転環境でも正確な距離感が得られることが確認されました。この研究は、災害現場での運転支援システムの開発に重要な知見を提供します。特に、遠赤外線カメラを用いたステレオ映像によって、視覚的な距離感を正確に捉えることができるため、夜間や視界不良な状況でも安全に運転することが可能となります。
- 今後の展望:
-
今後の研究では、ドローンの操縦システムに応用することを検討しています。特に、ヘッドマウントディスプレイを用いたシステムの開発が現実的であり、これにより原子力発電所などの危険地帯での作業も安全に行える可能性があります。また、ステレオカメラの基線長を車両速度に応じて自動的に変更できるシステムの開発も予定しています。さらに、災害現場での実際の運用を考慮した実験を行い、路面の傾きやカメラの傾きを補償する方法も研究していきます。
- 背景と目的:
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地震や火山噴火、台風などの災害時に、救助用の車両は重要な役割を果たします。しかし、災害現場には瓦礫や倒木などの障害物がたくさんあり、運転者が地形を正確に把握する必要があります。また、暗い色の服を着た被災者を見逃す危険もあります。従来の自動運転技術は交通事故防止を目的としていますが、災害現場での使用は想定されておらず、特に倒れている歩行者の検出は難しいです。本研究では、遠赤外線カメラを用いたステレオ映像を利用し、災害現場での運転支援システムの開発を目指します。
- 主要な発見:
-
本研究では、
とステレオカメラ ( カメラが2つあり、立体的な映像を撮ることができるカメラシステム。) を使用して、実際の運転環境と3Dモニタ越しの運転環境での距離感を一致させることを目指しました。特に、3Dモニタ ( 立体的に見える画像や映像を表示するモニタ。) と3Dモニタまでの視距離を一定に保ち、車両の速度に応じてカメラの間隔(基準面距離 ( ステレオカメラで対象物を立体的に見たときの基準となる距離。) )を調整することで、運転者が正確な距離感を得られることを確認しました。この方法により、基線長 ( ステレオカメラの2つのカメラの間の距離。) が不快な領域に入らず、眼精疲労や頭痛などの不快感を感じることなく、適切なタイミングでブレーキを踏むことができました。視差 ( 両目で見たときに生じる映像のずれ。立体的な映像を見るための重要な要素。)
- 方法論:
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まず、ドライビングシミュレータを用いた基礎実験を行い、その後実際の車での走行試験を行いました。
から得られた映像をステレオカメラ ( カメラが2つあり、立体的な映像を撮ることができるカメラシステム。) で表示し、障害物までの距離感を検証しました。ステレオカメラの間隔(3Dモニタ ( 立体的に見える画像や映像を表示するモニタ。) )と障害物までの距離(基線長 ( ステレオカメラの2つのカメラの間の距離。) )を変更しながら、実際の運転環境とシミュレーター環境でのブレーキ位置を比較しました。また、ブレーキランプの点灯をセンサで検出し、車両から障害物までの距離を巻尺で測定しました。基準面距離 ( ステレオカメラで対象物を立体的に見たときの基準となる距離。)
- 結論と意義:
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の間隔(ステレオカメラ ( カメラが2つあり、立体的な映像を撮ることができるカメラシステム。) )と障害物までの距離(基線長 ( ステレオカメラの2つのカメラの間の距離。) )を調整することで、基準面距離 ( ステレオカメラで対象物を立体的に見たときの基準となる距離。) 越しの運転環境でも正確な距離感が得られることが確認されました。この研究は、災害現場での運転支援システムの開発に重要な知見を提供します。特に、遠赤外線カメラを用いたステレオ映像によって、夜間や視界が悪い状況でも安全に運転することが可能になります。3Dモニタ ( 立体的に見える画像や映像を表示するモニタ。)
- 今後の展望:
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今後の研究では、ドローンの操縦システムにも応用することを考えています。特に、ヘッドマウントディスプレイを使ったシステムの開発が現実的であり、これにより原子力発電所などの危険地帯での作業も安全に行える可能性があります。また、
の間隔(ステレオカメラ ( カメラが2つあり、立体的な映像を撮ることができるカメラシステム。) )を車両速度に応じて自動的に変更できるシステムの開発も予定しています。さらに、災害現場での実際の使用を考えた実験を行い、路面の傾きやカメラの傾きを補正する方法も研究していきます。基線長 ( ステレオカメラの2つのカメラの間の距離。)
- 何のために?:
-
地震 や火山が噴 くこと、台風などの災害 のとき、助けるための車は大事です。でも、災害 の場所にはたくさんのがれきや倒 れた木があります。運転する人は地面をよく見ないといけません。暗い服を着た人を見逃 すかもしれません。今の自動運転技術 は事故 を防 ぐためですが、災害 の場所ではうまく使えません。この研究では、 を使って、遠赤外線カメラ ( 暗い場所や遠くのものも見えるカメラ) 災害 の場所で運転を助けるシステムを作ります。
- 何が分かったの?:
-
この研究では、
とステレオカメラ ( 2つのカメラを使って立体的 な映像 を撮 るカメラ) を使いました。車を運転するときの3Dモニタ ( 立体映像 を表示 できるモニタ) 距離 がちゃんと分かるようにしました。カメラの間隔 も調整しました。それで、運転する人は正しい距離 を感じられました。これにより、目が疲 れたり頭が痛 くなったりしません。適切 なタイミングでブレーキを踏 めました。
- どうやったの?:
-
まず、
でテストしました。その後、運転シミュレーター ( 車の運転を仮想的 に体験 できる装置 ) 実際 の車で試 しました。 のステレオカメラ ( 2つのカメラを使って立体的 な映像 を撮 るカメラ) 映像 を に3Dモニタ ( 立体映像 を表示 できるモニタ) 映 しました。カメラの間隔 を変 えて、運転する環境 でブレーキの位置 を比 べました。 がつくのをブレーキランプ ( 車がブレーキをかけたときに点灯 するランプ) で調べて、センサ ( 特定 の情報 を感知する装置 ) 巻尺 で距離 を測 りました。
- 研究のまとめ:
-
のステレオカメラ ( 2つのカメラを使って立体的 な映像 を撮 るカメラ) 間隔 と障害物 までの距離 を調整すると、正確 な距離感 が得 られました。この研究は災害 の場所で運転を助けるために大事です。特 に、夜や見えにくい時でも安全に運転できるようになります。
- これからどうする?:
-
これからは、ドローンの
操作 にも使いたいです。 を使うシステムも考えています。これで、ヘッドマウントディスプレイ ( 頭にかぶって使うテレビのようなもの) 危 ない場所でも安全に作業ができます。カメラの間隔 を自動で調整するシステムも作ります。また、災害 の場所で実際 に使う実験 もします。路面の傾 きやカメラの傾 きも調べます。
- 著者名:
- 水津 俊介
- 発行日:
- 2017-03-23
- 著者による要約:
- 夜間の安全運転を目的とした,遠赤外線カメラや赤外線センサを利用した運転支援システムは,すでに多くの自動車会社から商品化されている.これらの運転支援システムは通常の運転環境を想定して開発されており,災害現場での使用は想定されていない.災害が発生したときに被災者の救助を行うために,災害救助用車両が活躍している.夜間でも出動が要請される場合もあるが,車両のヘッドライトは\\n照射範囲が限られるため,瓦礫や倒木などの障害物が散乱している現場での走行には不十分である.そこで,遠赤外線映像による夜間運転支援が考えられる.一方,車両の運転では数十メートル先の環境を見ているため,距離感は両眼立体視からでは得られず,テクスチャ情報が重要である.遠赤外線映像は可視光カメラ映像と比べてテクスチャ情報が不足しているため一台のカメラ映像からでは正しい距離感が得られない.そこで,二台の遠赤外線カメラからの映像を運転席前方に置かれた3Dモニタで見て走行環境を立体的に把握することにする.しかし,3Dモニタを見ながらの運転では,通常の運転と比べて障害物までの距離感が一致しない可能性がある.この距離感の差異は,ステレオカメラと3Dモニタの配置によって制御することができる.
本研究では,障害物に対する3Dモニタからの距離感が走行環境を直接見た場合と一致するように,ステレオカメラと3Dモニタの配置法を検討する.このような運転システムの開発は,安全性を充分に配慮しなければならない.したがって,車両に3Dモニタを搭載して実際に走行するのではなく,まずはドライビングシミュレータによる検討,ついで実車による走行試験,最後に実用化と段階を踏んで開発してゆく必要がある.今回はドライビングシミュレータによる検討を行った.車両の速度ごとに,ステレオカメラの基線長,基準面距離,及び運転者と3Dモニタ間の距離について適切な配置を実験により求めることにした.この実験は負担が大きいので,まず被験者の中から代表者で実験を行い得られた結果を仮説とし,ついで残りの被験者による実験でこの仮説を裏付けることにした.被験者に合わせたドライビングシミュレータを使って3Dモニタを見て運転したときのブレーキ位置を車両速度,基線長,基準面距離,運転者と3Dモニタ間の距離を変えて測定する.ドライビングシミュレータでのブレーキ位置が実環境でのブレーキ位置とほぼ一致する配置パターンを探索する.この結果,3Dモニタ位置と基準面距離は固定し,基線長を車両速度に合わせて伸縮させる必要があるという仮説を生成することができた.この仮説を残りの被験者で検証した.車両速度ごとに基線長のみを変えてドライビングシミュレータを使ってブレーキ位置を測定し実ブレーキ位置と比較した.この結果,車両速度に比例して基線長を伸縮させることにより,実環境での距離感と同じ距離感を3Dモニタから得られ,同じタイミングでブレーキを踏むことができた.これにより,遠方両眼立体視をする場合,実環境に近い距離感を遠赤外線ステレオ映像で再現するために必要なステレオカメラと3Dモニタの配置法が明らかになった.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/47636
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