論文詳細
医学部保健学科
医歯学系
#紀要論文
看護学専攻のカリキュラム評価による教育課程のあり方の検討 : カリキュラム改正後の卒業年次学生へのアンケート調査から
- AI解説:
- 本研究の背景には、我が国の看護教育環境の変化があります。具体的には、医療技術の進歩や少子高齢社会の進行に伴い、看護職には高い質の看護提供が求められています。このような時代の要請を受け、新潟大学医学部保健学科看護学専攻はカリキュラムを改定しました。本研究の目的は、現行カリキュラムで教育を受けた卒業年次の学生がカリキュラムに対してどのように評価しているのか、保健師・助産師教育課程の現状についての要望や意見を把握・分析し、今後のカリキュラム改訂に活用することと、学士課程におけるより良い看護のカリキュラム運用に役立てることです。
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医学部保健学科
医歯学系
#紀要論文
看護学専攻のカリキュラム評価による教育課程のあり方の検討 : カリキュラム改正後の卒業年次学生へのアンケート調査から
AI解説
- 背景と目的:
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本研究の背景には、我が国の看護教育環境の変化があります。具体的には、医療技術の進歩や少子高齢社会の進行に伴い、看護職には高い質の看護提供が求められています。このような時代の要請を受け、新潟大学医学部保健学科看護学専攻はカリキュラムを改定しました。本研究の目的は、現行カリキュラムで教育を受けた卒業年次の学生がカリキュラムに対してどのように評価しているのか、保健師・助産師教育課程の現状についての要望や意見を把握・分析し、今後のカリキュラム改訂に活用することと、学士課程におけるより良い看護のカリキュラム運用に役立てることです。
- 主要な発見:
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調査の結果、学習目標の到達度に関しては94.4%が「非常にできた」または「できた」と回答しており、カリキュラム全体の満足度も高いことがわかりました。特に「看護の対象理解」や「看護専門職としての倫理観」などの項目で高い評価が得られました。しかし、「看護実践できる能力」や「研究成果を看護実践・教育に生かす基礎的能力」については評価がやや低く、特に「国際的視野及び異文化看護の視点」については達成度が低いことが明らかになりました。これにより、実践的な能力や国際的視野を養う教育内容の改善が必要であることが示唆されました。
- 方法論:
-
本研究は自記式質問紙調査法を用いて行われました。研究対象者は平成24年度に入学した学部生80人で、データ収集期間は平成28年2月でした。研究デザインとしては、卒業年次の学生が集合した機会に質問紙を配布し、無記名で回収する方法が取られました。調査内容には、属性情報、学習目標の到達度、カリキュラムの評価、保健師および助産師教育課程に関する評価などが含まれました。データの分析には記述統計が用いられ、自由記述の回答は意味内容が類似したものにまとめられました。
- 結論と意義:
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調査結果から、現行カリキュラムに対する学生の評価は総じて高いことが判明しましたが、実践力や国際的視野に関する教育内容に改善の余地があることが示されました。特に、保健師教育課程においては、実習の時期や内容に関する意見が多く寄せられ、今後のカリキュラム改訂に向けた重要な指標となりました。また、助産師教育課程に関しては、選択制が学生に高く評価されており、今後も選択制を維持しつつ、内容のさらなる充実が求められています。この研究は、カリキュラムの質を向上させるための具体的な示唆を提供し、看護教育の改善に貢献する意義があります。
- 今後の展望:
-
今後は、実施した調査結果を基にカリキュラムのさらなる改善が求められます。特に、実践的な能力の養成や国際的視野の拡充に向けた教育内容の見直しが必要です。また、保健師教育課程に関しては、実習の時期や内容の調整を図り、早期からのインターンシップの検討も重要です。助産師教育については、選択制を維持しつつ、より効果的な学習方法の導入を進める必要があります。これらの改善を通じて、学生がより高い実践能力と国際的視野を持った看護専門職として成長できるようなカリキュラムを構築していくことが期待されます。
- 背景と目的:
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この研究は、日本の看護教育が変わってきていることを背景にしています。医療技術が進歩し、少子高齢化が進む社会では、看護師には高い質の看護が求められます。そこで、新潟大学医学部保健学科の看護学専攻は
を改定しました。この研究の目的は、新しいカリキュラムで教育を受けた学生たちがカリキュラムについてどう評価しているかを調べ、保健師や助産師の教育についての意見や要望を分析することです。そして、これからのカリキュラム改訂に役立てることを目指しています。カリキュラム ( 教育の内容や計画を意味します。学生が学ぶべき内容やその順序を決めたものです。)
- 主要な発見:
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調査の結果、94.4%の学生が学習目標を「非常にできた」または「できた」と答え、
全体にも高い満足度を示しました。特に「看護の対象理解」や「看護専門職としての倫理観」が高く評価されました。しかし、「看護実践できる能力」や「研究成果を看護実践・教育に生かす基礎的能力」については評価が低く、「国際的視野及び異文化看護の視点」については達成度が低いことがわかりました。これにより、実践的な能力や国際的視野を養う教育内容の改善が必要であることが示されました。カリキュラム ( 教育の内容や計画を意味します。学生が学ぶべき内容やその順序を決めたものです。)
- 方法論:
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この研究は、
を使って行われました。調査対象は平成24年度に入学した学部生80人で、データ収集は平成28年2月に行いました。質問紙を配布し、無記名で回答を回収しました。調査内容には、属性情報、学習目標の到達度、自記式質問紙調査法 ( 質問紙に自分で記入する形式の調査方法です。多くの人からの意見を集めるために使われます。) の評価、保健師や助産師の教育課程に関する評価が含まれました。データの分析にはカリキュラム ( 教育の内容や計画を意味します。学生が学ぶべき内容やその順序を決めたものです。) を使用し、自由記述の回答は似た内容をまとめました。記述統計 ( データをまとめて、グラフや表でわかりやすく示す方法です。調査結果を理解しやすくするために使われます。)
- 結論と意義:
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調査結果から、現行
に対する学生の評価は高いことがわかりましたが、実践力や国際的視野に関する教育内容に改善の余地があることが示されました。特に、保健師教育課程では実習の時期や内容に関する意見が多く、今後のカリキュラム改訂の重要な指標となりました。また、助産師教育課程では選択制が高く評価されており、内容の充実も求められています。この研究は、看護教育の改善に役立つ具体的な示唆を提供しています。カリキュラム ( 教育の内容や計画を意味します。学生が学ぶべき内容やその順序を決めたものです。)
- 今後の展望:
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これからは、実施した調査結果を基に
のさらなる改善が求められます。特に、実践的な能力の養成や国際的視野の拡充が必要です。また、保健師教育課程では実習の時期や内容の調整、早期からのインターンシップも重要です。助産師教育については、選択制を維持しつつ、より効果的な学習方法を導入する必要があります。これらの改善を通じて、学生がより高い実践能力と国際的視野を持った看護専門職として成長できるカリキュラムが期待されます。カリキュラム ( 教育の内容や計画を意味します。学生が学ぶべき内容やその順序を決めたものです。)
- 何のために?:
-
この研究は、
看護 の勉強が変 わってきたから始まりました。医療 の技術 が進み、子どもが少なく高齢者 が多い社会で、看護 師 にはより良 い看護 が求 められます。新潟大学では、看護 の勉強の内容 を変 えました。この研究の目的 は、新しい勉強で学んだ学生の意見を調べることです。そして、これからの看護 の勉強を良 くすることも目指しています。
- 何が分かったの?:
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調べた
結果 、94.4%の学生が「学ぶ目標 ができた」と答えました。また、 にもカリキュラム ( 学校や教育機関 で教える内容 や計画。学生が学ぶべき科目やその順序 を示 します。) 満足 していました。特 に、「看護 の対象 を理解 すること」や「看護 の仕事で大切なこと」が高く評価 されました。しかし、「看護 を実践 する力」や「研究の成果 を活かす力」は低 く評価 されました。また、「国際的 な視野 や の異文化 看護 ( 異 なる文化背景 を持つ患者 に対する看護 。文化の違 いを理解 し、適切 なケアを提供 することが求 められます。) 視点 」は達成 が低 いことがわかりました。これにより、実践的 な能力 や国際的 な視野 を育てる教育が必要 だとわかりました。
- どうやったの?:
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この研究は、
を使って行いました。質問 紙( アンケートのように、特定 の情報 を集めるために設計 された質問 のセット。研究や調査 でよく使われます。) 対象 は平成24年度に入学した学生80人で、平成28年2月にデータを集めました。質問 紙には、学生の情報 や学習目標 の達成度 、 のカリキュラム ( 学校や教育機関 で教える内容 や計画。学生が学ぶべき科目やその順序 を示 します。) 評価 、 や保健 師 ( 保健所 などで健康 相談 や指導 を行う専門職 。地域 の健康 を守るための役割 を担 います。) の教育に助産 師 ( 妊娠 や出産 に関 するケアを行う専門職 。妊婦 と赤ちゃんの健康 をサポートします。) 関 する評価 が含 まれていました。データの分析 には、 を使いました。自由記述 統計 ( データをまとめ、簡単 に理解 できるようにするための統計 手法 。例 えば、平均 や割合 を計算することです。) 記述 の回答は、似 た内容 をまとめました。
- 研究のまとめ:
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調べた
結果 から、今の に対する学生のカリキュラム ( 学校や教育機関 で教える内容 や計画。学生が学ぶべき科目やその順序 を示 します。) 評価 は高いことがわかりました。でも、実践 力 や国際的 視野 に関 する教育には改善 が必要 です。特 に、 の勉強では実習の時期や保健 師 ( 保健所 などで健康 相談 や指導 を行う専門職 。地域 の健康 を守るための役割 を担 います。) 内容 への意見が多く、 の勉強では助産 師 ( 妊娠 や出産 に関 するケアを行う専門職 。妊婦 と赤ちゃんの健康 をサポートします。) 選択 制 が高く評価 されています。この研究は、看護 の勉強を良 くするための具体的 なヒントを提供 しています。
- これからどうする?:
-
これからは、
調査 の結果 を基 に をさらにカリキュラム ( 学校や教育機関 で教える内容 や計画。学生が学ぶべき科目やその順序 を示 します。) 改善 することが求 められます。特 に、実践的 な能力 や国際的 視野 を育てることが大切です。また、 の勉強では実習の時期や保健 師 ( 保健所 などで健康 相談 や指導 を行う専門職 。地域 の健康 を守るための役割 を担 います。) 内容 の調整、 もインターンシップ ( 学生が実際 の職場 で働 き、経験 を積 む教育プログラム。将来 の仕事に役立つスキルを身につけるために行います。) 重要 です。 の勉強では、助産 師 ( 妊娠 や出産 に関 するケアを行う専門職 。妊婦 と赤ちゃんの健康 をサポートします。) 選択 制 を保 ちながら、より効果的 な学習方法 を導入 する必要 があります。これらの改善 を通じて、学生がより高い実践 能力 と国際的 視野 を持った看護 師 に成長 できることが期待されます。
- 著者名:
- 定方 美恵子, 成田 太一, 西方 真弓, 柏 美智, 住吉 智子, 坂井 さゆり, 清水 詩子, 小林 恵子
- 掲載誌名:
- 新潟大学保健学雑誌
- 巻:
- 15
- 号:
- 1
- ページ:
- 79 - 87
- 発行日:
- 2018-03
- 著者による要約:
- 本研究の目的は,新潟大学医学部保健学科看護学専攻において平成24年度から実施している改訂カリキュラムの教育評価である。4年次生80人を対象に自記式質問紙調査を実施し,回答が得られた59人(73.8%)を分析対象とした。調査内容は,学習目標の達成状況やカリキュラム,保健師および助産師教育課程の科目に関する学生の評価である。学習目標の到達度はほとんどの項目で70%以上が「できた」と回答し,カリキュラム全体の充実度も高い評価であった。また,保健師および助産師の実践内容に関する学習状況も全項目で80%以上が「学習できた」と回答した。一方で,看護実践できる能力の育成や,教養科目と専門科目のバランス,セメスター毎の学習量の配分は他の項目に比べ評価が低かった。よりよいカリキュラムの運用と看護学教育の一層の充実のため,限られた時間数の中で,効果的な教育方法とカリキュラムの進度について検討していく必要がある。
The purpose of this study is to have students evaluate the effects of the revised curriculum implemented from the 2012 academic year at the Department of Nursing at The School of Health Sciences, Niigata University. A questionnaire to be filled in by the participants was implemented targeting 80 4th year students and data from the 59 students (73.8%) who responded was analyzed. The questionnaire asked students to evaluate achievement of learning goals, curriculum and educational programmes start period and satisfaction with contents for public health nurses and midwives. Over 70% of participants responded that they ‘were able to achieve’ in almost categories of learning goals and over 70% responded that they ’fulfilled’ in almost categories of achievement level for learning goals, giving a high evaluation of satisfaction levels in the curriculum level as a whole. In addition, over 80% of participants responded ’was able to learn’ in all categories for learning in practical content for public health nurses and midwives. Meanwhile, evaluations for the development of nursing competency and knowledge, balance between general and specialized subjects and distribution of amount of study per semester in comparison with other categories. In order to operate an even better curriculum and enrich nursing education even further, it is necessary to investigate effective education methods and curriculum progress within a limited number of hours.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/49824
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