論文詳細

自然科学系 農学部 #紀要論文

大学生の牛乳・乳製品の摂取状況と酪農体験との関連性

AI解説:
本研究の背景として、日本の若年世代におけるカルシウム摂取量が不足している現状が挙げられます。カルシウムは成長期や高齢期の骨の健康維持に重要であり、特に大学生には食生活において牛乳・乳製品の摂取が不可欠です。しかし、実際の摂取状況は推奨量に達していないことが多く、栄養バランスに配慮した食生活を送る若者は少数です。本研究の目的は、大学生における牛乳・乳製品の摂取状況と嗜好性を把握し、その背景に酪農体験がどのように関与しているかを明らかにすることで、効果的な食教育の方法を検討することです。
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著者名:
山口 智子, 細田 耕平, 吉田 智佳子, 田中 知佳, 渡邊 令子
掲載誌名:
新潟大学農学部研究報告
巻:
73
ページ:
21 - 27
発行日:
2021-02
著者による要約:
牛乳・乳製品は、カルシウムやたんぱく質の給源として健康の保持・増進に欠かせない食品である。本研究では、本学学生265名を対象に牛乳・乳製品の摂取状況や嗜好性、酪農体験の有無を調査した。学生の45%が栄養バランスを考えて食事をし、50%が牛乳・乳製品をしっかり摂っていると回答した。嗜好性については、牛乳を「好き」と答えた学生が67%、乳製品(ヨーグルトやチーズなど)は95%が「好き」と回答したが、ほぼ毎日摂取している人はそれぞれ23%、17%と少なかった。男性の方が有意に牛乳を好み、日常的によく飲むと回答した一方、乳製品は女性の摂取頻度が有意に高かった。酪農体験のある学生は全体の38%で、男女間に有意差はみられなかった。酪農体験を有するグループでは、牛乳を日常的に摂取している割合が高かった。大学生の牛乳・乳製品の嗜好性や摂取状況には性差がみられ、酪農体験の有無は日常的な食選択に影響を与える可能性が示唆された。
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