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医学部保健学科 医歯学系 #学術雑誌論文

ループス膀胱炎(トピックス 特集 膠原病の難治性合併症 : 診断と治療の進歩 VI.腎・膀胱病変)

AI解説:
全身性エリテマトーデス(SLE)は自己免疫機序により多様な臓器障害を引き起こす疾患であり、膀胱に病変が生じることもあります。これをループス膀胱炎と呼びます。この病態は過去の報告がありますが、1983年のOrthらの報告以降、症例が集積されています。しかし、臨床家には十分に認識されておらず、難治性の病態に至ることも少なくありません。本稿では、ループス膀胱炎の疾患概念や診療上の留意点について、実験例や報告例をもとに概説します。
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著者名:
中野 正明
掲載誌名:
日本内科学会雑誌
巻:
90
号:
8
ページ:
1446 - 1451
発行日:
2001-08
著者による要約:
ループス膀胱炎は間質性膀胱炎を基盤として,頻尿,排尿痛などの膀胱症状で発症し,水腎症や萎縮膀胱をもたらす全身性エリテマトーデス(SLE)の臓器障害の一つである.高頻度に消化管障害や腹膜炎を随伴する特有の臨床像を呈するが,SLEにおける出現頻度は1%程度のまれな病態であり,その疾患概念はいまだ広く認識されてはいない現状である.診断の遅れは膀胱機能の非可逆的な障害に直結するため,その臨床特徴を十分理解し,腹部超音波検査などで早期診断に努める必要がある.
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